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本編
神を泣かす罪人
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外に出るとこちらに向かって走って来る虎と熊が見えた。
すごく慌てているがどうしたのだろうか。
「シーちゃ!ソラちゃ!」
手を振ってみると、元から速かったスピードが更に上がった気がするが2匹の脚力はどうなっているのだろう。
「にいしゃま、はやいねぇ」
「ソラはルシーが部屋に居ないのを見たら取り乱しちゃってね。あれよりもっと速く走って消えて行ったんだよ。シーザーを呼びに行ってたんだね」
おっと。
慌てているのは自分の所為だったのか。
虎はもちろんだが、熊にも迷惑をかけてしまったようだ。
2匹が自分の目の前まで来ると、ギル兄様がそっと地面に下ろしてくれた。
どこからか取り出した布をひいてくれたので、怪我や汚れの心配も無い。
この気遣いはどこで教えてもらえるのだろう。
とてもスマートで紳士的だ。
いつか自分もギル兄様にして差し上げたい。
「しんぱい、ごめんちゃい」
2匹を見ながら謝ると、左右から熊と虎に挟まれる形で身体を擦り付けられたり、頬を舐められたりしている。
そんなに不安にさせてしまったのだろうか。
自分には他に行き場はないので、縋り付いてでもギル兄様の義弟ポジションを死守する気満々なのだが。
とりあえず安心してもらおうと2匹の鼻先にチュッと口を押し当てておいた。
「ルシー!!」
2匹はとても嬉しそうにより一層頬を舐めてきたのだが、何故か悲鳴を上げてギル兄様が2匹から取り上げるように抱き上げた。
2匹があまりに興奮しているので、食べられそうに見えたのだろうか。
確かに大型獣2匹に挟まれているので、見方によっては襲われている様に見られてもおかしくはないが、熊も虎もそんな事はしないとギル兄様はよく知っているはずだ。
「んん?」
状況が飲み込めず、首を傾げてしまう。
「ルシー…」
何故だかギル兄様が泣きそうに顔を歪めている。
なんだ。
何が原因だ。
ギル兄様を悲しませるなんてあってはいけない。
だが、何も原因が思い付かないのだ。
ポンコツすぎる自分が情けない。
なんとか元気になってもらいたいが自分に出来る事など高が知れているだろう。
ギル兄様が喜んでくれるかはわからないが、とりあえず今出来そうな事はスキンシップくらいだ。
ギル兄様の麗しい頬に、自分の貧弱な頬を擦り寄せてもいいだろうか。
いや、ダメなのはわかっているがギル兄様をお慰めしたいだけだ。
決して邪な気持ちではない。
本当だ。
すごく慌てているがどうしたのだろうか。
「シーちゃ!ソラちゃ!」
手を振ってみると、元から速かったスピードが更に上がった気がするが2匹の脚力はどうなっているのだろう。
「にいしゃま、はやいねぇ」
「ソラはルシーが部屋に居ないのを見たら取り乱しちゃってね。あれよりもっと速く走って消えて行ったんだよ。シーザーを呼びに行ってたんだね」
おっと。
慌てているのは自分の所為だったのか。
虎はもちろんだが、熊にも迷惑をかけてしまったようだ。
2匹が自分の目の前まで来ると、ギル兄様がそっと地面に下ろしてくれた。
どこからか取り出した布をひいてくれたので、怪我や汚れの心配も無い。
この気遣いはどこで教えてもらえるのだろう。
とてもスマートで紳士的だ。
いつか自分もギル兄様にして差し上げたい。
「しんぱい、ごめんちゃい」
2匹を見ながら謝ると、左右から熊と虎に挟まれる形で身体を擦り付けられたり、頬を舐められたりしている。
そんなに不安にさせてしまったのだろうか。
自分には他に行き場はないので、縋り付いてでもギル兄様の義弟ポジションを死守する気満々なのだが。
とりあえず安心してもらおうと2匹の鼻先にチュッと口を押し当てておいた。
「ルシー!!」
2匹はとても嬉しそうにより一層頬を舐めてきたのだが、何故か悲鳴を上げてギル兄様が2匹から取り上げるように抱き上げた。
2匹があまりに興奮しているので、食べられそうに見えたのだろうか。
確かに大型獣2匹に挟まれているので、見方によっては襲われている様に見られてもおかしくはないが、熊も虎もそんな事はしないとギル兄様はよく知っているはずだ。
「んん?」
状況が飲み込めず、首を傾げてしまう。
「ルシー…」
何故だかギル兄様が泣きそうに顔を歪めている。
なんだ。
何が原因だ。
ギル兄様を悲しませるなんてあってはいけない。
だが、何も原因が思い付かないのだ。
ポンコツすぎる自分が情けない。
なんとか元気になってもらいたいが自分に出来る事など高が知れているだろう。
ギル兄様が喜んでくれるかはわからないが、とりあえず今出来そうな事はスキンシップくらいだ。
ギル兄様の麗しい頬に、自分の貧弱な頬を擦り寄せてもいいだろうか。
いや、ダメなのはわかっているがギル兄様をお慰めしたいだけだ。
決して邪な気持ちではない。
本当だ。
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