妻の秘密

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第13話 洋二の思い上がり

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洋二に呼びつけられた香澄。

――――

中田洋二に指定された場所は、ホテルの一階にあるカフェだった。万一を考えてパンツルックスタイルで会う事にした。

広いカフェの中に洋二が居ないか探していると後ろから肩に手を掛けられた。

「ひえっ」
「驚くな。俺だ」
「洋二。……」

「こんなに人のいる所では、とても話せる訳がない。部屋を取ってある。行こうか」
「……」

ついて行こうとしない私に

「知りたくないのか。薫とお前の夫の関係を」
「聞くだけですよ」
「当たり前だ。今更何を考えている」

二人で入った部屋は、ダブルベッドの広めの部屋だった。

「まあ、座れよ」

私は、
小さなテーブルのドア側の椅子に座る。

洋二は、私の体を舐め回す様に見ると
「変わっていないな。子供を産んでもそそられる体だ」

「……そんな話なら私は帰ります」
「まあ、待てよ。今から話す」

洋二は信じられない話を始めた。私と康人が結婚した後、大学時代のゼミ仲間である、洋二の妻と仕事で知り合い、康人から誘って、私が実家にいる間、毎週逢瀬を重ねていた事。
 薫に夫の子が出来てから、会えなくしたが、子供が落ち着いたらまた、会おうと夫から言い出した事。(大分嘘が混じっているが)などを話した。
「そんな話、信じられません」
「じゃあ、これを聞いてみろ」

洋二はポケットから取り出したレコーダを再生し始めた。
洋二の言った事は事実だった。なんて事なの。あなた。

呆然としている私の後ろに洋二が回り込むと椅子事抑えられた。
胸を揉み始めている。
「香澄。俺達も戻ろうじゃないか。お前の夫も薫相手に今頃美味しい思いをしている」

そんな事あり得ない。でも夫は、今、一人。……。

「止めて下さい。約束が違います。もう時間です。帰ります」
「急がなくてもいいだろう。あそこの園の送迎バスは十二時に出る。まだ、一時間半あるじゃないか」

手を解こうにも力が違い過ぎた。ブラウスのボタンを外されて、ブラが露わになる。
「お願いです。止めて下さい」

「何を言っている。もう胸は俺を向か入れる準備が整い始めたじゃないか」
「……いやっ」

私を椅子から強引にベッドに押し倒した。ブラが外れている。
「ふふっ、香澄がいい」

スラックスのボタンとチャックが外されてパンティが丸見えになった時、
いきなり、部屋のドアが開き、男が入って来た。驚いている洋二の腹に足蹴りを入れる。
洋二が腹を抑え込んだところで、顎に更に足蹴りを入れた。
「ぐはっ」

仰向けに倒れそうになったところで、また腹に足蹴りを入れると、床に洋二がうずくまった。
 その男は、バッグからガムテープを出すとすぐに洋二の両足首と両手首を固定して、口にもガムテープを巻いた。

「あなた、遅いわ」
「文句は後で聞く。早く洋服を整えろ。警察を呼ぶ」
「はい」

十五分後、部屋に入って来た警察に洋二は、性行為強要、婦女暴行の現行犯で捕まった。
私達も事情聴取の為、警察に行った。美羽の迎えは、直ぐに実家の母に電話し、急いで対応して貰った。洋二の話した事や私が嫌がっていた事を記録しているレコーダも警察に提出した。


 私は、洋二から話が有った時点で、直ぐに康人に連絡した。
「あなた、中田洋二から連絡があった。あなたと、薫さんの事で、会いたいって」
「……そうか」
「あの人は必ず、私の体を要求してくる。でも私は、そんなこと絶対に嫌。あなた、助けて」
「香澄、会いに行け。レコーダはオンにしたままで。もし体を要求されたら、強く拒絶しろ。それをすべて録音するんだ。部屋に入る時は、お前が最後に入って、キーロック後、ドアを絞めろ」
「……。分かりました。もしドアの事がばれたら」
「その時は、ドアを壊す」
「僕もお前の後を付けるから安心しろ」

「僕もお前の後を付ける」

彼の提案は、最初聞きがたいものであったが、そうしないと洋二の私に対する犯罪が成立しないと言われしぶしぶ納得した。
 そして、部屋に入る時、キーロックをオンにしてから閉めた。そうすれば外から開けられる。

 僕は、今度の中田洋二の行為を薫に連絡した。

「えっ、夫が、そんな事を。信じられない」
「彼は今警察です。やり方は強引だったが、仕方ない」
「私はどうすれば」

「お父上に結婚してからの事をすべて話なさい。僕の事も含めて」
「でもそんな事したら康人さんにも迷惑が」
「覚悟の上だ。今までの事は一度線を引く。その上でやり直し方を考える」
「分かりました」

僕は電話を切ると、側に居た香澄に
「これでいいな」
「はい。あなたがどんな事になっても、私はあなたに付いて行きます」

そのまま、彼に抱き着いて唇を重ねた。三週間ぶりの口付けだ。そう簡単に離さない。
長い口付けが終わると

「あなた。……」
「美羽は?」
「今日だけは実家に預けてあります」
「そうか」

 私は三週間のブランクを取り戻すかのように康人に夢中になった。彼も思い切りそして激しく抱いてくれた。



警察から連絡があり、中田洋二の身元引受人として、私は警察に出向いた。
憔悴していたと思った彼は、車に乗り込むと凄い形相で
「あいつらに騙された。復讐してやる。絶対に」

怒りに溢れて訳の分からない事を口走っている。

「あなた、着きましたよ」

シートベルトを外して強引に車から降りた時、彼の顔が引き攣ったのが分かり、私は笑いを堪えるのに必死だった。

「洋二君。お勤めご苦労と言いたいところだが、君には、薫と離婚してもらう」
「何を馬鹿な」
「洋二。聞いたぞ。薫さんに対する悪行。今回の河西さんの妻に対する暴行。とても中田産業の跡継ぎになる資質無いと見た。勘当とは言わないが、当分お前の中田産業における身分をはく奪する。省の方にも報告した。当庁したところで解雇通知を渡されるだけだ」

「……。そんな、俺が何をしたと言うんだ」

「あなたの荷物は、ご実家に送ってあります。もう戻ってこないで下さい」
「待ってくれ。薫。俺は、君を愛している」
「私を愛しているなら、何故河西さんの妻にあのような事を。信じる事は出来ません」

「帰るぞ。洋二」
がくりと肩を落とした洋二は、お義父様の部下二人に抱えられ、車に乗せられた。

「金田さん。愚息のおかげで、ご迷惑を掛けました。この謝罪は改めてさせてもらいます」
「中田さん。長い付き合いだ。色々ある。これからも両社の発展の為に尽くしましょう」
「そう言って頂けると……。今回の件申し訳なかった。では、また」

「薫も少し実家に戻り、心を落ち着けなさい。美香の為にも」
「分かりました。お父様」




―――――

意外な展開に。中田洋二は欲を出し過ぎましたね。

この話、まだ解決していない事、山の様にあります。

次回をお楽しみに。

面白そうとか、次も読みたいなと思いましたら、ぜひご評価頂けると投稿意欲が沸きます。
感想や、誤字脱字のご指摘待っています。
宜しくお願いします。


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