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4『理想のその先へ』

4 第三章第三十八話「そして雷は繋いでいく・後編」

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十本腕の怪物と化したアッシュ。腕二本ですら苦戦どころか圧倒されていたのに。

《リベリオン》によって膂力も底上げされたアッシュは、素早くエリス達の眼前に迫った。

「《っ、気を付けてください!》」

大盾を構えながら、エリスとウェルムを護るようにレグルスが前へ飛び出す。これまで同様なら、唯一レグルスのみがアッシュの一撃を防げていた。

だが、大盾を襲ったのは三本もの巨大な大剣。三つ全て同時に大盾に直撃し、次の瞬間には大盾をいとも容易く粉砕された。

「《っ……!》」

マキナが驚愕するが、息をつく暇などない。

大盾が破壊された直後に、更にもう二本の大剣が襲い掛かる。咄嗟に腕を引こうとするが間に合わない。

レグルスの片腕は、一瞬の間に宙を舞っていた。

更にその間にも残った腕がレグルスを狙っていく。十本も腕があるのだ。その全てがそれぞれ役目を果たそうと動いていた。

その様はまるで虫のような不気味さと、同時に絶対的な絶望を表していた。

「《疾風怒濤!!》」

いつの間にか背後に回っていたウェルムが、神速の斬撃を放つ。

だが、アッシュは一瞥することなく、腕一本で弾いてみせた。

「ちっ!」

「《怒黒》」

弾いた直後に放たれる極太のレーザー。それはアッシュの周囲には生まれず、ウェルムの背後に現れていた。

「くそっ」

何とか紙一重で退いて躱すも、そこはアッシュの間合いだ。

万が一にも避けられないように、アッシュは大剣の腹をウェルムへと叩きつけた。

「―――っ!」

剣腹とはいえ、今のアッシュの腕力から放たれる衝撃はウェルムの身体を粉砕するには充分であった。

咄嗟に刀を構えたものの、ウェルムは全身で衝撃を受けてしまった。身体中の骨という骨が折れたような音がした。そのまま勢いよくウェルムが城下へと吹き飛んでいく。

それと同時進行でエリスはアッシュへとセインを突き出していた。

当然アッシュにはまだ腕が残っている。エリスの雷速にも最早対応している大剣達が、切り刻まんばかりにエリスへと迫っていく。

この瞬間を、エリスは待っていた。

っ、今だ!

その時、セインから電撃が広がり大剣達を飲み込んでいく。勿論この程度で弾かれるような大剣ではない。それどころか全く手応えがないと言ってもいい。

だが、エリスの狙いはそこではない。

電撃を纏った大剣達には磁力が込められた。磁力が同じであれば、互いに反発し合い、別であれば引き寄せ合ってくっつく。

エリスは大剣同士を同じ極に操作することで、エリスという同じ的を狙っていた大剣達を反発させて逸らそうとしたのである。

そして、開けた瞬間に最大の一撃を喰らわせようとした。

しかし、エリスには誤算があった。

「なっ」

反発し合うはずの、大剣全てがそのまま勢いよくエリスへと振り下ろされていた。

斥力をアッシュの腕力が軽々と上回ったのである。

セインで受け止めるが、セインが軋み、腕どころではなく身体中が悲鳴を上げる。

「ガ、ァぁぁあああああっ」

エリスの力程度では到底受け止めることは出来ず、剣速の勢いそのままにエリスはウェルム同様地面へ叩きつけられてしまった。

そして、最後まで粘っていたマキナも亦、複数本の大剣から放たれる剣戟に翻弄され、片腕だけではなく、片足に加えて背部に接続していたジェットエンジンも斬り裂かれた。それが無くては空中制御が出来ない。

