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時には残酷に⑴

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「シガン、こちらへおいで。」

ご当主に呼ばれたシガン様は招待客の波にのまれる。俺も一応護衛のため背後にスタンバイしてはいるけど、見てるだけ。

「この度はお誕生日おめでとうございます。モブ―リア伯爵家が長女モブ―リア=モブリンと申します。以後お見知りおきを。」

今シガンたんの目の前を陣取っている令嬢みたいにシガンたんに取り入ろうとする令嬢をただ見てるだけ。(大事なことなので二回言う)

こんな感じで令嬢を紹介したい親や自分を売り込みたい令嬢が、シガンたんやご当主の元を訪れて動物園のパンダ状態。

どこぞの令嬢がシガンたんに触れようとした時点で俺が盾となり、令嬢の手をはたき落とす準備が出来ているが…さすが貴族と言うべきか、そこまで無礼な人は今のところいそうにない。(フラグ)

「シガン様、是非我が領地へ一度来てくださいな。おもてなしさせて頂きますわ。」

まだいたのかモブ令嬢。さっきからシガンたんの前を陣取って離れない。徐々に距離が近づいているし、要注意人物だ。

「ねぇシガン様…私」

「そこまでです。それ以上シガン様に近づくのはお止めください。」

シガンたんとゼロ距離に近づいたモブ令嬢とシガンたんの間に入り、牽制する。俺が許すのは攻め要員までだ!(前も聞いた)

「なっ!なんですの!私とシガン様が折角いい雰囲気でしたのに!」

「ベル、見てたから分かると思うけど全然そんな腑に気じゃなかったからね?これだけはいつもの鈍感発動しないでね?」

ノリノリな令嬢とは違って切実に訴えかけてくるシガンたん。






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