最初から可愛いって思ってた?

コプラ@貧乏令嬢〜コミカライズ12/26

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優待券

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 「そっか。じゃあ慶介はほぼその会社に決まりそうだね。」

 夏のインターンシップで振り落としがあった後、年末前のこの時期、秋のインターンシップというべき選考が未だ続いてる慶介は行きたい会社を絞ったみたいだった。

 顔見知りになったインターンシップ仲間も居るみたいで、それはそれで少しだけモヤモヤするけれど、そんな事言ったら馬鹿みたいだ。体育会系で堂々とした慶介を会社が欲しがるのは納得だから、僕は慶介を尊敬こそすれ、妬ましいとは感じなかった。


 「まぁ、実際に就活のスタートになったらどうなるか分からないけどな。こっちも選ばれるより選ぶ気でいた方がいい気がするし。悠太はどうした?」

 僕は慶介の腕の中に寄りかかりながら目を逸らして呟いた。

「インターンシップで行った会社は悪くなかったけど、転勤とかあるからそれがどうかなって思って。新入社員はいきなり地方スタートだって聞いたから、そうなると、その、慶介と離れちゃうでしょ?…はは、でもずっと先の話だね。まだ大学生活も一年あるし。」


 すると慶介は僕の顎を指先で軽く掴んで自分の方に引き上げた。それから僕の目を見つめて言った。

「それ確かに重要な条件だよな。俺は出来るだけエリア限定の会社選んでるんだ。出張はしょうがないけど、転勤がない会社。実力さえつければ転職も出来て、将来的には起業も視野に入れた業種をメインで考えてる。

仕事も大事だけど、俺は自分の私生活も大事にしたいから。」

僕はびっくりして慶介を見つめた。慶介がコンサルを選択肢にしているのは分かってたけど、そんな意図があったなんて気付けなかった。僕はじわじわと嬉しさが溢れて来た。


 「…慶介は僕らが社会人になっても一緒に居るって考えてくれてるの?」

すると慶介は目を見開いて、少しショックを受けた表情で眉を顰めた。

「え。悠太は俺を捨てる気なのか?」

僕はクスクス笑った。

「そうじゃないよ。でも先のことは分からないのに、そんな自信満々に言い切っちゃうのが凄いなって思うし、正直嬉しい。僕も勿論慶介とずっと居たいよ?ふふ、僕も私生活も大事にできそうな会社を選ぶ事にするよ。

まあ本気スタートは春だから、まだ年末前の僕らの私生活楽しんでも良いかもね?」


 僕がイタズラっぽくそう言うと、慶介が目を見開いてそれから一瞬でギラついた眼差しで僕を見つめた。ああ、そんな目で見られたら、あっという間に熱くなっちゃうしドキドキしてしまうのに。

「悠太が煽ってきたんだから、責任とってくれないとな?」

僕はベッドに引き摺り込まれる前に、慌てて慶介を押し除けてバックを探った。

「あ、あのね?実は親からこれ貰ったんだけど。行く?」


 顔を顰めた慶介に取り出したチケットを見せると、すっかりその気になった慶介は渋々それに目をやった。

「…温泉ホテルの優待券?」

僕は日付を指さして説明した。

「親がこのグループ企業の株主らしくて、優待券みたいなものだよ。使う暇ないから友達と行って来たらって貰ったんだ。期限もまだ結構有るし、一緒に行かないかなって思って。以前親と行ったけど、温泉良かったよ。」

すると慶介はボソリと呟いた。

「一緒に風呂入ったら、不味い事になりそう…。俺もう悠太の裸見たらパブロフの犬状態になる自信あるんだ。それ他の人に見られたらヤバいよな?」


 僕はポカンとして慶介の真剣な顔を見てクスクス笑った。

「えー?大丈夫でしょ?…でも僕もそう言われたら自信が無くなってきちゃった。でもそう、露天風呂付きの部屋も結構あるよ。それがうりみたいで。少し割高になるけど、優待券で凄く安いからお金足して露天風呂付きの部屋にしようか。」

途端に慶介の表情がさっきみたいなギラつきさを増して、僕をゾクゾクさせた。

「そうしよ。ふう…。まじか、悠太と風呂付き部屋の温泉でしっぽり?やば、たぎるわ。」


 そう言いながら、僕に覆い被さっていきなり顔を寄せて来た。それなのにギリギリのところで唇を触れ合わせない慶介に、僕は待ちきれずに自分から唇を押し付けた。

「…悠太のえっち。」

僕は何度も離れては近づいて触れる、優しいキスを楽しみながら慶介を睨んで言った。

「…温泉でいっぱいえっちな事したいと思ってるの僕だけみたいだね?やっぱり行くのやめる?」

途端に慶介は目を丸くして僕をギュッと抱きしめて懇願した。


 「お願いします、悠太さま!一緒に行かせて下さい。もう立てなくなるくらいえっちな事したいです!めちゃくちゃご奉仕したいです!」

僕は思わず吹き出して、慶介の高い鼻を唇で甘噛みした。

「ふふ、立てないのは困るよ。でも僕も慶介と旅行とか嬉しい。」

僕は慶介の瞳が凄く色っぽく細められているのを見つめながら柔らかな感触を受け止めた。ああ、この甘くてクセになる口づけは僕だけのものだ。

自分でも気づかなかった独占欲を感じて、僕は慶介の首に手を伸ばして引き寄せた。僕だって慶介に沸るよ?知ってた?











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