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第19章
トシオの学校は決勝に進めるのか?
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準決勝まで危なげなく勝ち上がってきたAシード校を相手にトシオの学校が立てた作戦は相手投手に球数を投げさせることだった。
県内№1の好投手を擁するチームでトシオの学校も練習試合では全く歯が立たなかったので、接戦に持ち込むしか勝ち目がないと思った。トシオのチームには速球派と多彩な変化球を操る技巧派がいたが、相手チームを分析した結果技巧派の投手を先発させた。
1回の表作戦がピッタリあたり、相手打線をまずは0点に抑えることができた。1回の裏トシオの学校も0点ではあったが、予定通りファールでひたすら粘るなど各打者が球数を投げさせることができた。
序盤3回までトシオの学校もピンチがあったものの0に抑え、両チームスコアボードに0が並んだ。トシオの学校はノーヒットではあったが、相手投手に50球以上投げさせたので、ほぼ計画通りの進行だった。
4回の表、相手打線が長打と送りバントで1アウト3塁とチャンスを迎え、きっちり犠牲フライで先制点を挙げた。4回裏、トシオの学校は粘った末、四球で出塁したランナーを1塁においてトシオに2回目の打席が回ってきた。ヒデキはトシオの打席を祈るように視線を送っていた。
トシオは相手投手のストレートを大振りせず、センターにはじき返そうと思っていたが、トシオに対しては変化球が多く狙い球を絞ることができなかった。しかし、変化球をファールでカットして球数を投げさせるとともにひたすら粘った。しかし、9球目のストライクからボールに落ちる絶妙の変化球を振ってしまい、トシオは三振を喫し以前、トシオのチームはノーヒットだった。
5回を終了し、1対0で相手チームがリードをしていたが、相手投手の球数はすでに90球を超えていた。トシオの学校はまだ四球が1つでノーヒットではあったもののほぼ作戦通りの試合展開だったので、負けてはいたがまずまずの内容だと思っていた。
6回の表、相手チームはヒットと送りバントで1アウトランナー2塁とチャンスをつくり、さらに追加点を入れて2対0とリードを広げた。
7回の裏、すでに相手投手は110球に達し若干、球がうわずり始め、2つ目の四球を出した直後、トシオに打席が回ってきた。トシオは変化球に狙いを定めた。相手投手の高めに浮いた変化球をトシオは見逃さなかった。トシオが打った打球は右中間を破るタイムリーツーベースとなり、2対1と1点差に迫った。
初ヒットが長打となり、チームも大喜びだった。そこで相手チームも2番手投手を起用してきた。ヒデキの学校は作戦通りに球数を投げさせ、好投手を引きずり下ろすことに成功した。もちろん、2番手投手のデータもあるが、1番手に比べると若干、劣っているのでチャンスはあると思った。トシオの学校も1打同点のチャンスだったが、チャンスをいかすことはできなかった。
トシオの学校が1点を取り、やや流れが変わったようにも見えたが、すかさず相手チームが反撃をし、8回表に1点を追加し3対1とリードを広げた。
その後、9回表を終了し、3対1でトシオのチームの最後の攻撃を迎えた。もし、一人でも塁に出ればトシオに打席が回ってくる。ヒデキは「トシオくんに打席が回ってきますように」と祈るような格好をして視線を送っていた。
しかし、打者二人が打ち取られてツーアウトとなってしまった。トシオの学校は万事休すかと思われていたが、トシオの前の打者が粘りに粘って四球をもぎ取り、ツーアウトランナー1塁でトシオに打席が回ってきた。ヒデキはただ祈るばかりだった。
トシオはファーストストライクから積極的に打ちにいった。レフトスタンドの方に大きな打球が上がり、一瞬、ヒデキは「入れ」と思い、観客からは大きなどよめきが湧いたが、わずかにファールだった。ヒデキはがっかりしたが、スタンドからはトシオの学校の声援を送るファンも多かった。
相手投手もかなり警戒したのか2球目は大きく外れて、以降、際どいコースに投げてきてまともに勝負をしてくれなかった。トシオは四球を選んで、2アウトランナー1塁、2塁となった。次の打者が長打を打てば一打同点のチャンスだった。真ん中のやや甘めの球をはじき返すと三塁線を破るヒットとなり、2塁ランナーが生還した。さらにトシオは三塁コーチが腕をまわしていたので、懸命にホームへ走った。相手チームもレフトから好返球が返ってきて非常に際どいタイミングになった。トシオはホームベースに向かって頭から突っ込んでいった。