弱者を蔑むかのように佇むアッシュの前で、墜落していくレグルス。立ち昇る黒い煙が、まるで悪魔族の勝利を指しているかのようだった。

「脆弱だな、人族よ。圧倒的な力を前にして、お前達は再び立ち上がることもできまい」

アッシュの言葉に、言い返す者は誰もいなかった。

ウェルムは身体中を骨折ないし罅を入れており、レグルスも失った部位から発生するエラーでまともに動くことはない。

そして、エリスも瓦礫の上に倒れ伏していた。両足が完全にあらぬ方向へ折れ曲がっており、右腕と融合している槍型のセインも、今に砕けそうなほど罅が入っていた。

エリスの全身を痛みが支配する。身体を動かそうにも、力が入らない。両足なんてまるで感覚がないみたいだった。

「く…そ……」

それでも必死にもがこうとするエリス。痛みに歯を食いしばって、動かない両足を引きずるように、ゆっくりと前へ向けて体を起こそうとする。

エリスは悔しかった。アッシュに負けている事よりもずっと悔しいことがあった。

セインが壊れそうなことだ。

セインとはエリスとシオルン、二人の想いの結晶。

大切な愛の証。

セインが壊れそうなのは、俺が未熟だからだ。

俺達の想いが、アイツの力に負けているはずがない。

絶対に勝っているはずだ。はるかに凌駕しているはずだ。

それなのに負けているのは、俺がちゃんと力を引き出せていないから。

ちくしょう。情けない。悔しすぎる。

こんなの、シオルンの想いを踏みにじっているじゃないか。

頑張っても起き上がらないボロボロの身体を、必死に引きずる。

証明しなくちゃ。俺達の想いの方がずっと強いんだって。

俺達の想いが負けるわけないんだって。

アイツをぶっ飛ばして、証明するんだ。

這ってでも進む為に、エリスは左腕を先へと伸ばした。

その手を、温もりが包み込んだ。

不思議な感覚がエリスを襲う。身体中の痛みが引いていくような錯覚を覚えたのだ。

自分に差す陰に気付き、エリスが顔を上げる。

ほんの少し会っていなかっただけなのに、随分と久しぶりなような気がして。それだけ求めていたのかもしれない。

普段は整っている銀髪は乱れ、息はひどく上がり、頬は赤く上気していた。ポタポタと地面に汗が零れ落ちていく。

彼女はそれでも微笑んでいた。まるで今互いの状況が嘘みたいに優しく、それでいて力強く。

「私が来たからにはもう大丈夫です!」

「シオ、ルン……!」

エリスの手を、シオルンが両手で包み込んでいた。そこから伝わる温かな波動。不思議だった感覚に、何故かエリスは納得出来た。

どうしてこんなところに。

エリスがそう言う前に、シオルンが両膝をつき、エリスへと近づいた。

その眼からは段々と涙が零れた。汗の軌跡に涙が混じっていく。

傷だらけのエリス。命懸けで戦ってくれているのだ。護るために、救う為に。

私の為に。

こんなに嬉しくて。でも辛いことってない。

だから私も出来ることをする。護れるように、救えるように。

貴方の為に。

涙を流したまま、シオルンはエリスへと笑う。

「何も出来ない私の唯一の取り柄が、エリス、貴方を想う事です。これなら誰にも負けません。どんな思いにも力にも絶対に、ぜーーーっったいに負けません! だから、安心してください! 私が傍にいる限り、貴方は無敵です! ぜーーーっったいに負けません! さぁ行きましょう、勝ち戦へ! 一緒に!!」

彼女の両手から伝わっていく想い。揺るがない覚悟。それはエリスの左手から全身を巡り、やがて右腕のセインへと集まっていく。

温かい感情がエリスの全身を包み込んでいた。

あぁ、こんなに想われていて、やっぱり負けるはずがない。こんなに愛していて、負けるはずがないんだ。

全身を流れる彼女の想いが証拠。

ウェルムと戦った時と同じだ。

やっぱり。

 

「君ほど証明してくれる人はいないや」

 

エリスはシオルンへと微笑んだ。

罅割れていたセインがいつの間にか想いによって埋められていく。徐々に罅が消えていき、同時にセインが光を放ち始める。

光は罅が消えて尚溢れ続け、遂にはエリスとシオルンの二人を飲み込んでしまった。

「……何だ」

戦闘は終わったとばかり思っていたアッシュの背後に生まれる眩い光の輝き。

その光はまるでアルガス大国全てを照らすかのように強く、優しく光って見せた。

やがて光は青い稲妻を周囲に放ち始める。一つ一つがまるで落雷のような轟音を立て、アルガス大国全体に雷が走っていった。

その中心にエリスは浮かんでいた。

折れ曲がっていたはずの両脚は金色の具足を纏って元に戻っており、鼠色の袴に覆われていた。上半身は黒い小袖に身を包み、その上から黄色を基調とした羽織を着ている。

そして、その右手には一本の小さな槍を握りしめていた。

これといった装飾もなく、柄から槍先まで全てが銀一色。小刀程度の射程ゆえに、槍とは言い難い代物。

だが、それこそがセインであり。

シオルンであった。

 

ベルセイン・リング。

 

