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エッチのおかわり?
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暖簾で入り口を仕切られた半個室の食事処で慶介と向かい合いながら、ご馳走を前に舌鼓を打っていた。温泉ホテルらしい、品数の多い夕食は、お品書き通りに次々に運ばれてきた。
「俺、懐石っぽい料理ってそんなに好きじゃなかったけど、単純に美味しいやつ食べてなかっただけかもしれないな。ここの食事、どれも美味しいから。でもいちいちどんな食材か説明されないと何だか分からないな。」
そう言いながら、慶介は餡かけの蒸し物を二口で食べてしまった。僕は熱燗の日本酒をひと口喉に流しながら、食事を楽しんでいる慶介の様子を眺めた。
さっきまで性急に欲望を貪りあったとは思えない、この落ち着いた状況に僕は思わず口元を緩めてしまう。そんな僕をチラッと見つめて、慶介は升に溢れる日本酒を楽しみながら言った。
「悠太、もう目元が赤いけど、日本酒なんて飲んで大丈夫だったのか?あまり強くないだろ?」
僕は少し緩んだ気分で、いつもより少し大きな声で言った。
「でもこのお食事だったら日本酒が飲みたいでしょ?僕、お酒の味は好きなの。これくらいスッキリしてると、どんどん飲んじゃう。」
すると慌てた様に慶介が僕に熱燗の瓶を自分の方に引き寄せて言った。
「おいおい、流石に潰れて俺を一人寂しくさせるわけじゃないだろう?まださっき位じゃ、悠太を堪能しきれてないんだから。せっかく部屋に温泉もあるんだからさ…。」
そう意味深に言われて、さっきまでの痴態がぶわりと思い出されて、急に酒が回る気がする。僕は着ていた浴衣の襟元をパタオタとしながら、慶介を睨んで口を尖らせた。
「ちょっと…!もう、聞かれちゃうでしょ?」
ちょうど暖簾の向こうに料理を乗せた台車が近づいた音がして、僕たちは慌ててかしこまった。その隙に慶介は熱燗を自分の方に引き寄せてしまったのだから、これ以上飲ませる気は無いのかな。
結局、慶介の管理の元、僕はほろ酔い気分で部屋に戻る事になった。僕より何倍も呑んだはずの慶介は少し目元が赤いだけで、特に酔った風でもなかった。
逞しい身体に大きめサイズの浴衣が張り付いて、短い髪が男らしい色っぽさを感じる慶介に見惚れながら、僕は無意識に慶介に指を絡ませていた。
「ふふ。ふふふ。慶介カッコ良すぎるね。モデルみたい。」
僕がそう言うと、慶介は僕の手をっぎゅっと握って顔を顰めた。
「まだ部屋に辿り着いてないのに、そうやって煽るなって。悠太もヤバいからな?」
僕が慶介の言わんとすることが分からなくてぼんやりと顔を見上げると、慶介がニヤリと笑った。
「ほろ酔いの悠太って、ほんと無防備で可愛いんだ。しかも浴衣とか俺が色々とヤバい。…やっぱりあれ以上飲ませなくて正解だっただろ?いつも眠くなっちゃうから。」
慶介にそう言われたけど、ちょっと眠気が来てたのは内緒だ。やっぱりアルコール度数が高いと沢山飲まなくても効いてしまう。
「うん。大丈夫。眠くないよ。」
僕の嘘つき。でも眠るわけにいかないんだ。僕だってこの旅行凄く楽しみだったんだから。
部屋に到着すると、僕はベッドに駆け寄ってダイブした。ああ、最高の温泉旅行。さっきは窓から見える、部屋付き露天風呂に面したガラス張りのシャワーブースで致しちゃったから、ベッドはサラリとしていて綺麗なままだった。
僕の側にくっつく様に慶介がゴロリと横になると、うつ伏せた僕の頬にキスして微笑んで言った。
「美味かったな。量も丁度良かったし。ヤバい、今になって酒効いてきた。リラックスしてると回りが早いのかな。こうしてのんびりするとか最高。浴衣の悠太最高にえっちだし。」
僕は目を閉じて、慶介と手を繋ぎながらクスクス笑った。
「これ着る時、舐める様に僕の事見てたでしょ。でも僕も浴衣の慶介ドキドキしちゃうから一緒かも。」
すると慶介はニヤリとして、僕を腕の中に抱え込んで囁いた。
「さっき見てたのは、やっぱり浴衣脱がせないままエッチするのが正解かなとか考えてたからな。何だろな、この背徳感。非日常な感じがやっぱり良いんだろうな。」
そう言って僕の襟を少し広げて首筋に顔を突っ込んだ。首筋を舌で舐められて、一気にいやらしい気持ちになってしまう。さっきしたばかりだから、後ろがまだ疼いているのも関係あるだろうか。
僕が思わず喘ぐと、慶介は少し笑って顔を上げた。
「でも、ちょっとまだ早いか。もう少し腹ごなししないと、思い切り悠太を愛せないし。」
僕は目をぱちくりして、少し煽られた身体を自覚してじわじわと顔を熱くした。激しくするって事かな。でも僕はすっかりその気になったのにな。
