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ときめきはどこかに置いて来たみたい

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「ッ!おい!何をしている!!」

「ッ!?」

驚いた女の子の手から放たれた魔力は私めがけて飛んでくる。

余計にややこしくなったであろう状況に、密かに心の中で涙を流す。
ザレス先生…とほほ…

とりあえず身体に防御の魔法を展開する。

すると飛んでくる魔法を目の前に人影が現れた。

「え、」

バチッ

私と魔法の間に入った人は同威力の魔法をぶつけて相殺させた。女の子が放った魔法は物凄い音と共に、火花として散っていく。

そして私の目の前に立っている人を見上げる。その後ろ姿は肩幅が広く、逞しい。よく均等の取れている所謂逆三角形…そう、アル先輩を。

「大丈夫か?」

いや、なんでいる?

ハッ、ここはトキメクところか!

「だ、大丈夫、です…ありがとうございます。」

こちらを振り向き、手を差し伸べてくれる。厳つい見た目で結構優しいよね、先輩。…ハッこれはギャップ萌え狙いなのか?

「お前が無事でよかった。は、初めての友達だからな。」

耳を赤くしながらそう言うアル先輩。友達っていうワードに照れてるみたい。え、可愛いかよー!

「エリアール!!後で職員室へ来い!」

ん?エリアール??

「エリアール!?」

いきなり大声を出した私に視線が集まる。

「フンッ、やっと思い出したのね。私の場所を奪ったナオちゃん?あなたのせいで私は騎士団内が出禁になったのよ!!それに学園入学前のパーティーでは私に恥をかかせて…どうしてくれるのよ!!」

めっちゃ興奮してるエリちゃん。そう、あのエリちゃん。9歳にして強烈な言葉遣いだった、あの子だ。確かにあの一件でエリちゃんは騎士団内に入ることを禁止されていた。あれ?そう言えば、あの学園入学前でのパーティーでの三人組の一人がそう言えば茶髪だったような…

「あぁエリちゃん、久しぶりだねぇ。」

とりあえず、挨拶をしておく。だって…ねぇ?何言っていいか分かんないし、攻撃魔法を打とうとするぐらい憎まれてたんだから距離感が掴めない。

「知り合いか?」

困惑した様子で問うてくるアル先輩に。

「多分?」

「んで疑問形なんだよ。」

私もよく分からん。エリちゃんと私の関係は思いのほか複雑なんだよ、先輩。

「話しかけないでくださる?」

いやん怖い。




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