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ツヴァイ編
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一方、自分のハウスの屋上で、戦場になっている自宅前を眺めるイクル達。
その横に、幽霊になったCHUが現れる。
亜里亜はCHUを見ると、蘇生を唱える。
光のエフェクトがCHUを包み込み。
幽霊ローブを纏ったCHUが立っている。
「お帰り。」
亜里亜がCHUを見ながら言うと。
「これで、お役御免だな。」
苦笑しながらCHUが言う。
「最後は誰に殺られた?」
イクルが聞くと。
「知らん。と、言うか。
あの状況で、誰に攻撃されたか分かる奴がいたら教えてくれ。
ログが物凄い速さで流れていくから、確認すらできんぞ。」
ハウス前を指差しながらCHUが言う。
蒼夜、カナタ、シャナ、沙耶、圭の5人は、ハウス前の惨状を見ながら。物凄い顔になっていた。
ハウス前の状況。
それは、まさに死屍累々と言う言葉がピッタリという程に、プレイヤー達の死体の山が築かれていた。
赤色(マーダー)プレイヤーも、白色(一般)プレイヤーも入り混じり、死体が幽霊が、ハウスの前を埋め尽くしている。
そして、CHUはイクル達が、座るテーブルの空いている席に座ると。
イクル、ガイ、亜里亜、キョウ、ミリア達に混じって、コーヒーを飲み出し始した。
「武器剥がし!!」
「破砕撃!」
ティファの片手剣を、武器で受け止める赤色(マーダー)プレイヤー。
お互いの騎乗する騎馬から攻撃をする2人。
「んったく。いい加減ひつこいぞ、ティファ。」
「うっさい!」
「おとなしく、バードしてれば良いものを・・・」
「誰のせいで、スキルを入れ替えたと思っているっ!」
「誰のせい?」
剣を打ち合いながらも、会話をするティファと赤色(マーダー)プレイヤー。
「お前のせいだろ!ギリアム!破砕撃!」
すごい形相で、ギリアムに斬りつけるティファ。
「受け流し。 おぉ~、怖い怖い。」
軽口を叩きながらも、ギリアムはティファの攻撃を盾で受け止める。
★受け流し★
*武器や盾で、攻撃を受け流すスキル。
ツヴァイ鯖での、トップギルドに一番近い。
ゾディアックの、ギルドマスターのティファ。
ツヴァイ鯖、PKギルドのトップに位置するギリアムの一騎打ち。
周囲のプレイヤーも、初めての対戦カードに。
知ってか知らずか、2人の戦いを邪魔しようとするプレイヤーを牽制攻撃している。
「武器剥がし!。」
「受け流し。」
ギリアムのスキルを、ティファが受け流す。
「破砕撃!」
「強斬撃!」
お互いの攻撃が牽制され合い。相手にダメージが通らない状況。
2人のステータスは、ほぼ同じ。
スキル構成も、互角に近い。
勝負を決めるのは。
ウェポンスキルの選び方と時の運。
ギリアムは、ティファから少しだけ距離を取ると、腰袋に手を当てて武器を持ち帰る。
持ち替えた武器はメイス。
ティファも、その隙に武器を持ち替えた。
持ち替えた武器はハルバード。
★ハルバード★
*ハルバードの形状には2種類ある。
*先端部分が槍状で、側面は斧状のハルバード。
*先端部分が槍状で、側面がハンマー状のハルバード。
ティファが持ち替えたハルバードは、側面がハンマー状のハルバードだった。
ティファ、ギリアム共に。着ている鎧は金属で出来た全身鎧。
斬撃よりも、鈍器の攻撃が有効なのだ。
「女の子が持つ武器じゃないだろソレ?」
「ふぅぅぅぅぅ。」
ティファは大きく息を吐きだして、頭に登った血を下げる。
「ゲームなんだから。何を持ってもOKでしょ。」
気分を落ち着かせたせいか。表情は怖いが、言葉使いは柔らかくなる。
「んじゃ、初対戦の決着と逝きますか。」
「お望み通り、逝かせてあげるわ。」
ギリアムが、ティファに近づく。
ティファは接近されないように、ギリアムに向けて攻撃する。
その攻撃を、盾で受け止めながらもティファに向かってメイスで攻撃。
ハルバードの柄で、メイスの攻撃を弾き。柄を引き滑らす様に短く持つと、ギリアムに向かってウェポンスキルを発動させた。
「加速突き!」
「受け流し!」
★アクセル★
*刺突系武器での最速攻撃。
*ハルバードの場合は最速攻撃+ノックバック+気絶の効果有り。
★ノックバック(よろめき)★
*相手の体制を崩して、少し後退させる状態。
パリィで防御したので、気絶は免れるもノックバック効果で、ギリアムが僅かに後退する。
スキル硬直が解けた瞬間。ティファの追い打ちがギリアムに襲い掛かる。
「フルスイング!」
「フルスイング!」
ほぼ、同じタイミングで技を発動する2人。
だが、同じスキルでも武器が違えば、スキル発動時間も、スキルモーションも違う。
ギリアムの乗る騎馬がティファに吸い込まれるように、一瞬で間合いを詰めてティファの身体に攻撃を当てていた。
「っ!」
身体に攻撃を受けて、ティファが騎馬から落ちる。
ティファのHPゲージが、一気に半分以上減る。
「クラッシュ!」
馬から落ちた、ティファ目掛けて。ギリアムは馬上から落ちる様に、ティファに止めのスキルを発動した。
ギリアムの振り降ろしたメイスが、ティファの身体に直撃してティファのHPゲージを0にした。
ティファに止めを刺した瞬間に、ギリアム目掛けて魔法が飛んできた。
スキル使用後の僅かな硬化時間のせいで、ギリアムは魔法を避ける事ができず、爆炎!の魔法の直撃を食いHPゲージを半分近く削った。
「っ!」
魔法が飛んできた方に視線をやると、1人の男性プレイヤーがギリアムに向けて新たに魔法を放とうとしていた。
ギリアムに向けて、魔法を撃とうとしたプレイヤーに矢の雨が降り注ぎ、矢に当たったプレイヤーの魔法の詠唱をキャセルさせる。
「クリミナルの連中が来る! ギリアム引き上げるぞ!」
1人の赤色(マーダー)プレイヤーが、ギリアムに駆け寄り伝える。
★ギルド:クリミナル★
*ツヴァイ鯖で最多数のPKKギルド。
*個人個人は大したことのないプレイヤーだが、とにかく人数が多い。
*おまけに、煩い、ウザイ、ひつこい、の三拍子が揃ってる【PKに対してだけだが】。
*でも何故か、一般プレイヤーには感謝されているギルド【謎だ】。
「分かった、皆に伝えてくれ。」
言われた赤色(マーダー)プレイヤーは、即座に行動に移り、連合チャットで撤退の意思を伝える。
すれ違いざまに、ギリアムに向けて魔法を撃っていたプレイヤーに攻撃するが、魔法を使い防がれてしまう。
近くに幽霊となって佇むティファに視線をやると。
「今日は俺の勝ちだな。ハルバードと鎧は貰ってくぞ。」
そう言って、ティファの死体からハルバードと鎧をルートして、ギリアムは馬に騎乗すると、まだ戦う仲間たちに声をかけながら戦場から離脱していった。
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