最恐変態ヤンデレ竜王様は番の生贄ひよこ王子が可愛くって仕方ないので世界を滅ぼす約束をした

ひよこ麺

文字の大きさ
上 下
13 / 46

12:復讐のために約束するピヨちゃん

しおりを挟む
3日3晩後、僕はいよいよ復讐のためにベテルギウス王国へ行こうと考えていた。しかし、まず今目の前になる問題を片づける必要がある。

「ティラノたんひとりで、ベテルギウス王国へは行かせない。ピヨちゃんのように幼気な子を全裸で見世物にして、変態ぞろいの竜神だらけの国に繋がる、崖に突き落とすような野蛮な国に僕の最愛の番をひとりで行かせるなんて正気を疑う」

「その変態だらけの竜神のトップをひた走る貴方に言われるとすごく説得力がありますね。けれど、あの時、その変態に魂や色々売りさばいてもかまわないと思うくらいに、僕はあの国を憎んでいるのです」

真っすぐにヨグ様を見つめる。その黄金に輝く瞳から、なぜか一筋の涙が零れた。

「ティラノたん、そうだね。君はどれほど酷く苦しい目にあったのか、僕には分かる分かってしまう。竜神には番の全てが分かる特殊能力がある、だからティラノたんがどれほどあの国を王族を憎んでいるか、どれほど酷いことをされていたかがはっきりと伝わってくる。本当に本当によく耐えたね」

そう言って、僕をその胸の中に抱き込んだ。結構しっかりホールドされたので苦しいが、まともなことを言っているし、それにそんな風に言ってもらえたことは、今まで母が死んでからは一度もなかったので例え変態であっても振り払う気にはなれなかった。

「……苦しいです。でも分かったなら、僕が復讐をする理由もご理解いただけたかと」

「ああ。ただ、ひとりでは行かせないという考えは変わらない。ティラノたんでいられる時間は不安定だし、魔法を使えばもっと早く戻る可能性が高い。ティラノたんがまた傷つけられるなんてしたら僕は世界をそれこそ滅ぼしかねないだから、僕も同行する」

確かに、元の姿に戻ればはろくになにもできない事実、そして最悪ベテルギウス王国で捉えられてしまう可能性もあり危険であることは理解している。

だから変態といえど竜神である、ヨグ様が同行してくれるというのは合理的に考えればとてもありがたい。しかし、大きな問題、この変態が問題を起こさないでいてくれるかという部分がクリアされていない。

僕は一瞬で国を燃やしたいなんて考えていないし、もっというとあくまで僕に邪悪なことをした連中だけに復讐をしたい。生贄にされた時は世界ごと滅ぼしたいなんて思ったが冷静になればそれではあまり僕自身がそこまで良い気持ちになれない。

(なら、ここでしっかりと約束をしてから復讐をはじめよう)

「わかりました。ベテルギウス王国へ行く際はヨグ様も一緒で構いません。ただし、いくつか約束をして頂きたい」

「なんだい、ティラノたんとの約束か。それはとてもエッチな感じかな。そういうプレイもしてみたいから構わないよ。はぁはぁ。縛りがあるとより快感は増すからね」

何故か性的なことに結び付けている安定の変態を、冷めた目で見ながらもとりあえずスルーする。そうしないと話が永遠に進まない。

「まず、ヨグ様は僕が危ない目に合わない限りは基本的に手出しをしないでください。また手出しする場合も「国ごと滅ぼす」、「目の前の人間を一気に廃人にする」などの過剰な行動はしないでください。あくまで僕を助けるという部分だけでお願いします」

「ええっ。ティラノたんに危険があれば僕は、完全に燃やしてやるつもりだったのに駄目なの??後は涎を垂らしながらしか歌わない廃人にするつもりだったのにそれもだめなの??」

「駄目です。後、とか変な歌を歌わせようとしないでください、なんですかその歌は……」

「作詞作曲は全て僕の作った曲だね。ちなみに「天仰げ 空高く 今宵 番戻る」が歌い出しで……」

「やめてください。星辰せいしんが正しい位置に揃ったら現れる邪悪な神みたいに僕をしないでください。却下ですし、その歌を歌うことも正気を失いかねないので禁止です。話が逸れましたが基本的に手出しは不要ということです。まあ、もうひとつこの復讐が終わるまでは補給以外の性行為はしませんし、よくヨグ様が望む1年単位の行為もしません。何故なら僕はこの復讐を1年以内に果たさないといけないのです」

そう、僕はベテルギウス王国、いや父王、正妃、そして僕を嵌めた連中への裁きをどうしても1年以内で行う必要があった。それを過ぎてしまえば、での復讐が不可能になってしまうのだから。

「何故、1年以内で復讐を完遂させたいのだい??よく考えたら僕と1年籠ってエッチなことフルコースしてからの方がティラノたんからピヨちゃんに戻るリスクも減るし良いと思うんだけれど。あ、僕的にもやりたいプレイを色々試せて随時ティラノたんの良いにおいや綺麗な足を撫でたり舐めたりできるし、最高だからとかそんなことしか考えてないけれど……」


