転生少女、運の良さだけで生き抜きます!

足助右禄

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平穏

叙爵拒否

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夕飯を楽しく済ませる事ができた次の日、朝食をいただいてから孤児院の様子を見に行く事に。ユイさんも一緒だ。

「ダンジョンの中に孤児院を…しかもこんなに立派な…」

到着して一通り案内をするとユイさんは驚きながらも感心していた。

3人の先生の内、マーシャさんが空いていたので近況を聞いておく。

「年長の子で何人か働ける様にしてあげたいのですが良い方法はないでしょうか?」

前に1日一緒に過ごした時、冒険者以外の仕事に就きたがっていた子がいたけど、その子達を自立させたいという事だね。

「いい考えだと思います。まずは職業訓練みたいな形がとれるといいですね。」

王都で訓練先を見つけるなら顔の利くレギウスさんに相談してみるのが一番かな。マーシャさんに希望している職種のリストをもらって早速話をしに行ってみる事に。

ーーーー

「ここで会うのも久しぶりだな!」

エルジュの冒険者統括ギルドでグランドマスターをしているレギウスさんに突然会いに行って大丈夫か心配だったけど、ギルドに入るなり受付の人が何も言っていないのに部屋まで案内してくれた。

グランドマスターの部屋にあるソファーに腰掛けて話をする。

挨拶もそこそこに本題に入るとレギウスさんは大きく頷いて「そういう事なら全面的に協力しよう!」と言ってくれた。

希望の職種のリストを渡して細かく話をしていくと、意外とスムーズに訓練先が決まりそうだった。

「早ければ今日中に話がまとまるはずだ。」
「ありがとうございます!レギウスさんに話して良かったです。」
「うむ!どんどん頼ってくれて良いぞ!」

レギウスさんも何だか嬉しそうだった。

「それでな…こちらも一つ話があるのだが…」
「何でしょう?私のできる事ならやりますよ。」

コホンと、軽く咳払いをして姿勢を正すと

「ミナ、ユキ、リオ、ソラ、4名に准男爵への叙爵の話がきておってな。受けてはもらえまいか?」
「准男爵?」

男爵っていうくらいだから貴族の肩書きだよね?男爵の下って事かな?

「うむ。希望するならそれぞれ領地ももらえるそうだ。勿論いらぬというなら名前だけ受けてもらいたいと陛下が言っておってな。此度の戦争におけるおぬしらの功績は計り知れない。国としても何か報いたいという事なのだが…」
「お礼っていう事ならいらないですよ。」
「私も辞退します。」
「私もいらないわ。」
「右に同じ。」

全員にいらないと言われて顔をしかめるレギウスさん。

やりたくてやっただけだし、貴族になるのは抵抗がある。良い人もいたけど、印象が悪いし…。

「そこを何とかならんか……?」
「しつこいぞレギウス。ミナ様は受けんと言っているのだ。」

側に控えていた犬形態のオル君が怒り出した。

「ミナ様は准男爵程度の低い身分のお方ではない。我がアヴァロン神国では王の座を用意しているのだぞ。話をする事自体が不敬である。」

オル君…私が言いたいのはそこじゃないよ。

「そうでしたな……申し訳ない。」

レギウスさんも何か謝り始めるし。

「レギウス、この国はまだ愚かな事を繰り返すのですか?ミナ様達を利用しようとしていますね?」

今度はウルちゃんがレギウスさんを睨みつけながら言う。

利用?

「……参りました。全てお話しましょう。」

レギウスさんは深々と頭を下げてそう言うと、叙爵については国が私達との繋がりを強くするための方策だと説明する。

「リアードにはおぬし達が管理する町があり、神国は先程神竜様が言われた通り太い繋がりがある。エルジュにはそういったものがない事を国王は危惧しておった。」
「エリストに家がありますけど。」
「家はいつでもどこにでも建てられるであろう。このままではより住みやすい国は移ってしまうのではないかと……。」

レギウスさんは頭を下げたまま話を続ける。

「この先暫くは戦争は起こらんだろう。だが外交面では様々駆け引きが求められる場面があるのだ。」
「つまり私達を政治の道具にしたいと。」

リオさんは冷やかに笑うとレギウスさんを見下ろしている。

「何かしてもらおうというつもりはないのだ。この国に居てくれるだけでよいのだ……。」

うーん…言われなくても居るつもりなんだけどなぁ。

「頭を上げてください。今の話は国王陛下が言われていた事なんですよね?」
「うむ。」

ゆっくりと頭を上げるレギウスさん。

「陛下に会って直接お話してもいいですか?」
「分かった。直ぐに使いの者を出そう。」

謁見の準備をしてくれるそうなので私達は一度孤児院へ戻る事にした。

マーシャさんに職業訓練の話を取付けてきた事を報告するとスゴく喜んでくれた。
生徒思いの良い先生だね。

孤児院の子達と一緒にご飯をいただいて一緒に魔法の訓練をしていたらビジョンリングでレギウスさんから連絡があった。

今すぐ会ってくれるそうなので、ユイさんには孤児院で待っていてもらって中央ギルドに転移する。
外には迎えの馬車が待っていた。
レギウスさんも着替えていて直ぐにお城に行けるとの事。

早速馬車に乗ってお城へ。

「お城完成したんですね。」

ユキさんに言われて外を見ると、立派なお城が見えてきた。
ゼルグランの建設ビルディング技術の協力があって、半年で出来上がったらしい。

到着して馬車から降りて、年配の騎士の人の案内で城内に。
謁見の間まで誰にも会う事なく到着した。大きな扉が開かれ中に入ると、騎士や貴族達が左右に分かれて立っている。
王様も既に謁見の間に居て、私達を見るなり声をかけてくる。

「ミナ殿、ユキ殿、リオ殿、ソラ殿、ようこそ来てくれた。」

陛下は玉座から降りて私達を出迎えてくれる。その姿に渋い表情をしている貴族は多い。

「陛下…お出迎えくださり恐縮です。」
「よいのだ。」

跪こうとすると陛下はそれを止める。

「今日は叙爵についてお話に来ました。私達は辞退させて頂きたく存じます。」

僅かに騒つく貴族達。気にせず話を続ける。

「私はエルジュ王国エリストの冒険者です。他国に居を移す事はございません。これからも変わらず冒険者としてエルジュ王国に尽くしていく事をお誓いいたします。」

…これでいいかな?

暫くの沈黙の後、陛下は答える。

「相分かった。手間を取らせてすまなかった。」

どうやら分かってくれたみたい。

「一つだけ良いだろうか?」
「何でしょう?」
「貴殿らは町の運営に興味があるのだろうか?」

遠回しに聞いてくる王様。

「エスペランサの事なら楽しんでやらせてもらいましたが、他の町でやる気はありませんよ。」

リオさんが代わりに答えてくれた。

「そうか……。」

残念そうな王様。

謁見はそれだけで終了したので帰ることに。

何だったんだろう?
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