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エロ同人みたいに!エロ同人みたいに!

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 みなさん、こんにちは。伊勢嶋雪兎、16歳ホモです。一時はデートの存続も危ぶまれましたが、随分と機嫌も治ってきましたよ。
 いやぁ。ちょっと、パンツもらったりとかパンツ見せてもらったりとか。その他、色々といい事があったんです。我ながら、チョロい話だなぁとは思いますけど。

 気を取り直して、近所のイ○ンモールで昼飯をしばいてきた所です。イタリア料理の店で、ランチもなかなかに美味でしたよ。
 え?ついさっきあんなもん咥えたばかりで、よくご飯食う気になれるなって?まぁ、その辺りは別腹っていいますか…。広い世の中、牡蠣食いながらア○ニーの話書いてたBL作家もいますしね。
 女性客ばっかの店だったんですけど、めっちゃ視線を感じながらの食事でした。俺たち、カップルだと思われてたのかな?なんてね。ぶっちゃけ、一ノ瀬くんを狙ってたんでしょうけど。共学校なら、女子が放っておかないレベルのイケメンですからね。毎日ほど、学校裏に呼び出されて告白されてたりして。
 え?女性客たちの狙いは、俺の方だったって?ないない。俺なんか、背低いしヒョロいし八重歯だし。女性にモテる機会なんて、一生涯来ないでしょ。
 ってな訳で、気分上々↑↑のままイ○ンモールを後にして…。目指すはオタクの聖地、アヌメイト!って、またかよって話ですね。だけど一人の腐男子として、ここをデートスポットから外すなんて事は出来ない…!デートどころか、誰かと来る事自体初めてだと思いますけど。
 「あぁぁぁぁ!如月ふゆ先生の、新刊が出てるぅ!…って、数年前にも同じセリフ言ったような。まぁ、いいか。無理やり付き合わせちゃったけど、一ノ瀬くんはBLとか読んだりするの?」
 「まぁ、姉ちゃんの影響で嗜む程度には。えぇと、『運命の人と出逢える恋するア○゜リ』とか。『ト○キョースーパーダーリン』とか。後は、『ヒ○ローなんかじゃない』とか?」
 「それって…。確か全部、受けが八重歯のやつじゃない?君って人間は、どんだけ八重歯好きなのさ。今更だけど」
 「ははは。ちょっと昔、どっかの誰かに人生狂わされてな。漫画じゃないけど、雪兎の小説ならデビュー当初から全作品読んでるぜ」
 「そうなんだ、ありがとう。…って、アイエエエ!?なな何で、俺がBL小説書いてるって知ってるの!?家族にも学校にも、みんな秘密にしてるのにぃ!」
 「バレバレだっつの。小説投稿サイト糞リスタの、『Yukito』さんだろ?内容は面白いけど、極端な内輪ネタとパクリネタは控えた方がいいぜ。でも…『いつもYukitoさんの新作、楽しみにしてますぅ♡』」
 「そ、そのコメントは…。まさか、読み専の『blue』さん!?デビュー当初から、俺の事を支えてくれた…。マジで、君が?でも確かに、時差でコメントの時間帯がずれるって言ってた…。外国人の方にしては、日本語が上手だなって思ってたけど」
 「言ったろ。雪兎の事は、いつだって見てるって(言ってないけど)」
 あお君…じゃなくて、一ノ瀬くん…。マジで嬉しい。『blueさん』がいなかったら、今まで小説を書き続ける事は出来なかったから。どんなに周りから評価されなくても、この人だけはずっと肯定的なコメントを送り続けてくれた。自分のサッカーの練習だけで、大変だったろうに。空いた時間の中で、俺の作品を読んだりコメントを送ったりしてくれたんだなぁ。
 す…好き…には、なりませんけど。流石にそれだけで心動かされる程、俺の尻は軽くありませんけど。でも…。
 「それでこの後は、どこに行く?ちょっと疲れたから、ネカフェの快楽倶楽部に行って足を休めようか?」
 「ネカフェ、個室…。うっ、頭が。なーんか、頭の底に嫌な記憶があるんだよなぁ。どうせ二人きりになった途端、乱暴する気でしょう?エロ同人みたいに!エロ同人みたいに!」
 「ハハハまさかそんな事、する訳ねぇじゃん。どこの世界に、個室でクラスメートのおっぱい吸って乳首開発する野郎がいるんだよ」
