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休日で良かったわ。 1話
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あのあと、わたくしはレグルスさまに先に屋上から戻ってもらった。混乱した頭を整理するためにも……
自分が公爵家の血筋ではないことを知って、愛されなかった理由を理解してしまった。
それはとても悲しくて、寂しいことだったけれど……知って良かったと、思っているの。
マーセルとマティス殿下が婚約すれば、本来の形に戻るのね。確かに彼女と同じプラチナブロンドだわ。金髪は珍しくないから、気付かなかった。『カミラ』の髪色はストリベリーブロンドで、公爵家の人間としては浮いていたものね。
――身体が冷えてきたから、もう寮に帰りましょう……
寮に帰り、自室に引きこもり枕を抱きしめて顔を押し付ける。声を抑えて――身体の中の水分を全部涙にかえたんじゃないかってくらい、涙を流した。
泣き疲れてしまい、そのまま眠ってしまったようで、気が付いたら朝になっていて驚いたわ。
……今日が休日で本当に良かったわ。たくさん泣いてしまって、目が腫れぼったくなってしまったから、がんばって冷やさないと。魔法を使い冷やしていると、誰かが来たみたい。
控えめなノックの音を聞いて、わたくしは魔法を止めて「どちらさま?」と声をかけた。
「……私です」
その声を聞いて、急いで扉を開けた。たった数日。……数日しか経っていないのに、やつれた顔をした『わたくし』がそこに立っている。
どうやってあの部屋から抜け出してきたのかしら。ぼさぼさの髪にところどころほつれたドレスを身にまとった彼女は、部屋の中に入るなりずるずると座り込んでしまった。
「マーセル、よく無事だったわね……」
「カミラさま……あの家族はなんなんですか! 人を物のように扱って! アレでも家族なんですか!?」
……ああ、やっぱりそういう扱いを受けていたのね。そして、ぎゅっとわたくしの手を握る。
「ずっと、ずっと……あんな家族のもとで、暮らしてきたんですか……?」
同情なのか、それとも……なにか思うことがあったのかしら? マーセルはわたくしのことをどう判断したのか、少し気になるところではあるけれど……わたくしはとりあえず彼女を立たせて、ベッドに座らせた。
あまりにもボロボロの姿だったから、見ていられなくて。
「公爵家は相変わらずなのね」
自分で自分の髪を整えるのって、複雑な気分だわ。櫛を取り出してさっさと毛先のほうから梳いていく。毛先から徐々に上のほうへと。あの部屋に閉じ込められていたからか、少しぎしぎししている気がする。
自分が公爵家の血筋ではないことを知って、愛されなかった理由を理解してしまった。
それはとても悲しくて、寂しいことだったけれど……知って良かったと、思っているの。
マーセルとマティス殿下が婚約すれば、本来の形に戻るのね。確かに彼女と同じプラチナブロンドだわ。金髪は珍しくないから、気付かなかった。『カミラ』の髪色はストリベリーブロンドで、公爵家の人間としては浮いていたものね。
――身体が冷えてきたから、もう寮に帰りましょう……
寮に帰り、自室に引きこもり枕を抱きしめて顔を押し付ける。声を抑えて――身体の中の水分を全部涙にかえたんじゃないかってくらい、涙を流した。
泣き疲れてしまい、そのまま眠ってしまったようで、気が付いたら朝になっていて驚いたわ。
……今日が休日で本当に良かったわ。たくさん泣いてしまって、目が腫れぼったくなってしまったから、がんばって冷やさないと。魔法を使い冷やしていると、誰かが来たみたい。
控えめなノックの音を聞いて、わたくしは魔法を止めて「どちらさま?」と声をかけた。
「……私です」
その声を聞いて、急いで扉を開けた。たった数日。……数日しか経っていないのに、やつれた顔をした『わたくし』がそこに立っている。
どうやってあの部屋から抜け出してきたのかしら。ぼさぼさの髪にところどころほつれたドレスを身にまとった彼女は、部屋の中に入るなりずるずると座り込んでしまった。
「マーセル、よく無事だったわね……」
「カミラさま……あの家族はなんなんですか! 人を物のように扱って! アレでも家族なんですか!?」
……ああ、やっぱりそういう扱いを受けていたのね。そして、ぎゅっとわたくしの手を握る。
「ずっと、ずっと……あんな家族のもとで、暮らしてきたんですか……?」
同情なのか、それとも……なにか思うことがあったのかしら? マーセルはわたくしのことをどう判断したのか、少し気になるところではあるけれど……わたくしはとりあえず彼女を立たせて、ベッドに座らせた。
あまりにもボロボロの姿だったから、見ていられなくて。
「公爵家は相変わらずなのね」
自分で自分の髪を整えるのって、複雑な気分だわ。櫛を取り出してさっさと毛先のほうから梳いていく。毛先から徐々に上のほうへと。あの部屋に閉じ込められていたからか、少しぎしぎししている気がする。
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