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16 社宅
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ほどなくして、スタッフが病院の名前が印刷されたA4サイズの白い紙袋を届けてくれた。
萩野が、ノックされるよりも先に気付き、扉まで出向いて受け取り戻ってくる。
「奏様、三枝様の発情期が近いか確認させていただきますよ?」
「そうだな、そうしてくれ。
三枝、萩野の特技にΩの発情期が近いか確認出来る能力があるんだ。
萩野に今から匂いを確認させても良いか?」
俺の初めての発情期も、萩野が匂いで判断してその日は朝から部屋に閉じ籠っていた。
萩野の嗅覚は、Ωの発情フェロモンを嗅ぎ分けることが出来、その濃淡でおおよその時期がわかるらしいのだ。
実際に俺も自分の発情期を当てられるまで半信半疑だった。
そんな能力をもつαがいるなら、偶発的に起こるフェロモンレイプも未然に防げる。
もっと社会に貢献していてもおかしくないのに、全く世間には知られていない感知能力。
萩野の特殊性は、知れば知るほど恐くなる。
「あ、ん、かまへんよ?
そんなん出来るなんて、萩野さんは凄いなぁ。
小説でも出てこうへんよ」
「秘密の特技ですから」
さらりと答える萩野。
驚く三枝とは対照的に、樟葉は黙ったまま。
まるで、知っていたような雰囲気さえある。
優生αの父さんでも持ち得ない特技だから、樟葉も驚くかと思ったんだが・・・
樟葉の家は、代々御珠神社に仕える家系だ。
御珠神社には、この国をひとつに纏めた古(いにしえ)のαが奉られている。
学業とは別枠の分野、例えばαについてなら、俺が知らないことも把握しているのかもしれない。
近付いてきた萩野に場所を空けるため、樟葉と俺は向かいのソファーに座り直した。
萩野が、ノックされるよりも先に気付き、扉まで出向いて受け取り戻ってくる。
「奏様、三枝様の発情期が近いか確認させていただきますよ?」
「そうだな、そうしてくれ。
三枝、萩野の特技にΩの発情期が近いか確認出来る能力があるんだ。
萩野に今から匂いを確認させても良いか?」
俺の初めての発情期も、萩野が匂いで判断してその日は朝から部屋に閉じ籠っていた。
萩野の嗅覚は、Ωの発情フェロモンを嗅ぎ分けることが出来、その濃淡でおおよその時期がわかるらしいのだ。
実際に俺も自分の発情期を当てられるまで半信半疑だった。
そんな能力をもつαがいるなら、偶発的に起こるフェロモンレイプも未然に防げる。
もっと社会に貢献していてもおかしくないのに、全く世間には知られていない感知能力。
萩野の特殊性は、知れば知るほど恐くなる。
「あ、ん、かまへんよ?
そんなん出来るなんて、萩野さんは凄いなぁ。
小説でも出てこうへんよ」
「秘密の特技ですから」
さらりと答える萩野。
驚く三枝とは対照的に、樟葉は黙ったまま。
まるで、知っていたような雰囲気さえある。
優生αの父さんでも持ち得ない特技だから、樟葉も驚くかと思ったんだが・・・
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御珠神社には、この国をひとつに纏めた古(いにしえ)のαが奉られている。
学業とは別枠の分野、例えばαについてなら、俺が知らないことも把握しているのかもしれない。
近付いてきた萩野に場所を空けるため、樟葉と俺は向かいのソファーに座り直した。
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