セインの極致にエリスとシオルンは至ったのだった。

「《エリス、勝ちましょう!》」

セインからシオルンの声が聞こえる。

負ける気がしない。湧き上がってくるこの力は、何もかもを凌駕する。

「ああ、俺達の想いで!」

言下、エリスの背後に青雷の天輪が現れると、強く輝きだした。その輝きに呼応するように、眼下に広がるアルガス大国のあちこちから雷が立ち昇った。

「……!」

アッシュは即座に動き出した。エリスが何をしようとしているのか、分かったわけではない。だが、危険であると認識したのだ。

エリスへと向かうアッシュ。その横を、雷が高速で追い越していく。

気付けば、立ち昇っていた雷全てが青雷の天輪へと集まっていた。集結した雷に天輪は更に光り輝き、やがて輪の中心からエリスへと膨大な雷が送られていく。

エリスの身体が青く輝き、セインもまた青い光を放っていく。

ベルセイン・リング状態のエリスは、範囲内の雷を操る。そしてここは機械国家、アルガス大国。機械の原動力の多くは、魔力によって作動する電気系統である。

つまり、雷の宝庫だった。

膨大に吸収された雷が、セインへと流し込まれていく。小さな槍でしかなかったセインが、青雷によってかたどられていく。

遂には、巨大な青雷槍をエリスは握っていた。

「行くぜ、シオルン」

「《はい!》」

エリスは、青い軌跡を残しながら高速でアッシュへと飛び出した。

途轍もない速さに、アッシュは瞬時に回避の選択肢を捨てた。

避けられないが、反応できない速度ではない。

「返り討ちにしてくれるっ」

十本の剛腕が、一切の隙を作らずにエリスの到達を待つ。

あちらがどれだけ強くなろうと、こちらの膂力を上回ることは出来ない。力の差は歴然だ。

初撃を七本で弾き返し、残り三本で奴を両断すればいい。

だが、アッシュの想像もしないような出来事が起こる。

受け止めるはずだった七本の大剣が突如意志に反して動き出す。

「っ!?」

驚くアッシュだったがその動きは止まらない。そして、何故かあらぬ方向へ向かい、アッシュの胴をがら空きにした。

「これは……!」

アッシュの意志に背くように七本の腕が動く。一切なかったはずの隙が生まれてしまった。

その一瞬にエリスはアッシュの懐に潜り込む。

「貴様、何をした!?」

視線の先で、エリスはセインを構えた。

生物の身体には微弱ながら電気が走っている。様々な反応の際に電気信号を送ることで、四肢は動くのである。

そして、今のエリスは雷を操る。

生物の動きすら、エリスには思いのままであった。

「くっ」

咄嗟に残り三本の大剣を構えようとするが、これまた腕が言うことを聞こうとしない。

アッシュへと迫る青く輝く槍先。

だが、あと一歩で届くかという瞬間、先程の三本が間に入り、受け止めて見せた。

「っ!」

これにはエリスも驚かざるを得ない。

確かに電気信号を操っていた。だが、アッシュは電気信号に逆らって身体を動かしたのだ。

そんなの、簡単に出来ることではない。アッシュの強靭な肉体が、何よりそれを操る屈強な精神が成せる業だ。

「ッ……!」

それでも、三本ではセインの一撃を防げない。

アッシュが背後に下がるのと、腕三本が斬り飛ばされるのが同時だった。

鮮血が宙を舞う。

エリスの視界を一瞬鮮血が遮る。すると、その一瞬の間に、斬り飛ばされたはずの腕が新たに創造されていた。腕を動かし、アッシュは動作確認まで行っていた。

「《そんな!?》」

「……厄介すぎるだろ」

「この腕は俺の魔力によって作られている。魔力が尽きない限り、無くなることはない」

「ご親切にどうも!」

エリスが距離を詰めて、セインを何度も突き出す。

身体の自由は奪っているはずなのに、アッシュへ致命傷を与えられない。ギリギリのところで避けられ、腕を吹き飛ばしてもすぐに回復されてしまうし、何なら奴の対応が速くなってきている。

「っ!」

顔すれすれを大剣が通り過ぎる。今度下がるのはエリスの方だった。当然ではあるが、息も絶え絶えで思考もままならなくなってきた。

斬っても回復されるのであれば、腕を破壊すること自体に意味はない。腕破壊では駄目だ。一撃で仕留めることが出来なければ。

すると、エリスの眼の前でアッシュの腕が更に増えていく。十本だったそれがいつの間にか二十本にまで増えていた。勿論、その全てに大剣が握られている。

「この全てを同時処理してみるがいい。可能ならの話だが」

「くそっ……!」

二十本全てを制御するのは、流石に難しかった。単純な信号であれば出来るかもしれないが、それでは隙を生み出せない。

……。

このままでは消耗戦になる。そうなれば間違いなくこちらが負けてしまうだろう。

「《エリス》」

「ああ、これで決めよう」

そう言うと、エリスは高速でアッシュからかなりの距離を取った。

「……逃げたか」

言葉とは裏腹に、アッシュは豆粒程にしか見えないエリスへと視線を向けている。

その豆粒が強く輝きだした。

全ての雷をセインに。

元々巨大になっていたセインが、更に更に大きくなっていく。アッシュからも形状が分かるくらいには大きくなっていく。

一撃で決めるつもりなのは、アッシュも理解できた。

電気操作も、来ると分かっていれば抗うことが出来る。腕もこれだけあれば容易に受け止められよう。奴の底は見えた。

来るなら、来い。

アッシュが二十本の巨大な刃を構える。

エリスもまた、強くセインを握りしめた。

「さぁ、勝つぞ!」

「《絶対に!》」

瞬間、エリスが加速する。その加速は雷だけのものではない。これまでの戦闘で十分に磁力をアッシュは纏っていた。その膨大な磁力に引っ張られることによって、これまでにない加速を発揮する。

