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コンコン
「ソフィアです」


「お入り」

扉の向こうから お祖父様の声
「失礼いたします」
扉を開けつつ そう言うと

「ソフィアちゃん
いらっしゃい」
お祖母様がすぐに 近寄ってきて
私を抱きしめてくれた
いつもの事
でも いつもそれで 気持ちが落ち着くの

「どうしたんだい?ソフィア」
お祖父様が優しく微笑む

その笑顔を見る度に思うのは
お祖母様はこの笑顔の虜だったんだわ
とろけそうな笑顔を向けられたら
い ち こ ろ よね~


「お祖母様 ソフィアお願いがあるのです お忙しいのは分かっているのですが どうしても 聞いていただきたいのです」

「あらあら
珍しいわね 何かしら ソフィアちゃんのお願い」


お祖母様の隣にすわって
「さぁ お茶もお菓子もあるわよ」
「いただきます」
薄いクッキー
これ大好きなの
お茶も まだ子供だから 
ミルクティー

「それで?ソフィアちゃんのお願いってなにかしら?」
ニコニコしながらお祖母様が聞いてくる

ここに来た目的を忘れて
クッキーに夢中になっていた私は
ミルクティーを一口


「お祖母様にハンカチを作っていだきたいのです それが出来るのを 見ててもよいですか?」

「あら カーラに言われたのね
うふふ」

「はい」

「ソフィアちゃんは 前から
この裁縫箱が気になっていたわよね」

「はい もっと小さい時に聞いたら
お祖母様は お友達とおっしゃってました それからもずっと気になっていたのです
そしたら カーラがハンカチを作っていただいたら?と 教えてくれて ここに来ました」

「そういうことね 理解したわ」

「お忙しいですか?
無理にはお願いしません」

「そうねぇ どうかしら
ショーン様」

「んー 私の可愛いアイリーンが
可愛い孫のソフィアに教えてもいいと
思うなら 構わないのじゃないかな?」

「そうね
じゃあ まずこちらの話を聞いてくれる?」

「お話?」

「えぇ この裁縫箱を私が持っている理由と あとは ショーン様と出会って
結婚した話かしらね」

「うわぁ 聞きたいです!」

「うふふ ちょっと照れくさいけれども

そうやって お祖母様は話初めてくれました





「針のお墓?」

「えぇそうよ」

「お祖母様 みんな変な顔しませんでしたか?」

「うーん してたかも」

「でも 優しいお祖母様で良かった
私も同じ事やってしまいそう」

「あら ソフィアちゃんが1番私に似ているかもね うれしいわ」

お祖母様はいつも 
私の嬉しい言葉をくれるの
お兄様達と 背負うものが違うから
あまり注目されないで
構われない私
そんな私を1番見てくれるのが
お祖母様とお祖父様
まぁお祖父様はいつもお祖母様らぶ
なんだけど


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