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乗羊がしたいお嬢様
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噴水を囲む花壇の周囲をぐるりと一周する敷石は真っ直ぐ城のほうへと伸びて、石の手摺に遮られ、左右に下へ下りる石段が続いていた。
そしてまた、道は途切れた場所からまっすぐに伸びている。
屋敷のある土地だけ一段高くなっているのだ。
オリーヴェは城に向かう道ではなく右へと続く道を歩いて行く。
すぐに森があり、水の流れる音が聞こえてきて、小さな川が流れていた。
そして、そこには小さな橋がかかり、森への道が続いている。
「あそこに御座います」
手で指し示された方に、小さな建物が現れた。
その建物の横には、首輪に縄を結わえられた羊のマリーがもこもこと草を食んでいる姿が見える。
「マリーちゃん!」
名前を呼ばれた羊は顔を上げて、マリアローゼを見つけるとべぇぇ、と鳴き声を発する。
マリアローゼは嬉しそうに駆け寄った。
「覚えていてくれたのかしら?賢いですわマリーちゃん」
抱きしめながら撫でると、マリーも嬉しげに頬ずりをしてくる。
ふわふわもこもこと、その体毛を撫でていると、マリアローゼはある事に気が付いた。
「あら?マリーちゃん、少し大きくなりまして?」
少し離れて見ようとするも、離れると付いて来るので全体像は見えないままだ。
マリーを押し留めるように、両手で押すが、離れようとはしない。
「もう、マリーちゃんたら……でもこの位大きければ乗れるかしら?……羊に乗れると思いますか?グランス、ウルスス」
突然問いかけられた護衛の二人は、お互いの顔を見合わせてから、軽く横に首を振った。
乗れるか?と聞かれれば乗れるだろうが、馬と同意で乗馬のかわりの乗羊だろうと二人は判断した。
「存じ上げません」
とグランスがいい、ウルススも同じ様な言葉を発する。
「知りません」
ただ、ウルススが少し考えた後、笑顔で問い返した。
「試しますか?」
「!ええ、是非!」
そして急遽マリアローゼは羊のマリーに試乗する事になったのである。
何かあった時のためにと、羊の前数mのところに壁としてウルススが立ち、羊の手綱はノクスが持って、グランスがマリアローゼを抱き上げてマリーの上に置いた。
「さあ、歩いてくださいませ、マリーちゃん」
マリアローゼはマリーの背中をたしたし、と叩くが、マリーはマリアローゼの姿が無いのを確認すると、興味を失ったかのように足元の草を食み始めた。
むしゃむしゃ
むしゃむしゃ
「マリーちゃん、ほら、あちらに、もっと美味しい草が……きっとありますわ!」
嘘はいけないと思ったのか、途中で誤魔化す言葉を発したマリアローゼに、思わずグランスもウルススも笑いが零れた。
だが、マリアローゼの声を聞くと一瞬、食べるのを止めて顔を上げるものの、やはり姿が見えないと知ると、むしゃむしゃと足元の草に顔を戻してしまう。
「お腹がすいているのかしら…?」
マリーの背の上でこてん、と首を傾げたマリアローゼは、「うるせぇな」という聞き慣れた声で振り返った。
そしてまた、道は途切れた場所からまっすぐに伸びている。
屋敷のある土地だけ一段高くなっているのだ。
オリーヴェは城に向かう道ではなく右へと続く道を歩いて行く。
すぐに森があり、水の流れる音が聞こえてきて、小さな川が流れていた。
そして、そこには小さな橋がかかり、森への道が続いている。
「あそこに御座います」
手で指し示された方に、小さな建物が現れた。
その建物の横には、首輪に縄を結わえられた羊のマリーがもこもこと草を食んでいる姿が見える。
「マリーちゃん!」
名前を呼ばれた羊は顔を上げて、マリアローゼを見つけるとべぇぇ、と鳴き声を発する。
マリアローゼは嬉しそうに駆け寄った。
「覚えていてくれたのかしら?賢いですわマリーちゃん」
抱きしめながら撫でると、マリーも嬉しげに頬ずりをしてくる。
ふわふわもこもこと、その体毛を撫でていると、マリアローゼはある事に気が付いた。
「あら?マリーちゃん、少し大きくなりまして?」
少し離れて見ようとするも、離れると付いて来るので全体像は見えないままだ。
マリーを押し留めるように、両手で押すが、離れようとはしない。
「もう、マリーちゃんたら……でもこの位大きければ乗れるかしら?……羊に乗れると思いますか?グランス、ウルスス」
突然問いかけられた護衛の二人は、お互いの顔を見合わせてから、軽く横に首を振った。
乗れるか?と聞かれれば乗れるだろうが、馬と同意で乗馬のかわりの乗羊だろうと二人は判断した。
「存じ上げません」
とグランスがいい、ウルススも同じ様な言葉を発する。
「知りません」
ただ、ウルススが少し考えた後、笑顔で問い返した。
「試しますか?」
「!ええ、是非!」
そして急遽マリアローゼは羊のマリーに試乗する事になったのである。
何かあった時のためにと、羊の前数mのところに壁としてウルススが立ち、羊の手綱はノクスが持って、グランスがマリアローゼを抱き上げてマリーの上に置いた。
「さあ、歩いてくださいませ、マリーちゃん」
マリアローゼはマリーの背中をたしたし、と叩くが、マリーはマリアローゼの姿が無いのを確認すると、興味を失ったかのように足元の草を食み始めた。
むしゃむしゃ
むしゃむしゃ
「マリーちゃん、ほら、あちらに、もっと美味しい草が……きっとありますわ!」
嘘はいけないと思ったのか、途中で誤魔化す言葉を発したマリアローゼに、思わずグランスもウルススも笑いが零れた。
だが、マリアローゼの声を聞くと一瞬、食べるのを止めて顔を上げるものの、やはり姿が見えないと知ると、むしゃむしゃと足元の草に顔を戻してしまう。
「お腹がすいているのかしら…?」
マリーの背の上でこてん、と首を傾げたマリアローゼは、「うるせぇな」という聞き慣れた声で振り返った。
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