6 / 11
6、弟が婚約者様に懐いています
しおりを挟む
「………んーーっ」
朝起きると、ベッドで体を起こすと同時に軽く延びをする。
思わず首を回したりしていたところを見ると、少しこっていたのかもしれない。
ーー果たして、パーティーで絡まれたせいか、それとも帰宅後の屋敷前でのやりとりのせいか。
「……どっちでもいいか」
そう口にしながらあくびをしていると、侍女がノックの後に入ってきて朝の支度の手伝いをしてくれる。
ーー食堂に行くと、入り口でまだ眠そうにしていた弟のリアムと一緒になる。
私に気が付くと、嬉しそうに駆けつけてきて抱きついてくる。
「おはようございます。姉様!」
と満面の笑顔で挨拶されると、その可愛さに思わず心臓が撃ち抜かれてしまった。
(……か、かわいい!)
「………おはよう。リアム」
私も挨拶を返して、愛しいリアムを抱き締める。
私に抱き締められると、リアムもさらに嬉しそうにしてくれるので、しばらくぎゅーーーっと思わず抱き締めてしまっていた。
しばらくすると、侍女の遠慮がちな咳払いが聞こえて、その様子から両親がすでに食堂の中に揃っているということがわかり、残念だけど私はリアムを離すと、
「じゃあ、中に入ろっか?」
と声をかけると、
「はい!」
と元気に返事をしてくれるリアムにまたキュンとしつつ、手を繋いで二人で食堂の中に入る。
やはり両親はすでに食堂に中にいて席に着いていた。
それに婚約者様も席に着いていて、私を見ると嬉しそうに微笑んでくれる。
すると、私と手を繋いで食堂に入ってきたリアムが朝食のテーブルに大好きな姉の婚約者のライルがいて嬉しそうに笑うと、
「ライル兄様!!」
と私の手を離して駆け寄っていく。
「やあ、リアム、おはよう」
婚約者様も私の弟であるリアムを実の弟のように大切にしてくれているので嬉しそうに抱き抱えて、椅子に座る自分の膝の上に乗せていた。
ーー微笑ましい光景だな。
ーーーと、普通なら単純にそう思うだろう。
だけど、私は少し不満であった。
そう、私の可愛い可愛い弟のリアムが自分抜きでも婚約者様と仲良くしていることに……。
別におかしくはないのだ。
いずれは結婚するのだから、その弟と仲良くしても、何も問題ないのだ。
ーー問題ない………けど、気にくわない。
『私だけの可愛い弟だったのに』
そう思わずにいられなかった。
チラリと見ると、リアムは嬉しそうに婚約者様と何かを話している。
ーーそれこそ最初のうちは婚約者様に会うと、照れてモジモジしながら、家族の誰かの後ろに隠れていたリアム。
そんなリアムに気が付いた婚約者様はリアムの前で膝を付いて、リアムと目を合わせるように優しく挨拶した。
たったそれだけのことが嬉しかったのか、気が付くと、いつもどこからか影からリアムがこっそりと見つめてきていた。
最初のうちはいつものように私をみていたのかと思っていたけど、すぐに違うと気が付いてしまった。
ーーそう、同じようにリアムのことに気が付いていた婚約者様が、思わずといった感じで小さく吹き出していて小さく笑っていたから。
「……あんなに……に似ている彼にこっそり見つめられるなんて……思わず……置き換えて想像してしまうよ……」
という小さな囁きが聞こえてしまったから。
婚約者様から見ると、リアムと私は似ているらしく、リアムの顔に私の子供の頃の顔を張り付けて、何かを想像していたらしい。
ーーだから、婚約者様のリアムを見つめる目は優しかった。
見つける度に優しい目で微笑まれていたから、リアムは見つけられる度に嬉しそうにして、今度は自分から少しずつ近付いてきていた。
声を掛けられる距離になれば婚約者様もリアムに声をかけ始める。
ーー最初は、軽い挨拶から。
そこはそれ、我が婚約者様の魅力。
老若男女、誰をも魅了する男なので、勿論、リアムも例外なく、数回の軽い接触だけで、いつの間にかそばで会話するようにまでなっていた。
そして、気が付けば、いつの間にかリアムは婚約者様のことを「兄さま」と呼ぶようになっていて、かなり懐いていた。
ーー最初、それを見た時の衝撃と来たら……。
年が離れていても《男同士》だから、やっぱり……?
