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◆第一章

9.※

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「……う……ん、……っぅ……」

 うまく空気が吸えない。
 舌を絡めとられて、吸われて、噛まれているうちに、なんだか涙で視界が滲んで、ぼーとしてくる。


 ――――……うわ。なに、これ……気持ち、いい……。
 もっと、して、ほしいかも……。

「……千翠……?」

 低い声がして、唇が離れてしまった。

「……あ……」

  何で?と、思って見上げると、「もっと?」と、琥珀がニヤッと笑って、再び唇が重なってくる。

 長い長い、キスが、繰り返されて。
 はあ、と熱い息が零れる。
 もう、怖くは、なくなってしまっていた。

「……あ……っ……」

 キスされながら、服の裾から手が滑り込んで、胸を弄り始める。
 そんなとこ、気持ちよくないのに……そう思ってたのも束の間。

 指で弄られている内に、そこからゾワゾワする、未知の感覚が、うっすらと這い上がってくる。

「……んっ……ん、ん……ぁ……っ」

 舌を奪われて、吸われながら、両乳首を弄られていると、腰に、ずん、とした感覚が、たまっていくみたい、で。

「……ッ……ン……や……」

 唇が離れて。
 名残り惜し気に口から舌が少し出たままだった、オレの口の中に、琥珀の指が差し込まれる。

「んぅ……っ……ふ…」

 ……なんで、こんなの、気持ちいいんだ……。
 涙が、目尻をつたって、零れてく。

 不意に、胸に、さっきよりも強い感覚が走って――――……びく、と跳ねたオレの腰は、琥珀の体で押さえられた。

 今の、何、と思って、下を見ると、琥珀が胸に吸い付いたところで。
 なんだか、視覚からもやられて、ますます涙がにじむ。

 舌を、指で挟まれて「んん」と声が漏れて。
 ――――……胸の刺激も、なんかもう、初めてすぎて。

 どんどん体が、熱くなる。


「……や……っ……あ……んっ」

 口から抜かれた手が、服の上からオレの下半身に触れた。

「――――……反応してる。……イイ子だな、千翠」

 舌で散々虐められて、ツンと立った乳首を噛んで、のけぞったオレの唇に、またキスを重ねてくる。

「……んん……っ……ん、ふ、……っ」

 キス。気持ちいい。


「……飲めるか? 唾液……」
「……ん、……んふ……っ」

 ――――……さっき……媚薬とか……言ってたっけ……。

 こく、と飲まされて。
 ――――……素直にそんなことしてる、意味の分からない自分にも、なぜか、熱くなる。

 琥珀の手が、服の上から触っていたオレのモノから少し離れて。
 服の中に入って、躊躇なく、握りこんだ。


「……ひぁ……ッ……」

 唇の間で、悲鳴を上げるけれど、すぐに、深く、舌が入ってきて。
 口の中を……散々自由に、なめられて。

 下はもう完全に、イく寸前。


「……んっ……あ…… も……」

 イく、と思った瞬間。手を止められた。


「……ふ……っ……?」
「――――……千翠」


 頬に触れられて、見下ろされる。

 あともう、少しでイくとこだったのに、何で。
 ぽろぽろ涙が零れてきたところで。その涙を、舐めとられた。


 なんか、その刺激すら、辛い。


 さっきまで。
 知らなかった、こんな、人と。


 こんなことになるとか。
 ……謎すぎるけど。

 もう、素直に。
 気持ちよすぎて。ヤバい。



 

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