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リエゾン⑷
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「はい、あがり~」
「あー、今回は勝てると思ったのにー」
談話室の一角で吉志の勝利の笑みを横目に、湖城は手に残った不適に笑う絵柄のトランプを忌々しげに見て、机の上に放る。
「湖城さん、トランプ弱いんですね」
そんな様子をみてクスクス笑いながら、1番にあがった颯がつぶやく。
「湖城は顔にすぐ出るもんな」
「颯くんも、吉志先生も騙すの上手すぎ。俺は素直なんだよー」
ややむくれた声を出すと、2人からさらに笑われる。ここ2、3日昼食後、3人で散歩に出かけたり、こうやってゲームしたりしていた。初め颯は乗り気ではなかったが、吉志と2人で半ば強制的に連れ出していた。側から見ると遊んでいうようにしか見えないけど、吉志に言わせるとこれも治療の一環らしい。初めは、はしゃいで楽しんでいる吉志の様子からは、全く治療している感じはしなかったけど、こうして颯の笑う顔を見ると颯のメンタル面をほぐす治療だったんだなと改めて思う。
「じゃあ、湖城の負けが確定したところで今日はここまでにしようかな」
「んー」と伸びをして吉志は立ち上がる。
「じゃあ、明日はちょっと医者っぽく、診察でもしようかな」
「え?」
「何するんですか?」
「ちょっと、お話」
そこでグッと颯の表情が固まるのが見える。
「まあ、そんなに構えなくてもいいよ。別に説教しようとかじゃないんだし。これからのこととか確認しておこうと思ってね」
病室のベットに颯を移す。先ほど垣間見られた笑顔は消えて、またぼーっとしている空を見ている。「また、何かあったら呼んでね」そう声をかけるとかろうじて、視線を向けて頷く。3人で遊んでいる時は、表情が柔らかくなったが、まだ、以前のような雑談を交わすほどではなかった。
「あー、今回は勝てると思ったのにー」
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「湖城さん、トランプ弱いんですね」
そんな様子をみてクスクス笑いながら、1番にあがった颯がつぶやく。
「湖城は顔にすぐ出るもんな」
「颯くんも、吉志先生も騙すの上手すぎ。俺は素直なんだよー」
ややむくれた声を出すと、2人からさらに笑われる。ここ2、3日昼食後、3人で散歩に出かけたり、こうやってゲームしたりしていた。初め颯は乗り気ではなかったが、吉志と2人で半ば強制的に連れ出していた。側から見ると遊んでいうようにしか見えないけど、吉志に言わせるとこれも治療の一環らしい。初めは、はしゃいで楽しんでいる吉志の様子からは、全く治療している感じはしなかったけど、こうして颯の笑う顔を見ると颯のメンタル面をほぐす治療だったんだなと改めて思う。
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「え?」
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「まあ、そんなに構えなくてもいいよ。別に説教しようとかじゃないんだし。これからのこととか確認しておこうと思ってね」
病室のベットに颯を移す。先ほど垣間見られた笑顔は消えて、またぼーっとしている空を見ている。「また、何かあったら呼んでね」そう声をかけるとかろうじて、視線を向けて頷く。3人で遊んでいる時は、表情が柔らかくなったが、まだ、以前のような雑談を交わすほどではなかった。
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