上 下
10 / 21
本編

第1話 小太り高校生が異世界転移した件について①

しおりを挟む


私がダークさんに囚われて、元の世界に帰れなくなったのには、ちゃんとした『原因』がある。

何処から話せば良いんだろう…うーんと…まずは私が異世界に転移した所から話すね。

それは…






ーーーーーー
ーーーーーー


1年前…

ゴォォォォォ…

「今日は鍋♪今日は鍋♪白菜とキノコと豆腐~♪ルンルンルン♪」

夕方の17時。風が強くて吹雪が荒れ狂う中、私は歌いながらスーパーへ向かっていた。

今日は施設の皆んなと鍋パーティー!一緒に料理したり、食べるの楽しみだな!

ゴォォォォォ…

相変わらず、外は悪天候だけど鍋パーティーが楽しみすぎて全然寒くない!!…自分の脂肪が防寒になっているのかな?なんちゃって(笑)

自身の自虐ネタに思わず吹き出してしまう。


ちょうどその時…

ピヨ ピヨ カッコー カッコー(青信号の音)

横断歩道の信号が青色で音が鳴っていた。
おっちょうど良いタイミング。でも念には念を!

辺りをキョロキョロ見渡す。

左~右~……あっ!

ゴー!!(車が走る音)

右の方向を見ると…自動車が猛スピードでこちらに向かってきているのが見えた。

……これは立ち止まった方が良いよね。いくら分厚い脂肪を持っていても鉄の塊には負けてしまう。

道路から離れて自動車が通り過ぎるのを待つ。

…が……


あれっ?あの自動車…動きがおかしくない?

はっ?!ちょっ…明らかに私向かってきている!!なんでっ?!


ゴー!!(車が走る音)

運転手「もう嫌だー!!死んでやるー!!1人で死ぬのは寂しいからっお前も道連れじゃー!!」

「っ……!!」

自動車の窓が全開きで、運転手がメチャクチャな事を言っているのが聞こえた。

これは…や.ば.い…逃げなきゃっ

ジャリッ…ダダダッ!

「ごめんなさーい!!私はまだ生きたいでーす!!貴方も生きましょう!!きっとこの先よい事ありますからー!!」

自身の思いを叫びながら、全力で自動車から逃げる。

私の思いが少しでも伝わって、自殺なんて思い留まってほしい!!マジで!!

運転手「うるせぇぇぇ!死ねぇぇぇぇ!!」

キュルルルル!!(アクセル音)

運転手は聞く耳は持たず、アクセル全開にしてさらにスピードを上げた。

その後すぐに自動車のライトを身体で感じ、後ろを振り向くと目の前に自動車が…

あっ…もうダメみたい。さようなら私の人生。せめて…死ぬ前に先生やお友達と鍋パーティーしたかったな…

覚悟を決めて、目を閉じて頭を抱えた。せめて…死ぬ確率を減らす為に。

ああ…ライトがとても眩しいな。

…そこで、私の意識はプツンと途絶えた。




ガッシャーン!!!(破壊音)





ーーーーーーー
ーーーーーーー



そして…意識が戻って目を覚ました時には…


別の場所にいた。

「…………」ぱちっ

さっきの暗い横断歩道と打って変わって…雲一つない青い空と白い大きな城が視界に入る。

あれ?私…さっき自動車に轢かれそうになって……


ドスン!!

???「ぎゅぇ……」


ん?なんの音?あと少しお尻が痛いような…

おそるおそる下を見ると、ドレスを着た女の子が私の下敷きになっていた。








しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

獣人の世界に落ちたら最底辺の弱者で、生きるの大変だけど保護者がイケオジで最強っぽい。

真麻一花
恋愛
私は十歳の時、獣が支配する世界へと落ちてきた。 狼の群れに襲われたところに現れたのは、一頭の巨大な狼。そのとき私は、殺されるのを覚悟した。 私を拾ったのは、獣人らしくないのに町を支配する最強の獣人だった。 なんとか生きてる。 でも、この世界で、私は最低辺の弱者。

ヤンデレ旦那さまに溺愛されてるけど思い出せない

斧名田マニマニ
恋愛
待って待って、どういうこと。 襲い掛かってきた超絶美形が、これから僕たち新婚初夜だよとかいうけれど、全く覚えてない……! この人本当に旦那さま? って疑ってたら、なんか病みはじめちゃった……!