とか、考えてしまったりして、少しばかり不服であった。
勿論、私の弟であるリアムがいずれは結婚するであろう婚約者様に懐くことはいいことで、婚約者様の方からもリアムと仲良くしてくれていることには……まあ、少しは感謝を。
(………まあ、あくまで少しだけ、ですが)
ーー正直なところ、
『……私の可愛い弟が……』
の方が強いですが、致し方がない。
(……仲良くしてくれるのは、いいことなのだから……)
結局、そう思うことにして終わりにしていた。
ーーまあ、婚約者様もそれをわかっていて、時々、過度にリアムのことを甘やかしたりしていることにも、さすがに気が付いていたが、それを気にすれば、堂々巡りにしかならないので、なるべく考えないようにしていたのだった。
朝起きると、ベッドで体を起こすと同時に軽く延びをする。
思わず首を回したりしていたところを見ると、少しこっていたのかもしれない。
ーー果たして、パーティーで絡まれたせいか、それとも帰宅後の屋敷前でのやりとりのせいか。
「……どっちでもいいか」
そう口にしながらあくびをしていると、侍女がノックの後に入ってきて朝の支度の手伝いをしてくれる。
ーー食堂に行くと、入り口でまだ眠そうにしていた弟のリアムと一緒になる。
私に気が付くと、嬉しそうに駆けつけてきて抱きついてくる。
「おはようございます。姉様!」
と満面の笑顔で挨拶されると、その可愛さに思わず心臓が撃ち抜かれてしまった。
(……か、かわいい!)
「………おはよう。リアム」
私も挨拶を返して、愛しいリアムを抱き締める。
私に抱き締められると、リアムもさらに嬉しそうにしてくれるので、しばらくぎゅーーーっと思わず抱き締めてしまっていた。
しばらくすると、侍女の遠慮がちな咳払いが聞こえて、その様子から両親がすでに食堂の中に揃っているということがわかり、残念だけど私はリアムを離すと、
「じゃあ、中に入ろっか?」
と声をかけると、
「はい!」
と元気に返事をしてくれるリアムにまたキュンとしつつ、手を繋いで二人で食堂の中に入る。
やはり両親はすでに食堂に中にいて席に着いていた。
それに婚約者様も席に着いていて、私を見ると嬉しそうに微笑んでくれる。
すると、私と手を繋いで食堂に入ってきたリアムが朝食のテーブルに大好きな姉の婚約者のライルがいて嬉しそうに笑うと、
「ライル兄様!!」
と私の手を離して駆け寄っていく。
「やあ、リアム、おはよう」
婚約者様も私の弟であるリアムを実の弟のように大切にしてくれているので嬉しそうに抱き抱えて、椅子に座る自分の膝の上に乗せていた。
ーー微笑ましい光景だな。
ーーーと、普通なら単純にそう思うだろう。
だけど、私は少し不満であった。
そう、私の可愛い可愛い弟のリアムが自分抜きでも婚約者様と仲良くしていることに……。
別におかしくはないのだ。
いずれは結婚するのだから、その弟と仲良くしても、何も問題ないのだ。
ーー問題ない………けど、気にくわない。
『私だけの可愛い弟だったのに』
そう思わずにいられなかった。
チラリと見ると、リアムは嬉しそうに婚約者様と何かを話している。
ーーそれこそ最初のうちは婚約者様に会うと、照れてモジモジしながら、家族の誰かの後ろに隠れていたリアム。
そんなリアムに気が付いた婚約者様はリアムの前で膝を付いて、リアムと目を合わせるように優しく挨拶した。
たったそれだけのことが嬉しかったのか、気が付くと、いつもどこからか影からリアムがこっそりと見つめてきていた。
最初のうちはいつものように私をみていたのかと思っていたけど、すぐに違うと気が付いてしまった。
ーーそう、同じようにリアムのことに気が付いていた婚約者様が、思わずといった感じで小さく吹き出していて小さく笑っていたから。
「……あんなに……に似ている彼にこっそり見つめられるなんて……思わず……置き換えて想像してしまうよ……」
という小さな囁きが聞こえてしまったから。
婚約者様から見ると、リアムと私は似ているらしく、リアムの顔に私の子供の頃の顔を張り付けて、何かを想像していたらしい。
ーーだから、婚約者様のリアムを見つめる目は優しかった。
見つける度に優しい目で微笑まれていたから、リアムは見つけられる度に嬉しそうにして、今度は自分から少しずつ近付いてきていた。
声を掛けられる距離になれば婚約者様もリアムに声をかけ始める。
