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温泉へ
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結局年末はバタバタしていて温泉になど行ける余裕は無かった。結局行けたのは年明けの一月も終わりの頃だった。けれどもそれはそれで新年の浮かれた気持ちが重なって、僕らのテンションを上げた。
「車出してくれてありがとう、慶介。」
国産車で乗り心地の良いこの車は、僕でも知ってるグレードの高いやつだ。
「実家の車は使ってて借りれなかったんだけど、爺さんのが借りれたからラッキーだった。実家より乗り心地も良いしな。爺さんも後一年ぐらいで免許返納するかもって言ってたから、場合によっては新社会人のお祝いに、これくれるかも。
でも駐車場代とか車って経費がかかるだろ?贅沢かもな。あったら便利だけどさ。」
自分の車が手に入るなんて、今どきの若者としたら贅沢だなと思いながら話を聞いていると、慶介がチラッと助手席に座る僕を見て口を開いた。
「実際車あったら、こうやって悠太と気兼ねなく何処でも出掛けられるし。堂々とイチャイチャできるし?」
そう言いながら、信号で止まった慶介が僕の手をぎゅっと握った。僕はくすぐったい気持ちになりながら、ドキドキしながら慶介の体温を感じた。
はぁ、僕もすっかりのぼせそうなくらい張り切ってる。このカップル旅行が楽しみ過ぎて堪らないんだ。僕が無意識に口元を緩めてニヤついていると、慶介がハンドルに手を戻して呟いた。
「良かった…。最近こまめに悠太とイチャイチャしておいて。そうじゃ無かったら、信号が止まる度にチュウしちゃってた。」
真剣な横顔を見せながら、そんな冗談なのかよく分からないことを言う慶介に僕はクスクス笑った。最近二日を開けず抱かれていたのはそんな理由があったのかと、僕は慶介を揶揄った。
「そうだったんだ。僕、慶介って絶倫なのかってちょっと身の危険を感じ始めてたんだ。頑張ってたんだね?」
すると慶介はニヤリと笑って機嫌よく言った。
「いや、絶倫なのは悠太だろ?マッチョな俺についてくるんだから。悠太が鍛えたら、俺より全然凄いでしょ。あー、でも絶倫な悠太も見てみたい。エロくおねだりしてくる悠太見たいな。」
何だか勝手な妄想を膨らましてる慶介に呆れながら、僕はクスクス笑って車窓から外の景色を眺めた。高速を降りてから暫く山道を登ってきたけれど、表示を見るとそろそろ到着しそうだ。
「確かこの辺りだと思うけど。あ、ほら。そこの先曲がった所だよ。案内の看板出てる。」
黒い薄手のVネックニットから、筋肉を感じさせながらハンドルを切る慶介をうっとりと眺めながら、僕は駐車場に車が停まって無事に辿り着いた事に安堵していた。
「運転ありがと。疲れた?ごめんね、僕まだ教習中だから代わりに運転出来なくて。今度旅行行く時は、交代で運転できる様に頑張るよ。」
すると慶介はバックを膝に載せながら、僕を見て笑った。
「いやいや、俺も悠太に合宿免許に行かせる広い心が持てなかったからさ、俺のせいでもあるじゃん?通いの方が面倒で時間掛かるのに。」
合宿免許も考えたけど、慶介が狼だらけの巣窟に行かせたくないと駄々捏ねたのもあるし、僕も二週間以上慶介と離れるのはちょっと無理だったから通いの教習所にしたんだ。
運転自体は結構楽しいから、早く免許取って慶介を乗せたいなとこっそり思ってる。
「へぇ、凄い立派なホテルだな。そんなに部屋数も多いわけじゃ無いのか?」
そう慶介が言いながら、ホテルの人に案内されたのは温泉付きの一室だった。家族と来た時は温泉付きでは無かったから、僕も新鮮な気持ちで部屋を見回した。
部屋の窓からはひと気の無い山の木々が迫っている。プライバシーが守られていて居心地が良さそうだった。
ひと通り温泉の使用方法を説明されて、僕らはようやく二人きりになれた。
二人きりになったからと言って飛びついて抱き合うのも恥ずかしい。僕が戸惑っているとベッドのひとつに座った慶介が、少し低い声で僕を呼んだ。
「…悠太、こっち来て?」
僕は口元がニヤつくのを我慢しながらいそいそと慶介の側に寄っていくと、いきなり腕を引っ張られてベッドに横倒しになった。
「慶介、まだ部屋の中見て回ってないのに…。」
そんな事を言いながらも、僕は嬉しさで慶介に抱きついた。慶介のすっかり嗅ぎなれた匂いが僕をホッとさせた。
「まだ早いから、温泉街見て回るつもりだったけど…。こうして悠太と抱き合ってると、もう離れたく無いな。」
とは言え、夕食付きプランなので時間になったら食べに行かなくちゃいけない。僕はクスッと笑いながら慶介を見上げた。
「ね、さっきの案内してくれた人、僕らのことどう思ったかな。男二人で部屋風呂付きなんてさ。」
慶介はニヤニヤしながら僕の額にキスして言った。
「え?悠太の事、かっこ可愛いなって思ったんじゃね?あっちはプロだから慣れてるだろうし、俺は正直どう思われようが気にならないけどね。
それより夕食まで時間あるから、たっぷりイチャイチャする時間あると思うんだけど。…駄目?」
