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四章 結実
---奏視点⑨---
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「なぁ、次の土曜日、うちこないか?」
「まさか……」
「新作のゲーム買っちゃったんだよなー。一緒にやろうぜ」
「透、俺たち受験生って分かってるか?」
「分かってるって。でも、たまには息抜きも必要だろ?」
「お前の場合、息抜きの方が多いんじゃ……」
「まぁ、まぁ、いいじゃん。くるだろ?」
んー……土曜日は茉莉絵と会おうと思ってたけど、たまには透とゲームで息抜きするのもいいかもな。
「分かったよ。その代わり、ゲーム終わった後は、勉強な。問題集も持っていくから」
「うわっ、マジかよ」
「勉強みてやるから」
「いや、まぁ、助かるけど……分かった! 俺も腹を括ろう。ゲームの後は勉強な」
まったく。どちらかといえば、勉強の方をメインで考えて欲しいもんだな。
流石に透にも第一志望に受かって欲しいと思っている。
学力的に同じ高校に行くのは難しいが、それでも中間くらいの高校は頑張れば受かると思っている。
夜、茉莉絵とビデオ通話の時に、今週末は会えないと伝えたところ、反応が微妙だった。
俺に会えなくて寂しいって思ったかな。でも、毎週会ってるし、水曜日もこうやってビデオ通話してる。
友達と遊ぶことに難色を示すような子じゃないはずだけど……なんかマズったか。
土曜日になり、十時ごろ家を出ようとしたところで母さんが話しかけてきた。
「あれ、今日はその格好で行くの? もうちょっとお洒落したら?」
「は? なんでお洒落するんだよ」
「え? だって、今日はデートでしょ?」
あぁ、今日は土曜日だから、茉莉絵と会うと思ってたのか。
「今日は、透の家に行く約束してるから、茉莉絵とは会わないけど」
「えっ⁉︎」
「何……?」
なんでそんなに驚くんだよ。別に透と遊ぶのなんて普通だろ。
「あんた……今日クリスマスなのに……」
「……っ⁉︎」
うわっ、まじか……。行事とか全く気にしてなかったから、今日がクリスマスだって忘れてた。
だからあの時、茉莉絵の反応が微妙だったのか。
クリスマスだから会いたかったってことなのか。
「今年のクリスマスは土曜日だから、てっきり茉莉絵ちゃんと会うんだと思ってたのに」
「いや、クリスマスなんて忘れてた……」
「もう、プレゼントも用意してないんでしょ。まぁ、中学生だからちょっとしたものでいいとは思うけど、何もあげないのはどうかと思うなー」
「だよな……」
付き合ってないとはいえ、両思いの状態なのに、クリスマスプレゼントがないのは流石にな……
透には、午後からに予定を変更してもらい、すぐに駅前のショッピングモールへと向かう。
何か良いものはないかと、女性向けのフロアでアクセサリーや髪飾りなどをみていく。
どれがいいのか……そう思いながら、歩いていると、白と水色の石を使ったブレスレットが目に留まる。
これ……茉莉絵に似合いそう。水色も好きそうだったしな。
プレゼント用にラッピングしてもらい、すぐに茉莉絵にメッセージを送った。
丁度、クッキーの散歩をしていたところだったようで、公園に向かうともこもこと着込んだ茉莉絵がいた。
いつもは防寒しながらもスタイルがいいなと分かるような格好だったため、このもこもこと着込んだ姿が新鮮で可愛いなと思った。
急遽買ったものだったから、気に入ってもらえるか心配だったが、その場で腕につけて嬉しそうにする茉莉絵の顔を見たら、来年はもっといいものをプレゼントしようと思った。
来年はバイトもする予定だから、ペアリングとか買ったりするのも……ってキモいか?
