お師匠様は自由すぎる

星野 夜空

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お師匠様とそのご友人

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「あ、サルカさん。こんにちは」
「おう嬢ちゃんこんちは。ルキアの野郎はいるか?」
「はい、いますよ」

 そう言いつつ入ってきたのはお師匠様のご友人であるサルカさん。ルキアとはお師匠様のことです。
 彼が来たということは、お師匠様はまた何かやらかしたということでしょう。いつものことながら呆れてしまいます。

「ただ、気をつけてくださいね。今のお師匠様、ムシの居所があまり良くないので」
「あー、だろうな。察しはついてる」

 勝手知ったる何とやらで、お師匠様がいる自室兼研究室へと足を運ぶサルカさんを見つつ、頼まれた作業──というなの修行を再開しました。本日は調薬の練習成果を見せる日です。
 アンカ草の葉と茎を繊維に沿ってよく揉み、柔らかくします。その後すり鉢で念入りに細かくするように擦ります。生草なので汁気が出てきたら火にかけます。この時焦げないよう煮込むのがポイントです。
 汁の色が緑から半透明に変わったらルル草の雫を加えます。更に煮込んで透明になったら、いわゆるポーションの完成です。
 ひと舐めして苦味やエグみがないことを確認して漉し、瓶に詰めたらおしまいです。
 一時間という制限でしたが、我ながら上手くできたと思います。
 さて、先程から騒がしいお師匠様のもとへ行きましょうか。出来上がったポーションの評価もいただきたいところですが……まあ、持っていかない方が良さそうですね。
 ハーブティーを入れ香りに癒されながら向かいます。気分は憂鬱です。ええ、とても気が重いです。
「待て早まるな」「俺が悪いわけじゃないだろ!」「ふぎゃああ」と不吉な予感がします部屋へ今から向かわねばならないのですから。

「お師匠様、サルカさん。お茶をお持ちしましたが飲みますか?」
「ミリーか。丁度喉が渇いた頃だ、もらおう」

 開いていた入口から声をかければいつもなら返答のないお師匠様から言葉をもらいました。機嫌が上向きになったのですね、良かったです。
 左目の隅にプスプスと煙を立てるサルカさんへ内心頭を下げます。貴方の犠牲は忘れません。
 となれば、もう遠慮はいりませんね。単刀直入に聞くとしましょう。

「今回はどんなことをしでかしたんですか」
「なに、国から俺の研究内容を詳しく知りたいと言われてな。それ自体は良いがどうも気が乗らなくてなー、無視したらこいつがきた」
「ああ、なるほど」

 つまりはいつものことですね。とうとう犯罪を犯したかと思いました。
 それならば尚のことご愁傷様と言うべきでしょう。南無。
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