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Episode37 城下町の祭りへ③

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 アクセサリー、ランプ、インテリアや小物……
 立ち並ぶ露店には、お城では見ない感じの珍しい商品が沢山並んでいる。

「ゆうと気に入った? じゃ、買ってあげる」
「えっ? い、いいよお姉ちゃん」
「遠慮しないの」
「あ、ありがとう……」

 ボクが珍しそうに商品を見ていると夜美ちゃんが買ってくれた。
 そしてその後もボクが見ている商品を次々に買ってくれる。
 
 中学生くらいにしか見えない夜美ちゃんだけど、やっぱり後宮に勤めている人ってお金を持っているんだなぁ……
 等とボクは感心していた。

「広場に行くならこっちが近道だからね!」

 夜美ちゃんはボクの手を引き裏路地へと入っていった。
 立ち飲み的なバーが並ぶ細道には、酒に酔って顔を赤くした労働者風の人達が集まっている。

 ボクらはそんな酔っぱらい達の合間を縫う様に道を進んでいく。
 そして人集りを抜けて角を曲がると、暗がりの細道の先に広場が見えてきた。
 
「もうすぐね……」
「うんお姉ちゃん」

 しかしそれは目的地が見えてホッとした瞬間であった。

ガサッ、ガチャッ、ガチャッ…

 道の先に数人の人影が現れる。
 此方に向かい歩いてくる足音は金属音も混じっていて、彼等が武器を携帯している事がなんとなく分かった。

 そしてそのまま進んでいくと今度は後ろからも……

ガサッ、ガチャッガチャッ…

 ボクの手を引く夜美ちゃんが立ち止まる。

「面倒ね……ゆうと、私から離れないのよ……」
「お、お姉ちゃん……」

 夜美ちゃんは立ち止まると、ボクを背に隠す様にして近づいてくる男達に視線を向けた。


「お嬢ちゃあん……こんな夜道歩いてたら危ないよぉ……」
 男達のリーダー格らしき人が近づいてくる。
 金髪でいかにも軽薄そうな見た目をした男だった。

「へへっ……城から来たのか? 男の娘なんて滅多にお目にかかれねえからなぁ……」
 汚ならしいスキンヘッドの男が夜美ちゃんの身体を足元から舐める様に見始める。

「おおぉ……あれが男の娘か……なんて美しいんだぁ」
「兄貴ぃ、俺らにも回して下さいよぉ……」
「お…おでは…後ろの銀髪が…いい……」

 
 ボク達は、あっという間にチンピラ風の男達に囲まれてしまった。

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