速度が力に変わり、アッシュへと殺到する。

それすらも、アッシュは耐えられると確信していた。

この瞬間までは。

「……っ!」

違和感。微弱ながらエリスの電気操作が身体を流れていた。微弱過ぎて気付かなかった。それはアッシュの身体に強制させるようなものではなく、意識がそちらへ向かないようにするような操作。

いわば、電気信号による意識の操作。

後ろを振り返ったアッシュの眼に映ったのは、レグルスだった。

墜落した時と変わらず片腕片足がなく、ジェットエンジンだってない。だが、凄い速度でアッシュへと迫っていた。

もう空は飛べない。けれど、磁力さえあれば。

レグルスの機内で、頭から血を流したまマキナが叫ぶ。

「《これでも、喰らいなさい!》」

磁力によって加速したレグルスが、巨大剣をアッシュへと振り下ろす。

「ちっ」

エリスの一撃と、マキナの一撃は同時にアッシュを捉えた。

レグルスというイレギュラーに数本の大剣を瞬時に対応させたが、ここで更に想定外があった。

レグルスの力が増していたのだ。これまで受けてきたどの一撃よりも重かったのである。それは、決して磁力による加速だけが理由ではない。

エリスがレグルス内の電気を操作し、一時的に上限を超えた力を発揮させているのだ。

「っ、おおおおおおおおお!」

すぐにまた数本の大剣を寄越してどうにか両方とも受け止め続ける。だが、代わりに攻撃に回す腕が無くなってしまった。

とはいえ、アッシュには魔法陣《怒黒》がある。これでエリスを潰せば負けることはない。

そうして、エリスの背後に魔法陣が生まれる。

 

「《疾風怒涛》」

 

この瞬間を、エリスとウェルムは待っていた。

磁力に引き寄せられるように地上から真上へと駆けのぼっていく。雷と風が融合した速度は、アッシュの意識の外を駆け抜けた。

鞘から抜かれる刀。

放たれる神速の一撃。

何もかもを置き去りにして。

 

その一太刀はアッシュの首を討ち取った。

 

余りの速度に、アッシュはまだ自らが死んだことに気付かない。いつの間にか視界がグルグル回り、空と地上を何度も映していた。

そうして、漸く身体は悟ったのか、巨躯がゆっくりと落下を始めた。

強い奴だった。

間違いなく、今まで戦った者の中で一番。

絶対一人じゃ勝てなかった。

と、同時にレグルスとウェルムも落下を始める。磁力で引き寄せるものが無くなってしまったのだ。

「あぶねっ!」

咄嗟に二人共磁力で自分の近くへと寄せる。ウェルムなんか普段では考えられないくらいダラっと四肢を放り投げているし、マキナも機内で背後に寄りかかっていた。

「はぁ、はぁ、やったぞ」

「……」

「《ありがとう…ございます……》」

全員が限界といった面持ち。もうこれ以上の戦闘は絶対に無理。

だが、魔将を討ち取った影響は大きかった。

「ば、馬鹿な……!?」

「アッシュ様が……!?」

悪魔軍に動揺が走っていく。知らず知らずのうちのこちら側の軍勢が劣勢に追い込まれていたようだが、これで巻き返せる。

雷を操ってレグスの力を向上させてやれば、何とかなるか。アルガス大国の戦いは、どうにか勝てそうだな。

「……シオルン、ありがとな」

「《……何の感謝ですか?》」

唐突な感謝にシオルンが疑問を呈する。力を貸した事なら当然だし、感謝される謂れなどない。むしろ感謝なんてされたらムッとしてしまうかもしれない。

だが、彼の感謝はそこではなかった。

エリスがニッと笑う。

「俺と出会ってくれて、ありがとう」

なんだ、そういうことですか。

それなら、シオルンも同じだ。

セインから元に戻り、シオルンがエリスへと抱きつく。

「私の方こそ、本当にありがとう。……大好きです!」

そのままエリスへとキスをした。一瞬驚いたエリスだったがすぐに受け入れていく。

「……おい!」

「《そういうのは後で――》」

外野から声がかけられるが、夢中な彼らには届かない。

セインを解いたことで、磁力で浮かんでいた彼らは見事に落下していく。

それでも気にせず、エリスとシオルンはお互いの想いを確かめ合った。

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