【完結】腐女子の私が美少年⁉

お姫様抱っこ…ご馳走様です

「そう言えば、アル先輩はどうしてここに？」

「ナオの危険を感じてな。」

あ、さいですか。

「どこもケガをしてないか？」

「はい、先輩が相殺してくださったおかげで…」

「ナオ！大丈夫かい？」
「ナオ、大丈夫ですか？」

私の言葉を遮って、私と先輩の間にジルとバルが割って入る。

「おいおい、俺とナオが話してんだ。後にしてくれ。」

「それよりナオの安全確認が先だよ。」

厳つい先輩に対して堂々と言い放ったジルは正直カッコいい。

「二人とも先輩が守ってくれたから大丈夫だよ。心配してくれてありがとう。」

一応心配してくれたみたいだし、大丈夫だと言う意味も含めてニコッと笑っておく。

「ッ！それなら良かったよ。」
「ッ！！」

「俺には笑いかけてくれないのか…？」

アル先輩がショボン(´・ω・`)とした表情でやや上目遣いに見上げて来る。

「ゔぅっ…あ、ありがとうございます。先輩！」

「あぁ！」

きゅんです。発作が起きたが気にしない。なんとか先輩に笑顔を向けると、パァァァァッと表情を綻ばせて返してくれる先輩。大型犬かな？

「ナオ！無事だったか。」

授業は終わっておりザレス先生がこちらへ駆けてくる。

「はい！先輩のお陰で何とか！」

「トルシエか…本当は授業中に他の学年へ乱入するのはいただけないことだが、今回ばかりはお咎めなしだ。ナオはとりあえず医務室へ行こうか。ケガはないとは言え、一応見て貰った方が良いだろう。」

「分かりました。」

先生の言うことに素直に頷いて医務室を目指す。

「俺が連れて行く。」

「あっおい！待て！」

先生達の静止を振り切って、私を軽々と担いで歩みを進める先輩。もちろんお姫様抱っこで。

「あ、あの～先輩？僕、ケガしてないし自分で歩けます…よ？」

「俺がこうしたいだけだ。」

立派な上腕二頭筋ですねぇ。
安定感のあるお姫様抱っこに思わず先輩の筋肉に釘づけになる。


ふむ、これは中々…


「騒がねぇんだな。」

「えっ？」

「男なのにお姫様抱っこなんて！とか。」

まぁ思うところはあるけど、今の私って美少年だし、お姫様抱っこされても似合うだけだと思う。それに抱っこされ慣れてると言うか…

「んん～折角の良心は受け取っておこうと思って！」

「ふっ、そうか。」

嬉しそうにそう言って、ギュっと先輩の胸元に引き寄せられる。魅惑的な胸筋が私の目の前に…あぁご馳走様です…