白猫は異世界に獣人転生して、番に愛される

メリー
恋愛
何か大きい物体に轢かれたと思った。 『わん、わん、』と言う大きい音にびっくりして道路に思わず飛び込んでしまって…。 それなのにここはどこ? それに、なんで私は人の手をしているの? ガサガサ 音が聞こえてその方向を見るととても綺麗な男の人が立っていた。 【ようやく見つけた。俺の番…】

こわいかおの獣人騎士が、仕事大好きトリマーに秒で堕とされた結果

てへぺろ
恋愛
仕事大好きトリマーである黒木優子(クロキ)が召喚されたのは、毛並みの手入れが行き届いていない、犬系獣人たちの国だった。 とりあえず、護衛兼監視役として来たのは、ハスキー系獣人であるルーサー。不機嫌そうににらんでくるものの、ハスキー大好きなクロキにはそんなの関係なかった。 「とりあえずブラッシングさせてくれません?」 毎日、獣人たちのお手入れに精を出しては、ルーサーを(犬的に)愛でる日々。 そのうち、ルーサーはクロキを女性として意識するようになるものの、クロキは彼を犬としかみていなくて……。 ※獣人のケモ度が高い世界での恋愛話ですが、ケモナー向けではないです。ズーフィリア向けでもないです。

王宮に薬を届けに行ったなら

佐倉ミズキ
恋愛
王宮で薬師をしているラナは、上司の言いつけに従い王子殿下のカザヤに薬を届けに行った。 カザヤは生まれつき体が弱く、臥せっていることが多い。 この日もいつも通り、カザヤに薬を届けに行ったラナだが仕事終わりに届け忘れがあったことに気が付いた。 慌ててカザヤの部屋へ行くと、そこで目にしたものは……。 弱々しく臥せっているカザヤがベッドから起き上がり、元気に動き回っていたのだ。 「俺の秘密を知ったのだから部屋から出すわけにはいかない」 驚くラナに、カザヤは不敵な笑みを浮かべた。 「今日、国王が崩御する。だからお前を部屋から出すわけにはいかない」

【完結済】私、地味モブなので。~転生したらなぜか最推し攻略対象の婚約者になってしまいました~

降魔 鬼灯
恋愛
マーガレット・モルガンは、ただの地味なモブだ。前世の最推しであるシルビア様の婚約者を選ぶパーティーに参加してシルビア様に会った事で前世の記憶を思い出す。 前世、人生の全てを捧げた最推し様は尊いけれど、現実に存在する最推しは…。 ヒロインちゃん登場まで三年。早く私を救ってください。

彼氏に別れを告げたらヤンデレ化した

Fio
恋愛
彼女が彼氏に別れを切り出すことでヤンデレ・メンヘラ化する短編ストーリー。様々な組み合わせで書いていく予定です。良ければ感想、お気に入り登録お願いします。

ただ貴方の傍にいたい〜醜いイケメン騎士と異世界の稀人

花野はる
恋愛
日本で暮らす相川花純は、成人の思い出として、振袖姿を残そうと写真館へやって来た。 そこで着飾り、いざ撮影室へ足を踏み入れたら異世界へ転移した。 森の中で困っていると、仮面の騎士が助けてくれた。その騎士は騎士団の団長様で、すごく素敵なのに醜くて仮面を被っていると言う。 孤独な騎士と異世界でひとりぼっちになった花純の一途な恋愛ストーリー。 初投稿です。よろしくお願いします。

処理中です...