下手に自分で考えるより、何が欲しいか聞いて、一緒に買いに行くのもいいかもな。
大体二時間散歩してるはずだから、後一時間は一緒に公園で過ごして送っていくかなと思っていると、茉莉絵も家にプレゼント置いてあると言った。
あぁ、だからあの時反応が微妙だったのか。
俺のためにクリスマスプレゼントを前もって準備してくれてたのに、当日会えないなんて……茉莉絵の気持ちを考えると申し訳ない気持ちが湧き上がる。
まじでごめん……
家に着くと、急いで部屋に駆け上がっていく茉莉絵を見ながら、そんなに急がなくても逃げないのにと笑いが込み上げる。
茉莉絵がくれたものだと思うと包装紙まで綺麗に解こうと思ってしまうのだから、不思議だ。
これ、綺麗に畳んで持って帰って引き出しにしまっとこうかな。
プレゼントはネックウォーマーで、俺の好きな色を意識して選んだのが分かるものだった。
中々センスが良いプレゼントで、日常使いができていいなと思った。
俺もこういうのにすれば、学校に行く時も使ってもらえたのにな。
流石にブレスレットは休みの日とか出かける時くらいしかつけられないもんな。
次からはもう少し考えてプレゼントを選ぼう。
「まさか……」
「新作のゲーム買っちゃったんだよなー。一緒にやろうぜ」
「透、俺たち受験生って分かってるか?」
「分かってるって。でも、たまには息抜きも必要だろ?」
「お前の場合、息抜きの方が多いんじゃ……」
「まぁ、まぁ、いいじゃん。くるだろ?」
んー……土曜日は茉莉絵と会おうと思ってたけど、たまには透とゲームで息抜きするのもいいかもな。
「分かったよ。その代わり、ゲーム終わった後は、勉強な。問題集も持っていくから」
「うわっ、マジかよ」
「勉強みてやるから」
「いや、まぁ、助かるけど……分かった! 俺も腹を括ろう。ゲームの後は勉強な」
まったく。どちらかといえば、勉強の方をメインで考えて欲しいもんだな。
流石に透にも第一志望に受かって欲しいと思っている。
学力的に同じ高校に行くのは難しいが、それでも中間くらいの高校は頑張れば受かると思っている。
夜、茉莉絵とビデオ通話の時に、今週末は会えないと伝えたところ、反応が微妙だった。
俺に会えなくて寂しいって思ったかな。でも、毎週会ってるし、水曜日もこうやってビデオ通話してる。
友達と遊ぶことに難色を示すような子じゃないはずだけど……なんかマズったか。
土曜日になり、十時ごろ家を出ようとしたところで母さんが話しかけてきた。
「あれ、今日はその格好で行くの? もうちょっとお洒落したら?」
「は? なんでお洒落するんだよ」
「え? だって、今日はデートでしょ?」
あぁ、今日は土曜日だから、茉莉絵と会うと思ってたのか。
「今日は、透の家に行く約束してるから、茉莉絵とは会わないけど」
「えっ⁉︎」
「何……?」
なんでそんなに驚くんだよ。別に透と遊ぶのなんて普通だろ。
「あんた……今日クリスマスなのに……」
「……っ⁉︎」
うわっ、まじか……。行事とか全く気にしてなかったから、今日がクリスマスだって忘れてた。
だからあの時、茉莉絵の反応が微妙だったのか。
クリスマスだから会いたかったってことなのか。
「今年のクリスマスは土曜日だから、てっきり茉莉絵ちゃんと会うんだと思ってたのに」
「いや、クリスマスなんて忘れてた……」
「もう、プレゼントも用意してないんでしょ。まぁ、中学生だからちょっとしたものでいいとは思うけど、何もあげないのはどうかと思うなー」
「だよな……」
付き合ってないとはいえ、両思いの状態なのに、クリスマスプレゼントがないのは流石にな……
透には、午後からに予定を変更してもらい、すぐに駅前のショッピングモールへと向かう。
何か良いものはないかと、女性向けのフロアでアクセサリーや髪飾りなどをみていく。
どれがいいのか……そう思いながら、歩いていると、白と水色の石を使ったブレスレットが目に留まる。
これ……茉莉絵に似合いそう。水色も好きそうだったしな。
プレゼント用にラッピングしてもらい、すぐに茉莉絵にメッセージを送った。
丁度、クッキーの散歩をしていたところだったようで、公園に向かうともこもこと着込んだ茉莉絵がいた。
いつもは防寒しながらもスタイルがいいなと分かるような格好だったため、このもこもこと着込んだ姿が新鮮で可愛いなと思った。
急遽買ったものだったから、気に入ってもらえるか心配だったが、その場で腕につけて嬉しそうにする茉莉絵の顔を見たら、来年はもっといいものをプレゼントしようと思った。
来年はバイトもする予定だから、ペアリングとか買ったりするのも……ってキモいか?
下手に自分で考えるより、何が欲しいか聞いて、一緒に買いに行くのもいいかもな。
大体二時間散歩してるはずだから、後一時間は一緒に公園で過ごして送っていくかなと思っていると、茉莉絵も家にプレゼント置いてあると言った。
あぁ、だからあの時反応が微妙だったのか。
俺のためにクリスマスプレゼントを前もって準備してくれてたのに、当日会えないなんて……茉莉絵の気持ちを考えると申し訳ない気持ちが湧き上がる。
まじでごめん……
家に着くと、急いで部屋に駆け上がっていく茉莉絵を見ながら、そんなに急がなくても逃げないのにと笑いが込み上げる。
茉莉絵がくれたものだと思うと包装紙まで綺麗に解こうと思ってしまうのだから、不思議だ。
これ、綺麗に畳んで持って帰って引き出しにしまっとこうかな。
プレゼントはネックウォーマーで、俺の好きな色を意識して選んだのが分かるものだった。
中々センスが良いプレゼントで、日常使いができていいなと思った。
俺もこういうのにすれば、学校に行く時も使ってもらえたのにな。
流石にブレスレットは休みの日とか出かける時くらいしかつけられないもんな。
次からはもう少し考えてプレゼントを選ぼう。
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