【ひみつの巣作り】

悠里

文字の大きさ
上 下
163 / 209

第163話 最大のきゅん  ※

しおりを挟む




 ゆっくり、キス、される。
 緩く触れて、見つめ合う。

 激しく、しないのかな……?
 思いながらも、ちゅ、ちゅ、と触れて、遊んでるみたいなキスの仕方に、ふふ、と笑ってしまう。
 なんか、くすぐったい。

「颯……」
 その首に腕を回して、きゅ、と抱きついて、触れては離れていく唇に、自分から触れてくっついた。

 離れちゃ嫌だ、と思いながら、重ねると、ふ、と笑った気配がして、颯の舌が触れてきた。ん、と声が漏れる。深く重なって、絡む水音が、ぴちゃ、と響く。ぞく、と震えると、颯の手が頭から首筋、胸へ滑った。なぞられるだけで、震える。その指が、乳首に触れると、先端を引っかくようにされてから、きゅ、と摘まれた。

「っんン」
 唇の間で声が出る。
 体が勝手に、刺激に震える。触られるだけで、ゾクゾクする。フェロモンはもう抑えようもなく、ぶわ、と放出されてく。

「は。ヤバ、慧……」

 唇の間で囁かれて瞳を開けると、滲んだ視界の先で、颯が少し辛そうに、眉を寄せたのが、見える。

「……は、や……ん、ぅ」
 呼びかけた唇を塞がれて、キスが余裕のない激しいものに変わる。息が熱い。キスしながら胸をいじってた颯が、ふと唇を離して、オレの胸に視線を落とした。

「乳首、可愛い。……ここ、気持ちよくなってきた?」
「…………っっ」

 ……っ……気持ちよくなってきた、ていうか、なんなら、最初から……。
 とか、まだオレ一応意識ちゃんとしてるから、絶対そんなの言えない。

「舐めていい?」

 うう。恥ずかしい。無理。
 プルプル首を振ると、クス、と笑った颯が、下に降りていって。
 乳首に舌を這わせた。

「……っ」
 片方は爪で刺激しながら、片方は舌や歯で刺激してくる。しかも、ひええってなってるオレと、目を、合わせてくるから。

「~~~~ッ……っ」

 ぎゅ、と目をつむった時にはもう遅くて。
 あっという間に感じさせられたオレは、ぢゅ、と吸われた瞬間イっちゃって。

「ふ……っ……」
 首を振って涙目のオレの涙を、親指でふき取りながら。

「かーわい……」
 なんかいつもよりも余計に甘く甘く囁いてくる。ちゅ、と耳にキスされて、そのまま首筋を舐められると、びくん、と震えてしまう。

「首、弱いよな……」
 ふ、と息をかけられるだけで、ゾクゾクしてきつい。

「んん、ん……っ」

 ぎゅ、とシーツを握って快感を逃そうとするけど、全然意味もない。
 颯が、触れてくるところ全部、気持ちいい。

 ズボンと下着を脱がされて、颯を受け入れたくて、勝手にドロドロに濡れてるところに、颯が触れる。

「……ここ、すげぇ濡れてる」
 ごく、と颯の喉が鳴る。こんな恥ずかしいオレに、興奮してくれてるのかと思うと嬉しいんだけど、でも、やっぱり、すっごく恥ずかしい。

 颯の指が触れて、中を擦る。すぐに指が増えるのも分かる。めちゃくちゃ深くキスされて、白い世界の中で、気持ちいいって感覚だけがふわふわしてて。

「ふ……?」

 キスが離されて、名残惜しくて、颯の体に縋ろうとするけど、颯が下の方に行ってしまう。

「颯……?」

 上擦る声で颯の名を呼びながら、少し体を起こしたら。颯が、オレのそれを、口に含んだ。

「……っ……ん、ん、ぅ……」

 颯の口に、入るとか。
 ……それを見ちゃうとか。もう、オレ、それだけで、ヤバくて。

「……ん……っ……」

 舌を絡められて、吸われて、同時に後ろも弄られて、もう気が遠くなる。
 前も後ろも気持ち良すぎて、起こした体は枕に沈んだ。叫んじゃいそうで、口を手でふさぐ。
 快感が強すぎて目の前が滲む。耳がキーンとなって、ぎゅう、と目をつむると、涙が零れ落ちた。

