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13:唯一の家族を貶められて怒れるピヨちゃん
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「僕には腹違いの弟、ベテルギウス王国を継ぐ王太子の第2王子がいるのですが、僕は弟は憎んでいません。その弟が国を継ぐのが来年、成人後の予定なのです。弟が国を引き継いでから復讐すると弟にも被害が及ぶのでそれは阻止したいのです」
その言葉にヨグ様が笑顔のまま首を傾げている。その間何故か僕の背筋がゾクリとして鳥肌が止まらない。しばらくその状況が続いたのち、ヨグ様が笑顔のまま口を開いた。
「よし、やはりあの国は燃やしてこの世界から消そうか」
「何故そうなるんです。僕は弟は……」
「さっき話したけど番の感覚は僕にも伝わるんだけれど、ティラノたん、弟のこと可愛いって思っていたね」
その問いに僕は頷いた。弟は確かに憎い父と正妃の子だ。けれどあの子だけは僕を家族として扱っていたし、兄として慕ってもくれていた。
弟の名前は、レイン・ポルックス・ベテルギウスといって黒髪に青いサファイアのような瞳をした僕と違って背の高いイケメンだ。とても優秀だけれど笑わないので氷の王太子殿下などと呼ばれていた。けれど弟だからか僕の前ではよく笑顔になっていた。
王宮の中で居場所のない僕をいつも気遣ってくれて、一番覚えているエピソードは、母を失い、部屋も質素なものにされて、城の中で居場所のなかった僕に、
「兄上、俺の部屋で一緒に暮らしましょう。そうすれば俺の兄上を傷つけるものから守ってあげられる」
流石に、申し訳ないと断る僕にさらに続けて、
「いいんです。俺達はたったふたりの兄弟です。兄上が父上や母上に虐げられるのを俺は見ていられない。どうして同じ家族なのにそんな酷いことができるのか。どうしてこんなに可愛いらしい、もとい素敵な兄上に酷いことができるのか分からないのです。俺は兄上となるべく側に居たい。なんなら死ぬのも一緒が良いと考えるくらいお慕いしています」
といってくれて、その後、弟が王になる勉強のために隣国へ留学へ行くまでずっと弟の部屋に一緒にいた。
何故か妙に弟は僕に服を着せたがったり、食事を食べさせたがったり、一緒に湯あみをしたいとか湯あみをすると体や髪を洗いたがったりしたり、一緒のベッドでふたりで寝たいと甘えたりしていた。
王になるべく厳しくしつけられて甘えられなかったりして辛かったのだと思って、それらを受け止めていたし、僕も弟のおかげでちゃんとした生活を送れていたので感謝していた。
たまに寝言で、
「兄上。くんかくんか、いい匂いがする。赤ちゃんみたいな甘いミルクの……ああ、小さくって可愛いな、ショタお兄ちゃんとか最高すぎる。萌えの極致だよな。腕も手もちっこくて可愛いよ、全部丸ごと食べちゃいたいなむしろ全身舐めまわしたいな美味しそう」
とか意味の分からないことをたまに言っていたけれど、変な夢を見ることは僕にもあるので仕方ない。
弟はとてもできた子で、よく自身から進んで孤児院に慰問にいってもいた。小さい子供たちと触れ合うのが好きでよく遊んであげたり文字の読み書きを教えてあげたりもしていた。
それについて、素晴らしいねと褒めた時にも笑顔で、
「俺は子供が、兄上の影響で好きなのです。こんなに小さくって守ってあげないといけない存在をないがしろにするなんて許せません」
と別に僕は特別子供好きではないけれど、なぜか子供好きという認識をされていた。そして尊敬してくれているのかその影響で子供たちにも優しくしている弟を僕は少し誇らしくも思っていた。
そんな気持ちを想像しながら、ヨグ様を見たらさっきより笑顔が怖くなっている。
「ねぇ、その弟も含めて殺そうよ。ティラノたん、その弟は君が思うような子じゃ僕はないと思うよ」
「……僕の唯一の家族への侮辱はヨグ様でも許しません」
「あのね、ティラノたんは家族からの愛をあまり知らないから、愛してくれる相手に対してつい無防備になるんだと思うけど君の弟は間違いなく僕と同類のにおいがする。いや、僕は君が番だから好きなんであって決してペドフェリアとかショタコンではないだけマシかもしれない」
「ふざけないでください!!弟はヨグ様と違ってキングオブ変態クソ野郎ではありません。世界が始まった日からずっと変態の貴方とできた弟であるレインを比べるなんて許しません!!」
そう言って睨むと、ヨグ様が少し不貞腐れたような表情になる。
「僕は変態ってわかるのに、なんで弟については分からないの??そんな弟のために1年巣籠エッチを禁止にされるの無理。ねぇ、今から1年籠ってしよう。沢山沢山愛して弟のこととか全部どうでもよくさせてあげるから、ねっ??」
「そうなると僕の望みが叶わないので、契約不履行で僕は貴方との離婚も辞しません」
