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忍び寄る…
しおりを挟むしばらく休憩して完全復活した私はまたクラスメイトの魔力循環の手伝いを始めていた。
「手先から温かい感じする?」
もう何度目かのこの質問。ずっと流れ作業をしている感じ。
「これで最後だな。ナオ!ありがとうな。みんなはこの感覚を忘れないよう、今から自分で魔力を体の中で回してみてくれ。ほら、周りの人と距離を取って。」
私はさっきまで頑張ってたから今は木陰で休憩中。まぁ、さっきまでも休憩してたんだけど、テヘペロッ☆
こういう時って絶対誰かやらかすと思うのは私だけかな。この前のなんくるないさー君みたいな人が調子乗ってやらかしそう…
私は巻き込まれたくないし、ソッと距離を取って観察しておく。数年訓練しいるとなんとなく魔力の循環が見える気がするんだよね。
みんな大人しく先生の言う通りに何とか魔力を循環させているみたい。最初からここまでできるって、さすがSクラスと言うことかな?
すると一人、変な循環をしている女の子を見つける。
「??」
何をしてるんだろう?魔力を循環させるのではなく右手に集めて…攻撃しようとしている?
その子の右手の先にいる人を探すと……
「ん?…僕?」
いやいやいやいや、私に向かってない?え、誰ですか?
なんか恨みかったかな。
茶髪に茶色の瞳のそこまで珍しくない容姿をしている女の子。見たことがあるようなないような…その茶色の瞳は憎悪に満ちている。親の仇かと思うほどには…
記憶を探るが、何にも思い出せない。私の記憶力大丈夫かな。まだこの身体は12歳だよ。
呑気に考えている間にも女の子の手に集まる魔力は大きくなっていく。ただ、また粗削りでイメージも粗末なのかブレブレで標準が定まっていない感じがする。それはそれで危ないと思うなんだけど…私を狙おうとして違う人のところに向かう可能性もある訳で…
どうしよう、めんどくさい。放っておこう。
チラチラ様子を見つつ、気にしない素振りをする。
それにしても誰だろう…あの子…
「ッ!おい!何をしている!!」
物思いに耽っていると、いきなりザレス先生の怒号が飛ぶ。それは攻撃魔法を打とうとしていた女の子に向けて飛ばされたもので…
「ッ!?」
先生の声に驚いたのか、バレたことに驚いたのかは分からないけど、手に集まっていた魔力が放たれる。
そう、私めがけて…
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