「……は、……んん……っ」

 中の気持ちいいとこを擦られて、びくん、と震えて。
 感覚が、強すぎて、一瞬で、頭が真っ白になった。


「は……っ……やぁ……ン、あ」

 颯の口でイっちゃった。分かった瞬間、なんか良く分からない後悔と、羞恥で死にそうになる。逃れたくて、腰を捩って、ずり上がろうとすると、腰を掴まれた。

「……っや……」

 達したばかりのオレのをしつこく舐める颯に、もう、言葉も出せずに首を振っていると、颯はやっと離してくれた。ぺろ、と自分の唇を舐めてから、ぐい、と唇をぬぐう、その仕草がやたらやらしく見えて、ドキドキする。中を散々慣らしていた指は、感じるところを最後に擦ってから抜かれて――――なんか、体が勝手にビクビク震えてしまう。

「……っんン……」

 最後、触れられたところ。
 もっと、中、欲しい。

「……慧」
「ん、んん……?」

「腰、ひねるの……エロ過ぎ……」
 抱き寄せられて囁かれて、かあっと顔に熱が集まる。

「慧の、ここらへん、すげー好き」

 そう言いながら、颯が背中から腰に、すり、と触れる。

「……す、き?」
「ん。好き。……綺麗」

 必死で見上げて、絡んだ視線は、めちゃくちゃ甘くて。
 ……体の奥が、きゅん、と疼く。


「……颯、もう、早く、シて」
「――――」

「……早く……」

 涙が、勝手に滲む。
 颯が好きで。好きすぎて、なんか胸、苦しい


「……慧……煽るなって言ってんのに」

 は、と息をついて苦笑交じりに颯が言う。濡れてるような、熱い声。こういう時の颯の声は、腰の奥に響いてきて、辛い。
 颯のを押し付けられて、ぎゅ、と瞳を閉じると、ちゅ、と頬にキスされる。そのまま、ゆっくり、中に。

「……ん、ん……」

 少し引かれて、それからいきなり奥まで、突き上げられた。

「……あっ……――――……っ……!!

 それだけで、オレのから精が零れる。
 ゾクゾクした強烈な感覚で、何も考えられない。

 ただ、気持ちイイ、だけ。

「……は、やて……んぁ……っ……」

 突き入れられる度に、イってるみたいで、声が、抑えられない。

「……っ……ん……ぁっ……」

 奥を突き上げた状態で、颯が、動きを止めた。
 慧、と呼ばれて、目を開ける。

「――――慧……」

 目を合わせると、荒い息の中で、ふ、と微笑む。
 颯の手が、オレの前髪をかき上げて、「きつい?」と聞いてくる。

 オレを組み敷いてる颯は、男っぽくて。本当に、カッコいい。
 する、と颯の首にしがみつくと、その唇に、キスをした。


「……めっちゃくちゃ、好き……はやて……」 


 ああ、なんか。
 


「はやてが……うんめい、で、よかった……」

 ぎゅ、と抱きついて、そう言うと。
 ぴた、と止まった颯が、少しして、は、と笑った。


「そんなの……」
「……ぅん、んっ……」

 頭を掻き抱くみたいに引き寄せられて、深く深く、キスされる。



「――――……オレはずっと、思ってる」

 唇の間で囁かれて、意味をちゃんと分かって最大のキュンに襲われた時には、また颯が動き出してて。もう、心も体も、颯に全部、絡めとられたみたいな。


「……っん……ぁ、ん……っ」

 突き上げられて、開いた唇をまた塞がれて、熱い舌が激しく絡んでくる。


「……っ……は や、て……」


 もうなんか。
 全然一回、じゃなかったような……? 颯は一回だった……??
 もう途中から、ただ、気持ちイイのに翻弄されまくりで。


 なんかもう。
 ヤバかった。






(2024/5/18)











