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ツヴァイ編

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* * * * * *

「いやぁ~、見事に死体だらけだな。」

自宅前の、プレイヤーの死体の山を見ながらイクルが言う。

亜里亜アリア、悪いが。下に降りて、首都にでもゲートを出してやってくれ。」

「うん。」

イクルの言葉に、亜里亜は答えると。その場を離れていく。

「あ、私も行ってきます。」

けいが亜里亜の後を追うように駆け出す。


赤色マーダープレイヤーが撤退して、運営公認PKギルドも撤退した。


一般プレイヤーの幽霊が多く彷徨う中、ギルド:クリミナルのプレイヤーが到着する。


その数、およそ300人。


クリミナルの連中は、亜里亜と桂と共に幽霊となっているプレイヤーを首都に送るためのゲートを出している。


「CHUさん。お疲れ様でした。」

俺は改めて、CHUさんに言葉をかける。

「こっちこそ、楽しませてもらった。 有り難う。」

ニコリと微笑みながら、CHUさんが言う。

うん、イケンメンだな・・・普通の女性なら落ちてるな・・・。

「またな。 亜里亜と、もう1人の嬢ちゃんにも言っててくれ。」

「分かった。 伝えておくよ。」

俺は返事を返す。

ガイ、キョウ、ミリア、ルナ。

そして、蒼夜達に向かって軽くお辞儀をして、帰還リコールリングを使う。

転移エフェクトがCHUを包んで、CHUは自分のハウスに戻っていった。


 
「CHUさんは!?」

亜里亜にでも蘇生リザレクションして貰ったのだろう。

ティファが、いつの間にか屋上に上がってきていた。

「今、帰ったよ。」

「そっか・・・・。」

「惜しかったな。 と、伝えてくれってさ。」

「うん・・・・・・」


実は、ティファに対人の技術を教えたのはCHUさんだ。

どうして、バードのティファが、戦士に転向したのか。

また、CHUさんとの絡みも気に為る事だが。

本人が話したがらないのでイマイチ不明だ。


「まぁ、そうショボくれるな。

2~3ヶ月で、アイツらに並ぶだけでも大したもんだ。誇っても良いくらいだ。」

ガイが、さり気なくフォローを入れる。

「悔しいなぁ・・・」

泣きそうな表情を浮かべて、ティファが呟く。

「今度、相手をしてやる。 標準装備でな。」

ガイが俯くティファに近寄り、ティファの頭を軽く撫でる。

「うん・・・」

ガイは強い。

神々の鎧メイル・オブゴッデスを着ていなくても。

ガイの強さは、なんと言うか。 

直感がスゴイとでも言うのか。

なにせ、ノーマルのHQ武器防具で、ドレイク5匹に囲まれながらも最小のダメージで倒していたくらいだ。

しかも、ウェポンスキルを使わずに。

アレには閉口した。


もちろんゲームで在る以上は、システムを超える動きはできない。

たとえ現実では、武道の達人でも。

ゲームの中では、システムで決められた演算式プログラムからは逃れられない。

俺は武道の心得はないが、世間一般で言う所の【後の先】と言うのだろうか。

ガイは、それが遥かに一般人の【それ】を超えている。と、俺は思う。

因みに、CHUさん、ギリアム共に。

ガイとの1対1の決闘デュエルでは、ガイが勝ち越している。

勝率は6~7割で、ガイの勝ち越しらしい。

何度も言うが、システム的な動きの制限があるので、ガイが反応できても動きがついてきてない。

だからこその、この勝率だ。
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