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7、王女様の護衛になった婚約者様
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ーーある日、親友であるナタリア・クロフトン伯爵令嬢との恒例のお茶会中に婚約者様が『王女様の護衛』になったということを聞かされる。
一応は《お祝いの言葉》とともに。
一応、と言ったのは、ナタリアのお祝いの言葉にどうも心が込もっていない気がしたからだった。
ーーとにかく、婚約者様が王女様の護衛になったと聞かされた私も、その話にほんの少し驚き、思わず紅茶を飲む手が止まって目を見開いてしまう。
「……へぇ。彼もそこまで出世していたのねぇ」
ほんの一瞬だけ止まった思考もすぐに動き出したので、思わず止まってしまっていた紅茶を一口飲んでから、
「………この前、近衛騎士になったと思ってたのに……」
と、婚約者様の出世?を素直に感心していた。
ーーしかし、私の言葉を聞いたナタリアには呆れたような顔をされてしまった。
「………貴女の婚約者が近衛騎士になって、もう2年くらいしているわよ?」
ーーナタリアのその言葉で、まがりにも婚約者である相手の今現在働いている職業や職場のことを知らなかったことに呆れられてしまっているということがわかる。
「………………。」
ーーさすがに少し気まずくなってしまったけど、すぐに、
「……………別に知らなくても、特に問題ないと、思うけど……」
と正直に答えて、ちょぴっとふくれてしまう。
私のその反応を見て、ナタリアも呆れていることには変わりないけど、
『もう仕方がないわね』
という愛情を込もった呆れを向けられてしまう。
ーーナタリアとは、そこそこ長い付き合いなので、私の性格をそれなりにわかってくれていたのだった。
ーー言わなくてもわかってくれることに、楽ができて……いや、ありがたいと思う。
「………ホント、もう少しだけでも婚約者に興味を持ってもいいんじゃない?」
と色々と気遣ってくれるナタリアにも、
「…………そう?」
と私は変わらずに興味なさげに答えてしまっていた。
そんな私をじっと見つめてきたナタリア。
「………知らないわよ? 無関心すぎて、突然横からかっさらいにくるような強引な令嬢が現れても……」
そう言って、ほとほとナタリアに呆れられてしまってそんな風に言われてしまったけど、私の意識はと言うと、すでに婚約者と王女の話には話し半分になっていて、今は目の前の美味しそうなお菓子に目移りしていて、食べることに夢中になってしなっていたのだった。
私が婚約者様の話をするよりも美味しそうにお菓子を食べることに夢中になっていることに気が付くと、ナタリアも呆れてしまう。
そして、これ以上は何を言っても無駄だと判断したのか、どうせ何を言っても堪えることはないとわかったのか、本当に重要な話になることになったのなら、その時に改めて話せばいいと、この話はやめることにした。
改めて溜め息を一つ付くと、自分も目の前の美味しそうなお菓子を食べることを堪能することにしたのだった。
一応は《お祝いの言葉》とともに。
一応、と言ったのは、ナタリアのお祝いの言葉にどうも心が込もっていない気がしたからだった。
ーーとにかく、婚約者様が王女様の護衛になったと聞かされた私も、その話にほんの少し驚き、思わず紅茶を飲む手が止まって目を見開いてしまう。
「……へぇ。彼もそこまで出世していたのねぇ」
ほんの一瞬だけ止まった思考もすぐに動き出したので、思わず止まってしまっていた紅茶を一口飲んでから、
「………この前、近衛騎士になったと思ってたのに……」
と、婚約者様の出世?を素直に感心していた。
ーーしかし、私の言葉を聞いたナタリアには呆れたような顔をされてしまった。
「………貴女の婚約者が近衛騎士になって、もう2年くらいしているわよ?」
ーーナタリアのその言葉で、まがりにも婚約者である相手の今現在働いている職業や職場のことを知らなかったことに呆れられてしまっているということがわかる。
「………………。」
ーーさすがに少し気まずくなってしまったけど、すぐに、
「……………別に知らなくても、特に問題ないと、思うけど……」
と正直に答えて、ちょぴっとふくれてしまう。
私のその反応を見て、ナタリアも呆れていることには変わりないけど、
『もう仕方がないわね』
という愛情を込もった呆れを向けられてしまう。
ーーナタリアとは、そこそこ長い付き合いなので、私の性格をそれなりにわかってくれていたのだった。
ーー言わなくてもわかってくれることに、楽ができて……いや、ありがたいと思う。
「………ホント、もう少しだけでも婚約者に興味を持ってもいいんじゃない?」
と色々と気遣ってくれるナタリアにも、
「…………そう?」
と私は変わらずに興味なさげに答えてしまっていた。
そんな私をじっと見つめてきたナタリア。
「………知らないわよ? 無関心すぎて、突然横からかっさらいにくるような強引な令嬢が現れても……」
そう言って、ほとほとナタリアに呆れられてしまってそんな風に言われてしまったけど、私の意識はと言うと、すでに婚約者と王女の話には話し半分になっていて、今は目の前の美味しそうなお菓子に目移りしていて、食べることに夢中になってしなっていたのだった。
私が婚約者様の話をするよりも美味しそうにお菓子を食べることに夢中になっていることに気が付くと、ナタリアも呆れてしまう。
そして、これ以上は何を言っても無駄だと判断したのか、どうせ何を言っても堪えることはないとわかったのか、本当に重要な話になることになったのなら、その時に改めて話せばいいと、この話はやめることにした。
改めて溜め息を一つ付くと、自分も目の前の美味しそうなお菓子を食べることを堪能することにしたのだった。
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