入り浸る慶介のマンションで散々エッチはしてると言うのに、この際限のない解放感と欲望は僕をじわじわと熱くさせる。僕は仕方なく慶介の腕の中に潜り込むと、その肉厚な身体に手を回して言った。
「わかった。…ちょっと我慢する。」
「俺、懐石っぽい料理ってそんなに好きじゃなかったけど、単純に美味しいやつ食べてなかっただけかもしれないな。ここの食事、どれも美味しいから。でもいちいちどんな食材か説明されないと何だか分からないな。」
そう言いながら、慶介は餡かけの蒸し物を二口で食べてしまった。僕は熱燗の日本酒をひと口喉に流しながら、食事を楽しんでいる慶介の様子を眺めた。
さっきまで性急に欲望を貪りあったとは思えない、この落ち着いた状況に僕は思わず口元を緩めてしまう。そんな僕をチラッと見つめて、慶介は升に溢れる日本酒を楽しみながら言った。
「悠太、もう目元が赤いけど、日本酒なんて飲んで大丈夫だったのか?あまり強くないだろ?」
僕は少し緩んだ気分で、いつもより少し大きな声で言った。
「でもこのお食事だったら日本酒が飲みたいでしょ?僕、お酒の味は好きなの。これくらいスッキリしてると、どんどん飲んじゃう。」
すると慌てた様に慶介が僕に熱燗の瓶を自分の方に引き寄せて言った。
「おいおい、流石に潰れて俺を一人寂しくさせるわけじゃないだろう?まださっき位じゃ、悠太を堪能しきれてないんだから。せっかく部屋に温泉もあるんだからさ…。」
そう意味深に言われて、さっきまでの痴態がぶわりと思い出されて、急に酒が回る気がする。僕は着ていた浴衣の襟元をパタオタとしながら、慶介を睨んで口を尖らせた。
「ちょっと…!もう、聞かれちゃうでしょ?」
ちょうど暖簾の向こうに料理を乗せた台車が近づいた音がして、僕たちは慌ててかしこまった。その隙に慶介は熱燗を自分の方に引き寄せてしまったのだから、これ以上飲ませる気は無いのかな。
結局、慶介の管理の元、僕はほろ酔い気分で部屋に戻る事になった。僕より何倍も呑んだはずの慶介は少し目元が赤いだけで、特に酔った風でもなかった。
逞しい身体に大きめサイズの浴衣が張り付いて、短い髪が男らしい色っぽさを感じる慶介に見惚れながら、僕は無意識に慶介に指を絡ませていた。
「ふふ。ふふふ。慶介カッコ良すぎるね。モデルみたい。」
僕がそう言うと、慶介は僕の手をっぎゅっと握って顔を顰めた。
「まだ部屋に辿り着いてないのに、そうやって煽るなって。悠太もヤバいからな?」
僕が慶介の言わんとすることが分からなくてぼんやりと顔を見上げると、慶介がニヤリと笑った。
「ほろ酔いの悠太って、ほんと無防備で可愛いんだ。しかも浴衣とか俺が色々とヤバい。…やっぱりあれ以上飲ませなくて正解だっただろ?いつも眠くなっちゃうから。」
慶介にそう言われたけど、ちょっと眠気が来てたのは内緒だ。やっぱりアルコール度数が高いと沢山飲まなくても効いてしまう。
「うん。大丈夫。眠くないよ。」
僕の嘘つき。でも眠るわけにいかないんだ。僕だってこの旅行凄く楽しみだったんだから。
部屋に到着すると、僕はベッドに駆け寄ってダイブした。ああ、最高の温泉旅行。さっきは窓から見える、部屋付き露天風呂に面したガラス張りのシャワーブースで致しちゃったから、ベッドはサラリとしていて綺麗なままだった。
僕の側にくっつく様に慶介がゴロリと横になると、うつ伏せた僕の頬にキスして微笑んで言った。
「美味かったな。量も丁度良かったし。ヤバい、今になって酒効いてきた。リラックスしてると回りが早いのかな。こうしてのんびりするとか最高。浴衣の悠太最高にえっちだし。」
僕は目を閉じて、慶介と手を繋ぎながらクスクス笑った。
「これ着る時、舐める様に僕の事見てたでしょ。でも僕も浴衣の慶介ドキドキしちゃうから一緒かも。」
すると慶介はニヤリとして、僕を腕の中に抱え込んで囁いた。
「さっき見てたのは、やっぱり浴衣脱がせないままエッチするのが正解かなとか考えてたからな。何だろな、この背徳感。非日常な感じがやっぱり良いんだろうな。」
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僕が思わず喘ぐと、慶介は少し笑って顔を上げた。
「でも、ちょっとまだ早いか。もう少し腹ごなししないと、思い切り悠太を愛せないし。」
僕は目をぱちくりして、少し煽られた身体を自覚してじわじわと顔を熱くした。激しくするって事かな。でも僕はすっかりその気になったのにな。
入り浸る慶介のマンションで散々エッチはしてると言うのに、この際限のない解放感と欲望は僕をじわじわと熱くさせる。僕は仕方なく慶介の腕の中に潜り込むと、その肉厚な身体に手を回して言った。
「わかった。…ちょっと我慢する。」
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