ーー最初は、軽い挨拶から。
そこはそれ、我が婚約者様の魅力。
老若男女、誰をも魅了する男なので、勿論、リアムも例外なく、数回の軽い接触だけで、いつの間にかそばで会話するようにまでなっていた。
そして、気が付けば、いつの間にかリアムは婚約者様のことを「兄さま」と呼ぶようになっていて、かなり懐いていた。
ーー最初、それを見た時の衝撃と来たら……。
年が離れていても《男同士》だから、やっぱり……?
とか、考えてしまったりして、少しばかり不服であった。
勿論、私の弟であるリアムがいずれは結婚するであろう婚約者様に懐くことはいいことで、婚約者様の方からもリアムと仲良くしてくれていることには……まあ、少しは感謝を。
(………まあ、あくまで少しだけ、ですが)
ーー正直なところ、
『……私の可愛い弟が……』
の方が強いですが、致し方がない。
(……仲良くしてくれるのは、いいことなのだから……)
結局、そう思うことにして終わりにしていた。
ーーまあ、婚約者様もそれをわかっていて、時々、過度にリアムのことを甘やかしたりしていることにも、さすがに気が付いていたが、それを気にすれば、堂々巡りにしかならないので、なるべく考えないようにしていたのだった。
6
あなたにおすすめの小説
私たちの離婚幸福論
桔梗
恋愛
ヴェルディア帝国の皇后として、順風満帆な人生を歩んでいたルシェル。
しかし、彼女の平穏な日々は、ノアの突然の記憶喪失によって崩れ去る。
彼はルシェルとの記憶だけを失い、代わりに”愛する女性”としてイザベルを迎え入れたのだった。
信じていた愛が消え、冷たく突き放されるルシェル。
だがそこに、隣国アンダルシア王国の皇太子ゼノンが現れ、驚くべき提案を持ちかける。
それは救済か、あるいは——
真実を覆う闇の中、ルシェルの新たな運命が幕を開ける。
死に戻ったら、私だけ幼児化していた件について
えくれあ
恋愛
セラフィーナは6歳の時に王太子となるアルバートとの婚約が決まって以降、ずっと王家のために身を粉にして努力を続けてきたつもりだった。
しかしながら、いつしか悪女と呼ばれるようになり、18歳の時にアルバートから婚約解消を告げられてしまう。
その後、死を迎えたはずのセラフィーナは、目を覚ますと2年前に戻っていた。だが、周囲の人間はセラフィーナが死ぬ2年前の姿と相違ないのに、セラフィーナだけは同じ年齢だったはずのアルバートより10歳も幼い6歳の姿だった。
死を迎える前と同じこともあれば、年齢が異なるが故に違うこともある。
戸惑いを覚えながらも、死んでしまったためにできなかったことを今度こそ、とセラフィーナは心に誓うのだった。
初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結保証】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。
だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。
しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。
王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。
そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。
地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。
⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。
お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。
下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。
またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。
あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。
ご都合主義の多分ハッピーエンド?
