ヘタレαにつかまりまして 2

三日月

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18 運命の人

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「お前らには、今後の参考に知っとく方が良いと親心で同席させてんだ!
どこでも盛るなっ、バカ息子っっ」

「サンダル投げることないだろ?!」


ヤマはギラリと目を光らせ陽太さんに噛みつこうとしたが、慌ててその腕に抱きついて止めさせた。
陽太さんは、ヤマにだけ怒っているんだが俺も間違いなく同罪だ。
ついうっかりヤマに乗ってしまったし、まさか、あんなことでヤマがフェロモンを漏らすなんて思ってなかったんだ。

学校や離れではいつもフェロモンに包まれていたが、この屋敷でヤマはフェロモンを引いていたからな。

ヤマは、陽太さんにぶつけられことに気が収まらず苛立ちを隠さない。
俺を包み込んだフェロモンは、陽太さんへの敵意に満ちたものに塗り替えられていた。


「ヤマ、ごめん。
俺が悪いから、陽太さんにやり返すなんてしないでくれ」


宥めて気持ちを収めてもらう。
床に落ちたビーチサンダルを拾い、不貞腐れた顔のヤマの手を引っ張って駆け寄った。

陽太さんにビーチサンダルを返すと、陽太さんは履き直さずに右手に握りしめたまま今度は清人さんの頭に向かって振りおろした。

スパーンッ

泣いていた清人さんの頭に容赦なく当たり、小気味良い音がして俺もヤマもこれには唖然。
綺麗すぎて、ガラスケースで保護しておきたいくらいの清人さんに、思いっきり当てたぞ?
手加減無しのフルスイングだったぞ?
遥馬さんも、悲鳴をあげた。


「よよよよよ陽太さん?!」


αにとってはプライドと同じくらい大切な頭を、サンダルで直接叩かれたからな。
今までなんの反応も示さずに泣いていた清人さんも、黙ってはいなかった。


「てんめぇ、何しやがる?!」


その場で立ち上がり、陽太さんを見下ろす双眸は冷えきって殺意も混じる。
陽太さんは動じないどころか鼻で嗤い、清人さんに向かって遥馬さんの背を押した。


「明日、病院に連れていってやれよ。
来年にはパパだぜ?」


陽太さんを睨みながらも、咄嗟に遥馬さんを優しく抱き止めた清人さん。
さらりと告げられた言葉に、すっと感情が表情から消えた。


「え"ぇ"ーーーっ」


ヤマの方が先に驚きの声をあげていた。
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