ヒデキも一瞬、セーフかアウトかわからない際どいタイミングだった。会場内は一瞬、静まり返った・・・(続)
県内№1の好投手を擁するチームでトシオの学校も練習試合では全く歯が立たなかったので、接戦に持ち込むしか勝ち目がないと思った。トシオのチームには速球派と多彩な変化球を操る技巧派がいたが、相手チームを分析した結果技巧派の投手を先発させた。
1回の表作戦がピッタリあたり、相手打線をまずは0点に抑えることができた。1回の裏トシオの学校も0点ではあったが、予定通りファールでひたすら粘るなど各打者が球数を投げさせることができた。
序盤3回までトシオの学校もピンチがあったものの0に抑え、両チームスコアボードに0が並んだ。トシオの学校はノーヒットではあったが、相手投手に50球以上投げさせたので、ほぼ計画通りの進行だった。
4回の表、相手打線が長打と送りバントで1アウト3塁とチャンスを迎え、きっちり犠牲フライで先制点を挙げた。4回裏、トシオの学校は粘った末、四球で出塁したランナーを1塁においてトシオに2回目の打席が回ってきた。ヒデキはトシオの打席を祈るように視線を送っていた。
トシオは相手投手のストレートを大振りせず、センターにはじき返そうと思っていたが、トシオに対しては変化球が多く狙い球を絞ることができなかった。しかし、変化球をファールでカットして球数を投げさせるとともにひたすら粘った。しかし、9球目のストライクからボールに落ちる絶妙の変化球を振ってしまい、トシオは三振を喫し以前、トシオのチームはノーヒットだった。
5回を終了し、1対0で相手チームがリードをしていたが、相手投手の球数はすでに90球を超えていた。トシオの学校はまだ四球が1つでノーヒットではあったもののほぼ作戦通りの試合展開だったので、負けてはいたがまずまずの内容だと思っていた。
6回の表、相手チームはヒットと送りバントで1アウトランナー2塁とチャンスをつくり、さらに追加点を入れて2対0とリードを広げた。
7回の裏、すでに相手投手は110球に達し若干、球がうわずり始め、2つ目の四球を出した直後、トシオに打席が回ってきた。トシオは変化球に狙いを定めた。相手投手の高めに浮いた変化球をトシオは見逃さなかった。トシオが打った打球は右中間を破るタイムリーツーベースとなり、2対1と1点差に迫った。
初ヒットが長打となり、チームも大喜びだった。そこで相手チームも2番手投手を起用してきた。ヒデキの学校は作戦通りに球数を投げさせ、好投手を引きずり下ろすことに成功した。もちろん、2番手投手のデータもあるが、1番手に比べると若干、劣っているのでチャンスはあると思った。トシオの学校も1打同点のチャンスだったが、チャンスをいかすことはできなかった。
トシオの学校が1点を取り、やや流れが変わったようにも見えたが、すかさず相手チームが反撃をし、8回表に1点を追加し3対1とリードを広げた。
その後、9回表を終了し、3対1でトシオのチームの最後の攻撃を迎えた。もし、一人でも塁に出ればトシオに打席が回ってくる。ヒデキは「トシオくんに打席が回ってきますように」と祈るような格好をして視線を送っていた。
しかし、打者二人が打ち取られてツーアウトとなってしまった。トシオの学校は万事休すかと思われていたが、トシオの前の打者が粘りに粘って四球をもぎ取り、ツーアウトランナー1塁でトシオに打席が回ってきた。ヒデキはただ祈るばかりだった。
トシオはファーストストライクから積極的に打ちにいった。レフトスタンドの方に大きな打球が上がり、一瞬、ヒデキは「入れ」と思い、観客からは大きなどよめきが湧いたが、わずかにファールだった。ヒデキはがっかりしたが、スタンドからはトシオの学校の声援を送るファンも多かった。
相手投手もかなり警戒したのか2球目は大きく外れて、以降、際どいコースに投げてきてまともに勝負をしてくれなかった。トシオは四球を選んで、2アウトランナー1塁、2塁となった。次の打者が長打を打てば一打同点のチャンスだった。真ん中のやや甘めの球をはじき返すと三塁線を破るヒットとなり、2塁ランナーが生還した。さらにトシオは三塁コーチが腕をまわしていたので、懸命にホームへ走った。相手チームもレフトから好返球が返ってきて非常に際どいタイミングになった。トシオはホームベースに向かって頭から突っ込んでいった。
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