おねだりする様な慶介の眼差しに僕は弱い。しかもそれに気づいている慶介に、僕はクスッと笑って唇を押し付けて甘く囁いた。
「え?僕が駄目って言うわけ無いでしょ?車に乗っている間中、運転してる慶介カッコよくて堪らなかったのに。ね、…エッチしよ?」
「車出してくれてありがとう、慶介。」
国産車で乗り心地の良いこの車は、僕でも知ってるグレードの高いやつだ。
「実家の車は使ってて借りれなかったんだけど、爺さんのが借りれたからラッキーだった。実家より乗り心地も良いしな。爺さんも後一年ぐらいで免許返納するかもって言ってたから、場合によっては新社会人のお祝いに、これくれるかも。
でも駐車場代とか車って経費がかかるだろ?贅沢かもな。あったら便利だけどさ。」
自分の車が手に入るなんて、今どきの若者としたら贅沢だなと思いながら話を聞いていると、慶介がチラッと助手席に座る僕を見て口を開いた。
「実際車あったら、こうやって悠太と気兼ねなく何処でも出掛けられるし。堂々とイチャイチャできるし?」
そう言いながら、信号で止まった慶介が僕の手をぎゅっと握った。僕はくすぐったい気持ちになりながら、ドキドキしながら慶介の体温を感じた。
はぁ、僕もすっかりのぼせそうなくらい張り切ってる。このカップル旅行が楽しみ過ぎて堪らないんだ。僕が無意識に口元を緩めてニヤついていると、慶介がハンドルに手を戻して呟いた。
「良かった…。最近こまめに悠太とイチャイチャしておいて。そうじゃ無かったら、信号が止まる度にチュウしちゃってた。」
真剣な横顔を見せながら、そんな冗談なのかよく分からないことを言う慶介に僕はクスクス笑った。最近二日を開けず抱かれていたのはそんな理由があったのかと、僕は慶介を揶揄った。
「そうだったんだ。僕、慶介って絶倫なのかってちょっと身の危険を感じ始めてたんだ。頑張ってたんだね?」
すると慶介はニヤリと笑って機嫌よく言った。
「いや、絶倫なのは悠太だろ?マッチョな俺についてくるんだから。悠太が鍛えたら、俺より全然凄いでしょ。あー、でも絶倫な悠太も見てみたい。エロくおねだりしてくる悠太見たいな。」
何だか勝手な妄想を膨らましてる慶介に呆れながら、僕はクスクス笑って車窓から外の景色を眺めた。高速を降りてから暫く山道を登ってきたけれど、表示を見るとそろそろ到着しそうだ。
「確かこの辺りだと思うけど。あ、ほら。そこの先曲がった所だよ。案内の看板出てる。」
黒い薄手のVネックニットから、筋肉を感じさせながらハンドルを切る慶介をうっとりと眺めながら、僕は駐車場に車が停まって無事に辿り着いた事に安堵していた。
「運転ありがと。疲れた?ごめんね、僕まだ教習中だから代わりに運転出来なくて。今度旅行行く時は、交代で運転できる様に頑張るよ。」
すると慶介はバックを膝に載せながら、僕を見て笑った。
「いやいや、俺も悠太に合宿免許に行かせる広い心が持てなかったからさ、俺のせいでもあるじゃん?通いの方が面倒で時間掛かるのに。」
合宿免許も考えたけど、慶介が狼だらけの巣窟に行かせたくないと駄々捏ねたのもあるし、僕も二週間以上慶介と離れるのはちょっと無理だったから通いの教習所にしたんだ。
運転自体は結構楽しいから、早く免許取って慶介を乗せたいなとこっそり思ってる。
「へぇ、凄い立派なホテルだな。そんなに部屋数も多いわけじゃ無いのか?」
そう慶介が言いながら、ホテルの人に案内されたのは温泉付きの一室だった。家族と来た時は温泉付きでは無かったから、僕も新鮮な気持ちで部屋を見回した。
部屋の窓からはひと気の無い山の木々が迫っている。プライバシーが守られていて居心地が良さそうだった。
ひと通り温泉の使用方法を説明されて、僕らはようやく二人きりになれた。
二人きりになったからと言って飛びついて抱き合うのも恥ずかしい。僕が戸惑っているとベッドのひとつに座った慶介が、少し低い声で僕を呼んだ。
「…悠太、こっち来て?」
僕は口元がニヤつくのを我慢しながらいそいそと慶介の側に寄っていくと、いきなり腕を引っ張られてベッドに横倒しになった。
「慶介、まだ部屋の中見て回ってないのに…。」
そんな事を言いながらも、僕は嬉しさで慶介に抱きついた。慶介のすっかり嗅ぎなれた匂いが僕をホッとさせた。
「まだ早いから、温泉街見て回るつもりだったけど…。こうして悠太と抱き合ってると、もう離れたく無いな。」
とは言え、夕食付きプランなので時間になったら食べに行かなくちゃいけない。僕はクスッと笑いながら慶介を見上げた。
「ね、さっきの案内してくれた人、僕らのことどう思ったかな。男二人で部屋風呂付きなんてさ。」
慶介はニヤニヤしながら僕の額にキスして言った。
「え?悠太の事、かっこ可愛いなって思ったんじゃね?あっちはプロだから慣れてるだろうし、俺は正直どう思われようが気にならないけどね。
それより夕食まで時間あるから、たっぷりイチャイチャする時間あると思うんだけど。…駄目?」
おねだりする様な慶介の眼差しに僕は弱い。しかもそれに気づいている慶介に、僕はクスッと笑って唇を押し付けて甘く囁いた。
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