その言葉に変態は咽び泣いた。今日はものすごく感情が忙しいみたいだ。
「いやだいやだ、ティラノたんと離婚なんかしない。未来永劫ティラノたんは僕の奧さんだからね」
「じゃあ、契約は守ってください。絶対に」
その言葉にヨグ様が笑顔のまま首を傾げている。その間何故か僕の背筋がゾクリとして鳥肌が止まらない。しばらくその状況が続いたのち、ヨグ様が笑顔のまま口を開いた。
「よし、やはりあの国は燃やしてこの世界から消そうか」
「何故そうなるんです。僕は弟は……」
「さっき話したけど番の感覚は僕にも伝わるんだけれど、ティラノたん、弟のこと可愛いって思っていたね」
その問いに僕は頷いた。弟は確かに憎い父と正妃の子だ。けれどあの子だけは僕を家族として扱っていたし、兄として慕ってもくれていた。
弟の名前は、レイン・ポルックス・ベテルギウスといって黒髪に青いサファイアのような瞳をした僕と違って背の高いイケメンだ。とても優秀だけれど笑わないので氷の王太子殿下などと呼ばれていた。けれど弟だからか僕の前ではよく笑顔になっていた。
王宮の中で居場所のない僕をいつも気遣ってくれて、一番覚えているエピソードは、母を失い、部屋も質素なものにされて、城の中で居場所のなかった僕に、
「兄上、俺の部屋で一緒に暮らしましょう。そうすれば俺の兄上を傷つけるものから守ってあげられる」
流石に、申し訳ないと断る僕にさらに続けて、
「いいんです。俺達はたったふたりの兄弟です。兄上が父上や母上に虐げられるのを俺は見ていられない。どうして同じ家族なのにそんな酷いことができるのか。どうしてこんなに可愛いらしい、もとい素敵な兄上に酷いことができるのか分からないのです。俺は兄上となるべく側に居たい。なんなら死ぬのも一緒が良いと考えるくらいお慕いしています」
といってくれて、その後、弟が王になる勉強のために隣国へ留学へ行くまでずっと弟の部屋に一緒にいた。
何故か妙に弟は僕に服を着せたがったり、食事を食べさせたがったり、一緒に湯あみをしたいとか湯あみをすると体や髪を洗いたがったりしたり、一緒のベッドでふたりで寝たいと甘えたりしていた。
王になるべく厳しくしつけられて甘えられなかったりして辛かったのだと思って、それらを受け止めていたし、僕も弟のおかげでちゃんとした生活を送れていたので感謝していた。
たまに寝言で、
「兄上。くんかくんか、いい匂いがする。赤ちゃんみたいな甘いミルクの……ああ、小さくって可愛いな、ショタお兄ちゃんとか最高すぎる。萌えの極致だよな。腕も手もちっこくて可愛いよ、全部丸ごと食べちゃいたいなむしろ全身舐めまわしたいな美味しそう」
とか意味の分からないことをたまに言っていたけれど、変な夢を見ることは僕にもあるので仕方ない。
弟はとてもできた子で、よく自身から進んで孤児院に慰問にいってもいた。小さい子供たちと触れ合うのが好きでよく遊んであげたり文字の読み書きを教えてあげたりもしていた。
それについて、素晴らしいねと褒めた時にも笑顔で、
「俺は子供が、兄上の影響で好きなのです。こんなに小さくって守ってあげないといけない存在をないがしろにするなんて許せません」
と別に僕は特別子供好きではないけれど、なぜか子供好きという認識をされていた。そして尊敬してくれているのかその影響で子供たちにも優しくしている弟を僕は少し誇らしくも思っていた。
そんな気持ちを想像しながら、ヨグ様を見たらさっきより笑顔が怖くなっている。
「ねぇ、その弟も含めて殺そうよ。ティラノたん、その弟は君が思うような子じゃ僕はないと思うよ」
「……僕の唯一の家族への侮辱はヨグ様でも許しません」
「あのね、ティラノたんは家族からの愛をあまり知らないから、愛してくれる相手に対してつい無防備になるんだと思うけど君の弟は間違いなく僕と同類のにおいがする。いや、僕は君が番だから好きなんであって決してペドフェリアとかショタコンではないだけマシかもしれない」
「ふざけないでください!!弟はヨグ様と違ってキングオブ変態クソ野郎ではありません。世界が始まった日からずっと変態の貴方とできた弟であるレインを比べるなんて許しません!!」
そう言って睨むと、ヨグ様が少し不貞腐れたような表情になる。
「僕は変態ってわかるのに、なんで弟については分からないの??そんな弟のために1年巣籠エッチを禁止にされるの無理。ねぇ、今から1年籠ってしよう。沢山沢山愛して弟のこととか全部どうでもよくさせてあげるから、ねっ??」
「そうなると僕の望みが叶わないので、契約不履行で僕は貴方との離婚も辞しません」
その言葉に変態は咽び泣いた。今日はものすごく感情が忙しいみたいだ。
「いやだいやだ、ティラノたんと離婚なんかしない。未来永劫ティラノたんは僕の奧さんだからね」
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