超絶美形騎士は塩対応の婚約者を一途に病的に純粋に愛す

月冴桃桜

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6、弟が婚約者様に懐いています

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「………んーーっ」

朝起きると、ベッドで体を起こすと同時に軽く延びをする。

思わず首を回したりしていたところを見ると、少しこっていたのかもしれない。

ーー果たして、パーティーで絡まれたせいか、それとも帰宅後の屋敷前でのやりとりのせいか。

「……どっちでもいいか」

そう口にしながらあくびをしていると、侍女がノックの後に入ってきて朝の支度の手伝いをしてくれる。


ーー食堂に行くと、入り口でまだ眠そうにしていた弟のリアムと一緒になる。

私に気が付くと、嬉しそうに駆けつけてきて抱きついてくる。

「おはようございます。姉様!」

と満面の笑顔で挨拶されると、その可愛さに思わず心臓が撃ち抜かれてしまった。

(……か、かわいい!)

「………おはよう。リアム」

私も挨拶を返して、愛しいリアムを抱き締める。

私に抱き締められると、リアムもさらに嬉しそうにしてくれるので、しばらくぎゅーーーっと思わず抱き締めてしまっていた。
 

しばらくすると、侍女の遠慮がちな咳払いが聞こえて、その様子から両親がすでに食堂の中に揃っているということがわかり、残念だけど私はリアムを離すと、

「じゃあ、中に入ろっか?」
と声をかけると、

「はい!」
と元気に返事をしてくれるリアムにまたキュンとしつつ、手を繋いで二人で食堂の中に入る。

やはり両親はすでに食堂に中にいて席に着いていた。
それに婚約者様も席に着いていて、私を見ると嬉しそうに微笑んでくれる。

すると、私と手を繋いで食堂に入ってきたリアムが朝食のテーブルに大好きな姉の婚約者のライルがいて嬉しそうに笑うと、

「ライル兄様!!」
と私の手を離して駆け寄っていく。

「やあ、リアム、おはよう」
婚約者様も私の弟であるリアムを実の弟のように大切にしてくれているので嬉しそうに抱き抱えて、椅子に座る自分の膝の上に乗せていた。

ーー微笑ましい光景だな。
 

ーーーと、普通なら単純にそう思うだろう。
だけど、私は少しであった。

そう、私ののリアムが婚約者様と仲良くしていることに……。

別におかしくはないのだ。
いずれはのだから、その弟と仲良くしても、何も問題ないのだ。

ーー問題ない………けど、気にくわない。



そう思わずにいられなかった。

チラリと見ると、リアムは嬉しそうに婚約者様と何かを話している。

ーーそれこそ最初のうちは婚約者様に会うと、照れてモジモジしながら、家族の誰かの後ろに隠れていたリアム。

そんなリアムに気が付いた婚約者様はリアムの前で膝を付いて、リアムと目を合わせるように優しく挨拶した。

たったそれだけのことが嬉しかったのか、気が付くと、いつもどこからか影からリアムがこっそりと見つめてきていた。

最初のうちはいつものようにみていたのかと思っていたけど、すぐにと気が付いてしまった。

ーーそう、同じようにリアムのことに気が付いていた婚約者様が、思わずといった感じで小さく吹き出していて小さく笑っていたから。

「……あんなに……に似ている彼にこっそり見つめられるなんて……思わず…………」
という小さな囁きが聞こえてしまったから。
 
婚約者様から見ると、リアムと私は似ているらしく、リアムの顔にを張り付けて、を想像していたらしい。

ーーだから、婚約者様のリアムを見つめる目は優しかった。

見つける度に優しい目で微笑まれていたから、リアムは見つけられる度に嬉しそうにして、今度は自分から少しずつ近付いてきていた。

声を掛けられる距離になれば婚約者様もリアムに声をかけ始める。

ーー最初は、軽い挨拶から。

そこはそれ、我が婚約者様の魅力。

老若男女、誰をも魅了する男なので、勿論、リアムも例外なく、数回の軽い接触だけで、いつの間にかそばで会話するようにまでなっていた。

そして、気が付けば、いつの間にかリアムは婚約者様のことを「兄さま」と呼ぶようになっていて、かなり懐いていた。


ーー最初、を見た時の衝撃と来たら……。
年が離れていても《》だから、やっぱり……?

とか、考えてしまったりして、少しばかり不服であった。

勿論、私の弟であるリアムがいずれは結婚するであろう婚約者様に懐くことはいいことで、婚約者様の方からもリアムと仲良くしてくれていることには……まあ、少しは感謝を。

(………まあ、あくまで、ですが)

ーー正直なところ、

『…………』

の方が強いですが、致し方がない。

(……仲良くしてくれるのは、いいことなのだから……)

結局、そう思うことにして終わりにしていた。

ーーまあ、婚約者様もをわかっていて、、過度にリアムのことを甘やかしたりしていることにも、さすがに気が付いていたが、を気にすれば、堂々巡りにしかならないので、なるべく考えないようにしていたのだった。
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