あとがき。


前ページ、答えてくださった皆さん、ありがとうございました♡ マシュマロもありがとうございました。
朝🐦ご希望の方もいらしたんですが、詳細ご希望の方が大分多かったので、詳細になりました。
そして「詳細にしても1ページにする」とか私ってば書いてたんですが、1ページで「さらっと」じゃなくて「詳細」って……どうすんの(・・??……と書き始めてから思いました…笑
超長い一ページになりました(๑ ̄ω ̄๑)笑

次から学祭です♡


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

そばにいてほしい。

15
BL
僕の恋人には、幼馴染がいる。 そんな幼馴染が彼はよっぽど大切らしい。 ──だけど、今日だけは僕のそばにいて欲しかった。 幼馴染を優先する攻め×口に出せない受け 安心してください、ハピエンです。

貧乏Ωの憧れの人

ゆあ
BL
妊娠・出産に特化したΩの男性である大学1年の幸太には耐えられないほどの発情期が周期的に訪れる。そんな彼を救ってくれたのは生物的にも社会的にも恵まれたαである拓也だった。定期的に体の関係をもつようになった2人だが、なんと幸太は妊娠してしまう。中絶するには番の同意書と10万円が必要だが、貧乏学生であり、拓也の番になる気がない彼にはどちらの選択もハードルが高すぎて……。すれ違い拗らせオメガバースBL。 エブリスタにて紹介して頂いた時に書いて貰ったもの

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました

氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。 ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。 小説家になろう様にも掲載中です

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?

冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。 オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・ 「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」 「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

瞳の代償 〜片目を失ったらイケメンたちと同居生活が始まりました〜

Kei
BL
昨年の春から上京して都内の大学に通い一人暮らしを始めた大学2年生の黒崎水樹(男です)。無事試験が終わり夏休みに突入したばかりの頃、水樹は同じ大学に通う親友の斎藤大貴にバンドの地下ライブに誘われる。熱狂的なライブは無事に終了したかに思えたが、…… 「え!?そんな物までファンサで投げるの!?」 この物語は何処にでもいる(いや、アイドル並みの可愛さの)男子大学生が流れに流されいつのまにかイケメンの男性たちと同居生活を送る話です。 流血表現がありますが苦手な人はご遠慮ください。また、男性同士の恋愛シーンも含まれます。こちらも苦手な方は今すぐにホームボタンを押して逃げてください。 もし、もしかしたらR18が入る、可能性がないこともないかもしれません。 誤字脱字の指摘ありがとうございます

その部屋に残るのは、甘い香りだけ。

ロウバイ
BL
愛を思い出した攻めと愛を諦めた受けです。 同じ大学に通う、ひょんなことから言葉を交わすようになったハジメとシュウ。 仲はどんどん深まり、シュウからの告白を皮切りに同棲するほどにまで関係は進展するが、男女の恋愛とは違い明確な「ゴール」のない二人の関係は、失速していく。 一人家で二人の関係を見つめ悩み続けるシュウとは対照的に、ハジメは毎晩夜の街に出かけ二人の関係から目を背けてしまう…。

この愛のすべて

高嗣水清太
BL
 「妊娠しています」  そう言われた瞬間、冗談だろう?と思った。  俺はどこからどう見ても男だ。そりゃ恋人も男で、俺が受け身で、ヤることやってたけど。いきなり両性具有でした、なんて言われても困る。どうすればいいんだ――。 ※この話は2014年にpixivで連載、2015年に再録発行した二次小説をオリジナルとして少し改稿してリメイクしたものになります。  両性具有や生理、妊娠、中絶等、描写はないもののそういった表現がある地雷が多い話になってます。少し生々しいと感じるかもしれません。加えて私は医学を学んだわけではありませんので、独学で調べはしましたが、両性具有者についての正しい知識は無いに等しいと思います。完全フィクションと捉えて下さいますよう、お願いします。

さよならの合図は、

15
BL
君の声。

処理中です...