小説家になろう様でも投稿しています。
離婚した彼女は死ぬことにした
はるかわ 美穂
恋愛
事故で命を落とす瞬間、政略結婚で結ばれた夫のアルバートを愛していたことに気づいたエレノア。
もう一度彼との結婚生活をやり直したいと願うと、四年前に巻き戻っていた。
今度こそ彼に相応しい妻になりたいと、これまでの臆病な自分を脱ぎ捨て奮闘するエレノア。しかし、
「前にも言ったけど、君は妻としての役目を果たさなくていいんだよ」
返ってくるのは拒絶を含んだ鉄壁の笑みと、表面的で義務的な優しさ。
それでも夫に想いを捧げ続けていたある日のこと、アルバートの大事にしている弟妹が原因不明の体調不良に襲われた。
神官から、二人の体調不良はエレノアの体内に宿る瘴気が原因だと告げられる。
大切な人を守るために離婚して彼らから離れることをエレノアは決意するが──。
戦場から帰らぬ英雄に代わり、姫様に恋文を送ることになりました
Mag_Mel
恋愛
前作『戦場から帰らぬ夫は、隣国の姫君に恋文を送っていました』の姫様サイドのお話です。
前作を先にお読みいただくと、背景がより分かりやすくなります。
また、死を含む悲恋要素があります。
※前作の余韻を大事にされたい方にとっては損ねる内容になるかもしれません。ご留意ください。
---
戦時下の王城で、下っ端書記官の僕は“特命”を受けた。
それは前線にいるはずの英雄になり代わり、姫様へ手紙を書くこと。
最初は国のため、姫様を慰めるための偽りの文だった。
けれどやり取りを重ねるうちに、僕の胸には抑えきれない想いが芽生えてゆく。
偽りの交流の裏で、国の空気は揺らぎ、隠された真実が静かに姿を現しはじめていた。
どうかこの想いが、姫様を救いますように。
【完結】「お前とは結婚できない」と言われたので出奔したら、なぜか追いかけられています
22時完結
恋愛
「すまない、リディア。お前とは結婚できない」
そう告げたのは、長年婚約者だった王太子エドワード殿下。
理由は、「本当に愛する女性ができたから」――つまり、私以外に好きな人ができたということ。
(まあ、そんな気はしてました)
社交界では目立たない私は、王太子にとってただの「義務」でしかなかったのだろう。
未練もないし、王宮に居続ける理由もない。
だから、婚約破棄されたその日に領地に引きこもるため出奔した。
これからは自由に静かに暮らそう!
そう思っていたのに――
「……なぜ、殿下がここに?」
「お前がいなくなって、ようやく気づいた。リディア、お前が必要だ」
婚約破棄を言い渡した本人が、なぜか私を追いかけてきた!?
さらに、冷酷な王国宰相や腹黒な公爵まで現れて、次々に私を手に入れようとしてくる。
「お前は王妃になるべき女性だ。逃がすわけがない」
「いいや、俺の妻になるべきだろう?」
「……私、ただ田舎で静かに暮らしたいだけなんですけど!!」
前世を思い出しました。恥ずかしすぎて、死んでしまいそうです。
棚から現ナマ
恋愛
前世を思い出したフィオナは、今までの自分の所業に、恥ずかしすぎて身もだえてしまう。自分は痛い女だったのだ。いままでの黒歴史から目を背けたい。黒歴史を思い出したくない。黒歴史関係の人々と接触したくない。
これからは、まっとうに地味に生きていきたいの。
それなのに、王子様や公爵令嬢、王子の側近と今まで迷惑をかけてきた人たちが向こうからやって来る。何でぇ?ほっといて下さい。お願いします。恥ずかしすぎて、死んでしまいそうです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる