9 / 14
08.対峙する
しおりを挟む
兄との会話以来、リベリオンに対しての不信感は増すばかりだ。だから一度しっかりと話をしたい。そう思って私は話ができるようにリハビリを始めて、話がある程度できるようになった。
「シルビアはとても頑張っているね」
「おかげさまで、もう少しでちゃんとしゃべれるようにもどれそうよ」
「よかったよ、シルビア」
そう皮肉を込めて答える。リベリオンは嬉しそうにしているように見えたが一瞬歪んだ表情になったのを私は見落としはしなかった。
「ねぇ、リベリオン。私、貴方に聞きたいことがあるの」
「なんだい?」
「貴方はリリアが貴方を裏切ったといったけど、彼女は何をしたのかしら?」
まずは、何がリベリオンをあそこまで愛していた女性への執着を失せさせたのかが気になった。それについてリベリオンはあっさりと吐露してくれた。
「リリアはずっと僕に嘘をついていたんだ。僕に自分は「病弱」だと嘘をね」
その言葉に、リリアは確かに「病弱」と言われてはいたが、割と社交界にも参加していてそれが本当か私もいぶかしがっていたことを思い出した。
一応、診断症のある確か体の内部系の疾患だと聞いていたが、どうやらそれは捏造したもだったそうだ。
「でも、なぜそんなウソをついたのかしら?」
私が何気なく問うと、一瞬リベリオンの表情が無になるのがわかった。しかし次の瞬間には笑顔になる。
「さぁ、僕には全く心当たりがない」
間違いなく嘘だった。けれどそれを掘り返せるほど今の私には勇気はない。なぜなら、まだ歩けないので万が一の時に負けてしまうからだ。
「ところでリベリオン、もうひとつ質問があるの」
「いいよ、君のためならなんでも答えよう」
(大嘘つきね)
内心で苛立ちながらも、私はあの疑問を念のためぶつけることにした。
「私へプレゼントしてくれたオレンジのガーベラなんだけど、どうして私の好きな花をしっていたの?」
「それは、君のご両親から……」
「いいえ、私の両親はそれを知らないの」
追い打ちをかけるように返す。暗に両親に聞いたなどという嘘は通用しないと牽制した。しかし、
「すまない、嘘をついた。僕は君の好きな花ひとつ知らない自分に絶望して、ある人物からそれを聞いたんだ」
と当たり障りなく答えた。なら追撃しよう。
「その人物はどなたですの?」
「それは秘密だ。そのうち話そう」
そう答えたリベリオンだが、私はごまかせない。彼はそれを話す気がないことがすぐにわかってしまったのだ。
「シルビアはとても頑張っているね」
「おかげさまで、もう少しでちゃんとしゃべれるようにもどれそうよ」
「よかったよ、シルビア」
そう皮肉を込めて答える。リベリオンは嬉しそうにしているように見えたが一瞬歪んだ表情になったのを私は見落としはしなかった。
「ねぇ、リベリオン。私、貴方に聞きたいことがあるの」
「なんだい?」
「貴方はリリアが貴方を裏切ったといったけど、彼女は何をしたのかしら?」
まずは、何がリベリオンをあそこまで愛していた女性への執着を失せさせたのかが気になった。それについてリベリオンはあっさりと吐露してくれた。
「リリアはずっと僕に嘘をついていたんだ。僕に自分は「病弱」だと嘘をね」
その言葉に、リリアは確かに「病弱」と言われてはいたが、割と社交界にも参加していてそれが本当か私もいぶかしがっていたことを思い出した。
一応、診断症のある確か体の内部系の疾患だと聞いていたが、どうやらそれは捏造したもだったそうだ。
「でも、なぜそんなウソをついたのかしら?」
私が何気なく問うと、一瞬リベリオンの表情が無になるのがわかった。しかし次の瞬間には笑顔になる。
「さぁ、僕には全く心当たりがない」
間違いなく嘘だった。けれどそれを掘り返せるほど今の私には勇気はない。なぜなら、まだ歩けないので万が一の時に負けてしまうからだ。
「ところでリベリオン、もうひとつ質問があるの」
「いいよ、君のためならなんでも答えよう」
(大嘘つきね)
内心で苛立ちながらも、私はあの疑問を念のためぶつけることにした。
「私へプレゼントしてくれたオレンジのガーベラなんだけど、どうして私の好きな花をしっていたの?」
「それは、君のご両親から……」
「いいえ、私の両親はそれを知らないの」
追い打ちをかけるように返す。暗に両親に聞いたなどという嘘は通用しないと牽制した。しかし、
「すまない、嘘をついた。僕は君の好きな花ひとつ知らない自分に絶望して、ある人物からそれを聞いたんだ」
と当たり障りなく答えた。なら追撃しよう。
「その人物はどなたですの?」
「それは秘密だ。そのうち話そう」
そう答えたリベリオンだが、私はごまかせない。彼はそれを話す気がないことがすぐにわかってしまったのだ。
101
お気に入りに追加
601
あなたにおすすめの小説

恋心を封印したら、なぜか幼馴染みがヤンデレになりました?
夕立悠理
恋愛
ずっと、幼馴染みのマカリのことが好きだったヴィオラ。
けれど、マカリはちっとも振り向いてくれない。
このまま勝手に好きで居続けるのも迷惑だろうと、ヴィオラは育った町をでる。
なんとか、王都での仕事も見つけ、新しい生活は順風満帆──かと思いきや。
なんと、王都だけは死んでもいかないといっていたマカリが、ヴィオラを追ってきて……。

婚約者が他の女性に興味がある様なので旅に出たら彼が豹変しました
Karamimi
恋愛
9歳の時お互いの両親が仲良しという理由から、幼馴染で同じ年の侯爵令息、オスカーと婚約した伯爵令嬢のアメリア。容姿端麗、強くて優しいオスカーが大好きなアメリアは、この婚約を心から喜んだ。
順風満帆に見えた2人だったが、婚約から5年後、貴族学院に入学してから状況は少しずつ変化する。元々容姿端麗、騎士団でも一目置かれ勉学にも優れたオスカーを他の令嬢たちが放っておく訳もなく、毎日たくさんの令嬢に囲まれるオスカー。
特に最近は、侯爵令嬢のミアと一緒に居る事も多くなった。自分より身分が高く美しいミアと幸せそうに微笑むオスカーの姿を見たアメリアは、ある決意をする。
そんなアメリアに対し、オスカーは…
とても残念なヒーローと、行動派だが周りに流されやすいヒロインのお話です。

夫に相手にされない侯爵夫人ですが、記憶を失ったので人生やり直します。
MIRICO
恋愛
第二章【記憶を失った侯爵夫人ですが、夫と人生やり直します。】完結です。
記憶を失った私は侯爵夫人だった。しかし、旦那様とは不仲でほとんど話すこともなく、パーティに連れて行かれたのは結婚して数回ほど。それを聞いても何も思い出せないので、とりあえず記憶を失ったことは旦那様に内緒にしておいた。
旦那様は美形で凛とした顔の見目の良い方。けれどお城に泊まってばかりで、お屋敷にいてもほとんど顔を合わせない。いいんですよ、その間私は自由にできますから。
屋敷の生活は楽しく旦那様がいなくても何の問題もなかったけれど、ある日突然パーティに同伴することに。
旦那様が「わたし」をどう思っているのか、記憶を失った私にはどうでもいい。けれど、旦那様のお相手たちがやけに私に噛み付いてくる。
記憶がないのだから、私は旦那様のことはどうでもいいのよ?
それなのに、旦那様までもが私にかまってくる。旦那様は一体何がしたいのかしら…?
小説家になろう様に掲載済みです。

夫と親友が、私に隠れて抱き合っていました ~2人の幸せのため、黙って身を引こうと思います~
小倉みち
恋愛
元侯爵令嬢のティアナは、幼馴染のジェフリーの元へ嫁ぎ、穏やかな日々を過ごしていた。
激しい恋愛関係の末に結婚したというわけではなかったが、それでもお互いに思いやりを持っていた。
貴族にありがちで平凡な、だけど幸せな生活。
しかし、その幸せは約1年で終わりを告げることとなる。
ティアナとジェフリーがパーティに参加したある日のこと。
ジェフリーとはぐれてしまったティアナは、彼を探しに中庭へと向かう。
――そこで見たものは。
ジェフリーと自分の親友が、暗闇の中で抱き合っていた姿だった。
「……もう、この気持ちを抑えきれないわ」
「ティアナに悪いから」
「だけど、あなただってそうでしょう? 私、ずっと忘れられなかった」
そんな会話を聞いてしまったティアナは、頭が真っ白になった。
ショックだった。
ずっと信じてきた夫と親友の不貞。
しかし怒りより先に湧いてきたのは、彼らに幸せになってほしいという気持ち。
私さえいなければ。
私さえ身を引けば、私の大好きな2人はきっと幸せになれるはず。
ティアナは2人のため、黙って実家に帰ることにしたのだ。
だがお腹の中には既に、小さな命がいて――。

旦那様は私より幼馴染みを溺愛しています。
香取鞠里
恋愛
旦那様はいつも幼馴染みばかり優遇している。
疑いの目では見ていたが、違うと思い込んでいた。
そんな時、二人きりで激しく愛し合っているところを目にしてしまった!?

(本編完結)無表情の美形王子に婚約解消され、自由の身になりました! なのに、なんで、近づいてくるんですか?
水無月あん
恋愛
本編は完結してます。8/6より、番外編はじめました。よろしくお願いいたします。
私は、公爵令嬢のアリス。ピンク頭の女性を腕にぶら下げたルイス殿下に、婚約解消を告げられました。美形だけれど、無表情の婚約者が苦手だったので、婚約解消はありがたい! はれて自由の身になれて、うれしい! なのに、なぜ、近づいてくるんですか? 私に興味なかったですよね? 無表情すぎる、美形王子の本心は? こじらせ、ヤンデレ、執着っぽいものをつめた、ゆるゆるっとした設定です。お気軽に楽しんでいただければ、嬉しいです。

【完結】愛していないと王子が言った
miniko
恋愛
王子の婚約者であるリリアナは、大好きな彼が「リリアナの事など愛していない」と言っているのを、偶然立ち聞きしてしまう。
「こんな気持ちになるならば、恋など知りたくはなかったのに・・・」
ショックを受けたリリアナは、王子と距離を置こうとするのだが、なかなか上手くいかず・・・。
※合わない場合はそっ閉じお願いします。
※感想欄、ネタバレ有りの振り分けをしていないので、本編未読の方は自己責任で閲覧お願いします。

【完結】小さなマリーは僕の物
miniko
恋愛
マリーは小柄で胸元も寂しい自分の容姿にコンプレックスを抱いていた。
彼女の子供の頃からの婚約者は、容姿端麗、性格も良く、とても大事にしてくれる完璧な人。
しかし、周囲からの圧力もあり、自分は彼に不釣り合いだと感じて、婚約解消を目指す。
※マリー視点とアラン視点、同じ内容を交互に書く予定です。(最終話はマリー視点のみ)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる