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ぼくがあたしになる

ぼくがあたしになる②

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鏡で全身を見て私はさっきまでの僕では無くなったんだと実感した。


「ユウちゃん、そんな格好で立ってないで着替えよ」


亜美さんがそう言うと私に新しい下着とワンピースを渡してきた。


「ユウちゃん下着姿も完璧ね……」


「亜美さんのお陰です。やっと下着が違和感なくフィットしてる感じがします。」


そう言うと亜美さんは嬉しそうにしてた。
すると美園さんが様子を見に来た。

「山名さん、おめでと。これであなたも女としての人生が始まるね」


「美園さん、本当に色々お世話になりまして、ありがとうございました」


「いえ、これからも美しさを追求するのよ」


「はい」


こうして、私は女性に生まれ変わり亜美さんとの暮らしが始まった。


亜美さんは今まで以上に優しくしてくれて、時に恋人、時に姉妹みたいに接してくれる。


そして私と社長が会社を辞める日がきた。


「鳴神さん、あとは任せたよ」

「社長……寂しいけど後は任せて下さい」

「二階堂さんもありがとうね」

「社長、副社長しっかりやりますよ。社長は山名さんと一緒で大丈夫ですか?」

「もちろん大丈夫よ♪」


こうして私と亜美さんは会社を退社した…

そして……

新居へ帰りまだまだ終わってない引っ越しの片付けを二人でしていると。


「ユウちゃん……口座にお金入れといたからお父さんの借金に使ってね……」


「亜美さん……私、大丈夫ですよ。やっぱ自分で何とか出来ますよ」


「ううん、約束だしこれからはユウちゃんには幸せになってもらわないと困るからね」


「亜美さん……」


「それに、あのお金はね、私がユウちゃんの為に貯めたお金なんだよ」

「亜美さん………ありがとう……」


私は泣いた……

ずっとずっと重くのしかかった父の借金から開放されバラバラの家族がまた1つになれる気がして……


「亜美さん、私……亜美さんに何か恩返ししたいです……」


「んーそうだなぁ……あ……………んーーじ、じゃあ一つだけいいかな?」


「はい、何でも言って下さい」


「その……」


「ん?」


「け、け、結婚しよ?」


「えっ?」


「だ、だから結婚……」


「えーーーーーー!」


「何で驚くのよ?」


「だっていきなり過ぎてびっくりしました」


「だ、ダメかな??」


「そんな……もちろん…………はい……こんな私ですが…よろしくお願いします♪」


「うううぅ~ありがとう……グス…」


「亜美さん!?な、なな、なんで泣くの?!」


「ユウちゃんの人生を変えてしまって……もしかしたら断られるかもって……」


「そんなわけないでしょ?!もう…泣かないで」


「うわぁ~~ん!ゔれじぃ……」


私はぐしゃぐしゃに泣いてる亜美さんを強く抱きしめた。

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