「それは……」
しおりを挟む
感想 48

あなたにおすすめの小説

龍王の番〜双子の運命の分かれ道・人生が狂った者たちの結末〜

クラゲ散歩
ファンタジー
ある小さな村に、双子の女の子が生まれた。 生まれて間もない時に、いきなり家に誰かが入ってきた。高貴なオーラを身にまとった、龍国の王ザナが側近二人を連れ現れた。 母親の横で、お湯に入りスヤスヤと眠っている子に「この娘は、私の○○の番だ。名をアリサと名付けよ。 そして18歳になったら、私の妻として迎えよう。それまでは、不自由のないようにこちらで準備をする。」と言い残し去って行った。 それから〜18年後 約束通り。贈られてきた豪華な花嫁衣装に身を包み。 アリサと両親は、龍の背中に乗りこみ。 いざ〜龍国へ出発した。 あれれ?アリサと両親だけだと数が合わないよね?? 確か双子だったよね? もう一人の女の子は〜どうしたのよ〜! 物語に登場する人物達の視点です。

急に運命の番と言われても。夜会で永遠の愛を誓われ駆け落ちし、数年後ぽい捨てされた母を持つ平民娘は、氷の騎士の甘い求婚を冷たく拒む。

石河 翠
恋愛
ルビーの花屋に、隣国の氷の騎士ディランが現れた。 雪豹の獣人である彼は番の匂いを追いかけていたらしい。ところが花屋に着いたとたんに、手がかりを失ってしまったというのだ。 一時的に鼻が詰まった人間並みの嗅覚になったディランだが、番が見つかるまでは帰らないと言い張る始末。ルビーは彼の世話をする羽目に。 ルビーと喧嘩をしつつ、人間についての理解を深めていくディラン。 その後嗅覚を取り戻したディランは番の正体に歓喜し、公衆の面前で結婚を申し込むが冷たく拒まれる。ルビーが求婚を断ったのには理由があって……。 愛されることが怖い臆病なヒロインと、彼女のためならすべてを捨てる一途でだだ甘なヒーローの恋物語。 この作品は、他サイトにも投稿しております。 扉絵は写真ACより、チョコラテさまの作品(ID25481643)をお借りしています。

じゃない方の私が何故かヤンデレ騎士団長に囚われたのですが

カレイ
恋愛
 天使な妹。それに纏わりつく金魚のフンがこの私。  両親も妹にしか関心がなく兄からも無視される毎日だけれど、私は別に自分を慕ってくれる妹がいればそれで良かった。  でもある時、私に嫉妬する兄や婚約者に嵌められて、婚約破棄された上、実家を追い出されてしまう。しかしそのことを聞きつけた騎士団長が何故か私の前に現れた。 「ずっと好きでした、もう我慢しません!あぁ、貴方の匂いだけで私は……」  そうして、何故か最強騎士団長に囚われました。

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

堕とされた悪役令息

SEKISUI
BL
 転生したら恋い焦がれたあの人がいるゲームの世界だった  王子ルートのシナリオを成立させてあの人を確実手に入れる  それまであの人との関係を楽しむ主人公  

愛する殿下の為に身を引いたのに…なぜかヤンデレ化した殿下に囚われてしまいました

Karamimi
恋愛
公爵令嬢のレティシアは、愛する婚約者で王太子のリアムとの結婚を約1年後に控え、毎日幸せな生活を送っていた。 そんな幸せ絶頂の中、両親が馬車の事故で命を落としてしまう。大好きな両親を失い、悲しみに暮れるレティシアを心配したリアムによって、王宮で生活する事になる。 相変わらず自分を大切にしてくれるリアムによって、少しずつ元気を取り戻していくレティシア。そんな中、たまたま王宮で貴族たちが話をしているのを聞いてしまう。その内容と言うのが、そもそもリアムはレティシアの父からの結婚の申し出を断る事が出来ず、仕方なくレティシアと婚約したという事。 トンプソン公爵がいなくなった今、本来婚約する予定だったガルシア侯爵家の、ミランダとの婚約を考えていると言う事。でも心優しいリアムは、その事をレティシアに言い出せずに悩んでいると言う、レティシアにとって衝撃的な内容だった。 あまりのショックに、フラフラと歩くレティシアの目に飛び込んできたのは、楽しそうにお茶をする、リアムとミランダの姿だった。ミランダの髪を優しく撫でるリアムを見た瞬間、先ほど貴族が話していた事が本当だったと理解する。 ずっと自分を支えてくれたリアム。大好きなリアムの為、身を引く事を決意。それと同時に、国を出る準備を始めるレティシア。 そして1ヶ月後、大好きなリアムの為、自ら王宮を後にしたレティシアだったが… 追記:ヒーローが物凄く気持ち悪いです。 今更ですが、閲覧の際はご注意ください。

ヤンデレ化していた幼稚園ぶりの友人に食べられました

ミルク珈琲
BL
幼稚園の頃ずっと後ろを着いてきて、泣き虫だった男の子がいた。 「優ちゃんは絶対に僕のものにする♡」 ストーリーを分かりやすくするために少しだけ変更させて頂きましたm(_ _)m ・洸sideも投稿させて頂く予定です

番が見つけられなかったので諦めて婚約したら、番を見つけてしまった。←今ここ。

三谷朱花
恋愛
息が止まる。 フィオーレがその表現を理解したのは、今日が初めてだった。

処理中です...