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本編

あれ?パーティーは?

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集まってくれていた使用人さん全員に謝ると、みんな笑顔で仕事に戻って行った。
お仕事の手を止めさせてしまって申し訳ないです。
お爺さまを迎える準備でみんなが朝から忙しくしていたのを知っているので、こんな事がなければお爺さまが留守にしている今、少しだけでも休憩が出来ていただろうと思う。
心配をかけて、休憩すら潰す男。
嫌われ街道まっしぐらである。

「きょう、パーティー、する?」

自分がこのお屋敷に迎え入れて貰った日に、盛大なパーティーを開いて歓迎してくれたので、お爺さまが戻られた今日もパーティーが開催されるのだろうと思い聞いてみたのだが、パパもギル兄様も首を横に振っている。

「ルシーはパーティーがしたいの?準備しようか?」
「そうだね!ファル君が無事に見つかっておめでとうパーティーをしようか!」

いや、違う。
勝手にこのお屋敷では歓迎を現すのにパーティーを開催するのだと思っていただけだ。
言われてみれば、前回パーティー会場だった部屋はいつも通りの内装だった気がする。
花は飾ってあったが、あの時の様な飾り付けは一切無かった。
ただ、もしあの日のようにパーティーが開催されるなら自分にも手旗と三角帽子を貸してもらおうと思っていたのだ。

「じじしゃま、おむかえ、パーティー、ないの?」
「お爺様の歓迎パーティーって事かな?今日は予定はないけど、ルシーがしたいって思ってくれたのなら喜ぶと思うよ。今日中には無理だけど一緒に準備してパーティーしようね」

準備段階から参加できるなら、自分が持つ手旗の似顔絵は自分で描こう。
絵心はないが、こういうのは気持ちが大切だ。
可愛らしく白熊を描いても良いかも知れない。

談話室に到着すると、熊と虎はまた小さいなってくれた。

「ちぇいばーちゅしゃん、くし、かちて?」
「こちらにご用意してありますよ」

いそいそと2匹に近づき、ブラッシングする。
最近は小さくなってくれた時は、撫でるだけじゃなくブラッシングする事を覚えたのだ。
特に今日はお爺さまも帰ってきているので身だしなみは大事だ。
虎の尻尾からリボンを外し、首に結んであげた。
熊にも、もちろんリボンを結ぶ。
トカゲは自分の為に一生懸命走ってくれたと思うのでタオルで優しく拭いてからリボンを結び直した。

「ルシーはお昼寝してから、また髪にリボンを結んであげるね」

自分はあの素敵な色合いの服に着替えてから、ギル兄様がまた結って下さる様だ。
ありがとうございます。
シェフが持ってきてくれたクマちゃんサンドイッチと、トラちゃんマカロンを美味しく頂くとお腹が満たされて眠たくなってきてしまった。

寝る子は育つというのであれば、自分はもうそろそろ大きくなってもおかしくない筈なのに、どうしてまだこんなに小さいのだろうか。
不思議だ。
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