SLAVE 屋敷の奥で〜百回いくまで逃げられない〜🔞

阿沙🌷

文字の大きさ
上 下
210 / 285
・屋敷編

8.

しおりを挟む
 そこで待ち受けていた彼の姿を見つけて、弥助は、一瞬で顔色を変えた。さっと、身構えたが、遅かった。
「ずいぶんと、待たせるな」
 男の腕が、青年を掴んだ。その手をふりはらおうとして、周囲の視線に気が付て、青年は黙り込んだ。
 ここの――屋敷の中の小さな世界では、この端正な顔立ちの冷徹な男こそが、その名のとおりボスなのである。
 行きかう花売りたち、使用人たちが、ちらほらと視線をこちらに向けてくるのだ。
「ここではやはり目立ってしまいますね」
 芹那が苦笑した。





「ん……っ、ふ……」
 主の書斎から、微かに男の呻き声が聞こえてくる。中では人影がからまりあい、そこから濡れそぼった水音が立つ。
「く……、もう」
 苦し気に息を吐いた青年を追い立てるように、少年が、じゅるりと彼の幹を吸い上げた。激しく音を立てて吸い上げられれば、青年もなすすべなく陥落する。彼の形の良い唇の奥へと、自身の欲望を発射させた。
「あ、ああ……」
 解き放たれた青年はしばし雄の快楽に身をゆだねて、放心した。日頃、客を相手にしているかいあってか、芹那の口技は、深いエクスタシーを彼にもたらした。
 だらしなく横たわった青年の髪を男の指先がもてあそぶ。弥助が、彼の名を呼ぼうとした瞬間、触れるだけの指が凶暴な本性をあらわにして、彼の頭をわし掴んで、顔を上に向けさせた。
 快楽にとろけた顔を見降ろせして、薄気味わるく男が笑っている。
「芹那」
 主に名を呼ばれ、青年の発したものを嚥下して、彼は返事をした。
「……はい」
「もういい、下がれ」
「……!」
 じり、と少年の身体の奥の小さな火が揺れた。青年の痴態に煽られて、彼自身も燃えていたのだ。
「どうした? 聞こえなかったのか?」
「い、いえ……」
 芹那は慌てて、自身の着物を正すと、さっとたちあがった。
「失礼いたします」
 主人の言いつけは絶対だ。部屋をあとにしたあとは、手ごろな使用人でもつかって発散すればいい。
 藤滝に礼をつくして、部屋を出たあと、廊下にいた若い使用人に芹那は声をかけた。
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

【連載再開】絶対支配×快楽耐性ゼロすぎる受けの短編集

あかさたな!
BL
※全話おとな向けな内容です。 こちらの短編集は 絶対支配な攻めが、 快楽耐性ゼロな受けと楽しい一晩を過ごす 1話完結のハッピーエンドなお話の詰め合わせです。 不定期更新ですが、 1話ごと読切なので、サクッと楽しめるように作っていくつもりです。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 書きかけの長編が止まってますが、 短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。 よろしくお願いします!

カテーテルの使い方

真城詩
BL
短編読みきりです。

お兄ちゃんはお医者さん!?

すず。
恋愛
持病持ちの高校1年生の女の子。 如月 陽菜(きさらぎ ひな) 病院が苦手。 如月 陽菜の主治医。25歳。 高橋 翔平(たかはし しょうへい) 内科医の医師。 ※このお話に出てくるものは 現実とは何の関係もございません。 ※治療法、病名など ほぼ知識なしで書かせて頂きました。 お楽しみください♪♪

身体検査

RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、 選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。

処理中です...