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真相・その2【第3者目線】

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しかし短慮なマークは、ここで自分の立場を強化する為に金をばら蒔き始めた。
もちろん金は無限ではない。金の切れ目は縁の切れ目。
そこでマークはウガロ伯爵を取り込み、違法薬物の製造と販売に手を染めていく。

人とは流される生き物だ。
辛い気持ちを忘れさせてくれる薬や、快楽を増強する薬は多くの貴族を中心に、秘密裏にそして確実に売れ行きを伸ばしていった。

デルタ王国とアスガルド王国とは今でこそ友好国となってはいるが、長い歴史の中では何度も戦争を起こしていた。

先々代のデルタ国王と、アスガルド国王によって友好条約は結ばれたものの、異を唱える貴族は一定数残っていた。


デルタ王国に対して悪感情を持つ貴族。マークは次にこれを取り込む事にした。
金の力で次々と自分の配下においた。
自分の側につけば甘い汁が吸えるのだと。そして裏切る者には容赦なく、その残虐性をもって粛清していった。金と恐怖。そして麻薬を持って、マークは力をつけていく。

マークはデルタ王国の第1王子フィリップが大嫌いだった。
自分にないものを全て持つフィリップはマークの嫉妬心を掻き立てるのに十分な相手だった。

マークが20歳になる頃、テイラー侯爵と出会い、関係を深めていく。
最初は薬物の密輸だけであったが、そのうちマークはデルタ王国の武器の製造技術を欲しがった。

それは重要事項で機密性の高いものだ。簡単には手に入らない。なので手っ取り早く武器の密輸を始めた。

しかし、マークはどんどんと欲を見せはじめる。
武器の製造技術だけでなく、建築技術や、農産物の肥料開発の技術などあらゆる事を知りたがった。
こうなると王宮へ密偵を送るしかない。
しかし、王宮はおいそれと潜入出来る場所ではなかった。

テイラー侯爵は最初、娘のエミリー妃にその仕事をさせようとしたが、エミリー妃はデルタ国王を愛していた為、国を裏切る事を期待する事は難しかった。
そこで、まだ婚約者の決まっていない、ローガンに狙いを定めた。ローガンの婚約者に自分の派閥の者を宛がおうとしたが、国王の反対にあう。

それならばと、マークは自分の姉にあたるララベルをデルタ王国へ輿入れさせる策を思い付いた。
その計画はまんまと上手くいき、ララベルはローガンの婚約者に収まることが出来たのだ。
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