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本編
砕けた宝物
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どうやら1時間ほどお昼寝をしてしまったらしい。
寝ている間に誰かがギル兄様の部屋に運んでくれた様で、起きた時は一瞬何処にいるかわからなくなりびっくりしてしまった。
部屋には熊と虎、トカゲが一緒に居てくれた様だがギル兄様は何処に居るのだろうか。
ベッドから降りようとゴソゴソしていると、熊が抱き上げて降ろしてくれた。
本当にスマートな動きで、熊のイケメン具合に惚れ惚れしてしまう。
熊はきっとモテる。
間違いない。
ただ、獣に雄雌はあるのだろうか。
それどころか、同じ種族っぽい獣を見た事がない気がする。
そうなると繁殖はどうなっているのだろう。
自分が気にする事では無いかも知れないが、熊や虎はとても強くてカッコいいので子孫は残すべきだと思う。
是非とも可愛いお嫁さんに嫁いできてもらいたい。
いや、もしかしたら熊や虎が雌の可能性もある。
その際は、離れるのは寂しいので旦那さんには婿に来てもらおう。
幸いにもこのお屋敷はとても大きいので熊や虎に家族が増えても大丈夫だと思う。
今度、パパに確認しておこう。
「ルシー、起きた?」
素晴らしいタイミングでギル兄様が来てくれた。
本当にこの部屋には盗聴器か隠しカメラでも設置されているのではないだろうか。
だが、そうなると狙われているのはギル兄様だ。
ギル兄様を覗こうとする不届き者は絶対に許せないが、意図せず正反対な自分の様子ばかりが映し出されていると思えば少しは溜飲も下がる。
いつか絶対にカメラも盗聴器も見つけて、犯人を捕まえてやる。
「お着替えしようか。髪も整えなきゃね」
ギル兄様も王子様の様な衣装だ。
髪はいつも通り緩く纏めているが、お揃いのリボンが飾られている。
素敵すぎて直視出来ないレベルだ。
「それから、これ…。ルシーが寝てる間に探して見たんだけど、どうかな?」
そう言って背中に隠していた物を恥ずかしそうに出してくれた。
その照れた表情はもはや犯罪級ですよ。
ギル兄様のご尊顔に見惚れていたが、差し出されている物を見た途端、驚きすぎて腰が抜けた。
「ルシー!?」
へなへなと床に座り込んでしまったが、これは仕方がない。
「どうちて…」
「ルシーが見つけた物より見栄えは劣るけど、結構似てると思うんだ。僕はルシーにお揃いが欲しいって言ってもらえた日から、そんなに嫌いじゃないんだよ。ルシーが大好きだって言ってくれるから、僕も少しずつ好きになれるんだ。あんな事があったけど、まだお揃いが嬉しいって思ってくれるかな?」
ギル兄様の手には、あの時砕け散ったツノ(枝)とそっくりのうっすら輝くツノ(枝)があった。
寝ている間に誰かがギル兄様の部屋に運んでくれた様で、起きた時は一瞬何処にいるかわからなくなりびっくりしてしまった。
部屋には熊と虎、トカゲが一緒に居てくれた様だがギル兄様は何処に居るのだろうか。
ベッドから降りようとゴソゴソしていると、熊が抱き上げて降ろしてくれた。
本当にスマートな動きで、熊のイケメン具合に惚れ惚れしてしまう。
熊はきっとモテる。
間違いない。
ただ、獣に雄雌はあるのだろうか。
それどころか、同じ種族っぽい獣を見た事がない気がする。
そうなると繁殖はどうなっているのだろう。
自分が気にする事では無いかも知れないが、熊や虎はとても強くてカッコいいので子孫は残すべきだと思う。
是非とも可愛いお嫁さんに嫁いできてもらいたい。
いや、もしかしたら熊や虎が雌の可能性もある。
その際は、離れるのは寂しいので旦那さんには婿に来てもらおう。
幸いにもこのお屋敷はとても大きいので熊や虎に家族が増えても大丈夫だと思う。
今度、パパに確認しておこう。
「ルシー、起きた?」
素晴らしいタイミングでギル兄様が来てくれた。
本当にこの部屋には盗聴器か隠しカメラでも設置されているのではないだろうか。
だが、そうなると狙われているのはギル兄様だ。
ギル兄様を覗こうとする不届き者は絶対に許せないが、意図せず正反対な自分の様子ばかりが映し出されていると思えば少しは溜飲も下がる。
いつか絶対にカメラも盗聴器も見つけて、犯人を捕まえてやる。
「お着替えしようか。髪も整えなきゃね」
ギル兄様も王子様の様な衣装だ。
髪はいつも通り緩く纏めているが、お揃いのリボンが飾られている。
素敵すぎて直視出来ないレベルだ。
「それから、これ…。ルシーが寝てる間に探して見たんだけど、どうかな?」
そう言って背中に隠していた物を恥ずかしそうに出してくれた。
その照れた表情はもはや犯罪級ですよ。
ギル兄様のご尊顔に見惚れていたが、差し出されている物を見た途端、驚きすぎて腰が抜けた。
「ルシー!?」
へなへなと床に座り込んでしまったが、これは仕方がない。
「どうちて…」
「ルシーが見つけた物より見栄えは劣るけど、結構似てると思うんだ。僕はルシーにお揃いが欲しいって言ってもらえた日から、そんなに嫌いじゃないんだよ。ルシーが大好きだって言ってくれるから、僕も少しずつ好きになれるんだ。あんな事があったけど、まだお揃いが嬉しいって思ってくれるかな?」
ギル兄様の手には、あの時砕け散ったツノ(枝)とそっくりのうっすら輝くツノ(枝)があった。
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