 「やっぱり、ヤる気マンマンだったんじゃねーか!この、色ボケ野郎が!ね、ネカフェは却下だ!」
 あぁもう。やっぱり、一ノ瀬くんは一ノ瀬くんだった。ちょっとでも、見直して損したわ。結局、ネカフェじゃなくてカラオケ「ま○きねこ」にしました。運営の母体は、株式会社コ○ダカホールディングス(証券コード:2157)。父さんが株式を保有してるので、優待で割引き券送ってくるんですよ。
 え?カラオケも、個室っちゃ個室じゃんって?まぁ、そうなんですけど…。一応、扉の内側が見えなくはない構造ですし。室内に監視カメラもあるだろうから、流石に彼も襲いかかったりしないんじゃないかな。
 それに今、コラボで「スクリューボール・コメディ」のグッズがもらえるんだよなぁ…。あ、昨年放送されてた野球アニメです。話の展開はアレやったけど、世の腐女子(及び腐男子)たちからは絶大な反響があったんですよ。ここで金を溶かしておけば、アニメ二期も期待出来るかも知れませんしね。
 コラボドリンクを注文したら、ランダムでキャラの印刷されたコースターが1枚もらえるって寸法ですが…。何と彼、一発で俺の推しキャラをゲットしました。もちろん、快くもらえましたよ。カラオケ代も俺の奢りではありましたが、嬉しいもんは嬉しいです。
 しかし24キャラ中の1枚を、よく引き当てるなぁ…。これも、「お姉さん」の導きなの?今更ながら、彼って人間の事がよく分からない。正体が「blueさん」だった事もあり、すごくいい人だってのはよく分かりました。初対面では色々ありましたけど、雹災から俺を助けてくれもしたし…。
 好き、なのかなぁ。彼の事が。今でも、よく分からない。これは、自分自身に恋愛経験がなくピンと来ないってのもありますが…。完璧すぎて、何だかちょっと警戒してる部分もあると思います。俺、BLでも完璧なスパダリキャラってそんなに好きじゃないしなぁ…。
 イケメンでサッカーがうまくて、性格が良くて。ついでにガタイがよくて、アソコも大きくて。成績は、そこまで上位ではありませんが…。スポーツ推薦で入学した訳ではないので、最低限の学力はあるでしょう。ってかうちの学校、地元では結構な名門です。
 性格って言うか、性癖にちょっとアレな部分はあるけど…。「いい人」である事に、疑う余地はないでしょう。だけど本当に、この人を好きになっていいのかなぁって感じ。その方が、きっと人生楽しくなるとは思うんですけどね。とか考えてるうちに、一曲歌い切りました。気もそぞろでしたが、彼は気前のいい拍手を送ってくれます。
 「ありがとう。…そうだ。一ノ瀬くんの歌も、聞いてみたいなぁ。どんな曲を歌うのか、気になるし。オーストラリアに留学してたから、洋楽だったりしちゃう?」
 「必死こいて、日常会話がやっとってレベルだから。そんなに、英語が出来る訳でもねぇよ…。コラボ期間だし、『スクリューボール』のOPにしようかな?ネット配信で、アニメは視聴してたんだよ」
 そう言って、早速リモコンで予約をしました。俺にとっても、よく聞き慣れた前奏が始まります。途中から、デュエットでもしようかなぁ。そう考えながら、彼の歌を聴いていましたが…。これは…この人は…。

 すっごい下手だ!

 音痴ってレベルじゃねーぞ!音感と言う概念を、母親の胎内に置き忘れて生まれてきたとしか思えない。また高いキーになると喉が付いていかないので、ところどころ声が裏返っている。そのくせ、無駄に声だけはデカい。ついでに言うなら、態度もデカい。何でこの歌を、そんなドヤ顔したままで歌えるの!?ジャイアンが自分の歌にやられない理由として、ドラえもんが『フグが自分の毒にやられるか?』って解釈していたけどそんな感じだろうか。
 トゥンク…。あれ?何だか俺、胸がときめいている?そして、そのまま高鳴り続けている?今になって、やっと気づいた。いや。ずっと気づかない振りをしていたけど、やっと自覚する事が出来た。俺は、彼が…一ノ瀬くんが…。

 いや、あお君の事が…。どうしようもないくらいに、大好きだ…。
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