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残月記番外編・反魂二
30(R18+G要素を含んでいます)
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「・・・うっ・・・ぐうぅ・・・」
上手く呼吸をする間も与えられる事無く相手の舌がねじ込まれ、遠雷の形の良い眉が苦痛で歪む。
未だ酸味の残る口内を犯しながら嘲笑う相手の声を耳にして、遠雷は更にその背を固くした。
「・・・ぅ・・・うぅん・・・」
ピチャピチャと水分を含ませながら絡む舌は人間の舌と変わらず、ちゃんと形を保ったままだ。
彼の舌を絡め取るように、ぬるぬると動くそれは若干の湿り気を帯びており、乾いていたはずの口内が水分のようなもので満たされていく。
それを心地が悪いと思うのに、抗うことが出来ない悔しさともどかしさ。息苦しさが交わって、彼の意識が段々と薄れようとしたその時、下腹部に柔らかな感触が広がり、彼は大きく目を見開いた。
「・・・んぐっ・・・ぶはっ!」
反射的に眼前の何者かを押しのけて初めて、遠雷は自身の袖が破られていることに気が付いた。
伝う風に気が付いて胸へと手を当ててみれば、激しく裂かれた衣の隙間から白い肌が露になってしまっているではないか。
「・・・え・・・」
裂かれた袖から覗く白い腕、その先の微かな指の震えを悟られまいとしながらも、恐る恐る下腹部へと視線を向けると、股間を取り合うように動く三つの頭部が見えた。
(・・・は・・・待て待て待てっ!)
じんわりと伝わるほのかな温かさと柔らかな感触に、遠雷の全身が冷や水を浴びたように冷たくなる。
薄く濁る灰の中、焦げ茶色に見える影の頭部の髪は長く、前方に垂れた髪から覗く素肌が何処か艶めかしい。
男性なのか、女性なのか分からないその影は遠雷の昂りを誘うように、優しく口に含み始めた。
「・・・ぅ」
途端に広がる生温かい舌と口の感触に、遠雷の肩がびくりと跳ねる。
彼は眉間に皺を寄せると、どうにかしてその頭を引き剝がそうとした。
しかし、三つの影は遠雷の雄に舌を伸ばすと互いに競い合うように頭を前後に揺らし、はむはむと口に含んでは柔らかなままの裏筋へと舌を這わせている。
肩まで伸びた髪の毛先は淡く透明な光を放ち、青みを帯びた素肌が時折、煌めいては闇の何処かへと消えていく。
消えては生まれる光の粒子の美しさとは裏腹に、カクカクと顎を震わせながら視線を下方に向けたまま、遠雷はただ茫然と立ち尽くすしかなく、一筋の汗が背筋を伝い腰へと落ちた。
「・・・んっ」
美しさと儚さの隙間に伸びた薄気味悪さに、遠雷の全身が鉛のように重くなる。
「・・・ぁ」
中心に座す者がじゅぶじゅぶと荒い水音を奏でながら顔を前後に揺らし、その両脇に座す者はピッタリと張り付いたまま、唇で啄むようにチュウチュウと吸い合いながら、顔を左右に揺らしている。
透き通っているはずなのに、与えられる熱は生きている者のそれと変わらない。
両端に立つ者の手が遠雷の腿へと伸びる。
枝垂れかかるようなその指に遠雷の腰がびくりと跳ねた。
上手く呼吸をする間も与えられる事無く相手の舌がねじ込まれ、遠雷の形の良い眉が苦痛で歪む。
未だ酸味の残る口内を犯しながら嘲笑う相手の声を耳にして、遠雷は更にその背を固くした。
「・・・ぅ・・・うぅん・・・」
ピチャピチャと水分を含ませながら絡む舌は人間の舌と変わらず、ちゃんと形を保ったままだ。
彼の舌を絡め取るように、ぬるぬると動くそれは若干の湿り気を帯びており、乾いていたはずの口内が水分のようなもので満たされていく。
それを心地が悪いと思うのに、抗うことが出来ない悔しさともどかしさ。息苦しさが交わって、彼の意識が段々と薄れようとしたその時、下腹部に柔らかな感触が広がり、彼は大きく目を見開いた。
「・・・んぐっ・・・ぶはっ!」
反射的に眼前の何者かを押しのけて初めて、遠雷は自身の袖が破られていることに気が付いた。
伝う風に気が付いて胸へと手を当ててみれば、激しく裂かれた衣の隙間から白い肌が露になってしまっているではないか。
「・・・え・・・」
裂かれた袖から覗く白い腕、その先の微かな指の震えを悟られまいとしながらも、恐る恐る下腹部へと視線を向けると、股間を取り合うように動く三つの頭部が見えた。
(・・・は・・・待て待て待てっ!)
じんわりと伝わるほのかな温かさと柔らかな感触に、遠雷の全身が冷や水を浴びたように冷たくなる。
薄く濁る灰の中、焦げ茶色に見える影の頭部の髪は長く、前方に垂れた髪から覗く素肌が何処か艶めかしい。
男性なのか、女性なのか分からないその影は遠雷の昂りを誘うように、優しく口に含み始めた。
「・・・ぅ」
途端に広がる生温かい舌と口の感触に、遠雷の肩がびくりと跳ねる。
彼は眉間に皺を寄せると、どうにかしてその頭を引き剝がそうとした。
しかし、三つの影は遠雷の雄に舌を伸ばすと互いに競い合うように頭を前後に揺らし、はむはむと口に含んでは柔らかなままの裏筋へと舌を這わせている。
肩まで伸びた髪の毛先は淡く透明な光を放ち、青みを帯びた素肌が時折、煌めいては闇の何処かへと消えていく。
消えては生まれる光の粒子の美しさとは裏腹に、カクカクと顎を震わせながら視線を下方に向けたまま、遠雷はただ茫然と立ち尽くすしかなく、一筋の汗が背筋を伝い腰へと落ちた。
「・・・んっ」
美しさと儚さの隙間に伸びた薄気味悪さに、遠雷の全身が鉛のように重くなる。
「・・・ぁ」
中心に座す者がじゅぶじゅぶと荒い水音を奏でながら顔を前後に揺らし、その両脇に座す者はピッタリと張り付いたまま、唇で啄むようにチュウチュウと吸い合いながら、顔を左右に揺らしている。
透き通っているはずなのに、与えられる熱は生きている者のそれと変わらない。
両端に立つ者の手が遠雷の腿へと伸びる。
枝垂れかかるようなその指に遠雷の腰がびくりと跳ねた。
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