【R18】転生先は男女比1:30の貞操逆転世界~ビッチを夢見る三十路の魂~

尾和 ハボレ

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『幕間:二年二組、立花恵子の場合(前)』

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『幕間:二年二組、立花恵子の場合(前)』

アタシには一組に仲のいい友人がいる。

いや、いた。

過去形なのは三分ほど前、SNSのメッセージを受け取った時に長かった友人の縁を切ったからだ。

まったくもってうらやま……許せない。

スマホに送られてきた写真には、元友人の加奈子が男子と肩を並べて一緒に映っている。

男子は笑顔だ。

掃除当番を変わったからとか、昼食のパンを献上したとか、そういう交換条件で撮影した写真では絶対に出ない笑顔で彼は加奈子と肩を寄せ合っている、いや、あきらかに接触している。

加奈子ももちろん笑顔だが、彼の爽やかさの引き立て役といわんばかりの下品なにやけ顔だ。

この写真と一緒にそえられたメッセージには『二組には男子が二人いるから……なんだったっけ?』の一文。

「……ぐぬぬぬぬ」

事の起こりは進級直後。

一組になった加奈子に対して、アタシの二組には男子が二人いる、という自慢をしたからだ。

しかもそのうちの一人は席が隣で、朝と帰りなら、たまに挨拶も返してくれる。

アタシは今年の幸運に浮かれまくり、ここぞとばかりに盗み撮りした写真を見せびらかした。

加奈子からは殺気のこもった視線と罵声を向けられたが、負け犬の遠吠えが気持ちいいーと言い返し、マウントをとりまくっていたのだが。

一組にまさかの転入生!

もともと進級に合わせたタイミングで転入する予定だったらしいが、ご家庭の事情か何かで日程がズレこんだらしい。

一組には当初、男子がいなかったし、クラス名簿にも男子生徒の名前はなかった為、一組のクラスメートたちは絶望していた。

そこから男子が転入してくるという神展開。

彼がやってきて一ヶ月も経っていないのに、すでにクラスになじみ皆と良い関係を築いているそうだ。

確かに一組からそんな噂は流れてきていたが信じられないと思っていた。

だが、ついさきほど友人から送られてきた写真がコレだ。

すさまじいまでのイケメ……いや、美少年。

イケメンなんて軽々しい呼び方では不相応。

すさまじい、美・少・年、だった。

構ってあげたい、守ってあげたい、そんな母性本能をえぐってくるような雰囲気をもった彼は、宮城京という名前らしい。

非常に温厚で、噂通り、女子に対しても常に柔和な態度で対応してくれるそうだ。

なんと盗撮がバレても特に何も言わなかったという。

むしろ頼めば一緒に写真も撮ってくれるほどの天使と判明して以降、盗撮などのイリーガルな事をする者は私刑(宮城君に一週間接近禁止)対象となったそうだ。

それはそうだ。

本人が許可してくれるのに、気を悪くさせて女子に対する態度が硬化したら私刑どころか死刑モノだ。

加奈子もダメモトで一緒に写真を、それもツーショットでと頼んだらフツーにポーズまでつけて撮ってくれた。

二人で指をあわせて、ハートマークをつくるアレだ。

こんな事をただのクラスメートにしてくれる男子が、それもこんな美少年が? 信じられない。

対してこっちの二組の男子二人は一般的な男子生徒だ。

用もなく話しかければ不機嫌になるし、不意に近づこうとすると警戒されるか逃げられる。

体育教師の冬原の恰好には、常に嫌悪感丸出しの視線を向けている。

シャツ一枚の上にジャージを羽織っているだけってのはアタシからしてもムサいというか、暑苦しいと思うが体育教師のフォーマットみたいなものだし、むしろ四月なんて微妙に寒い季節によくやるよと思う。

そんな冬原は宮城君の担任でもあるのだが、そういった嫌悪感などもないらしくいたって普通にすごしているそうだ。

認めたくないが……やはり美人は得か。

それに胸もスゴい。完全なまったいら。正直憧れる。

そんな話はどうでもいい。

アタシは元友人の加奈子に電話をかける。

メールやメッセージではダメだ。

直接、話す必要がある。

しばらくして、加奈子が出た。

『もしもーし? どこの負け犬さんですかぁ?』

加奈子の声はこれまでの長い付き合いの中でも、最上級に機嫌のいい声だった。
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