15 / 309
1『セイン』
1 第二章第八話「暗殺」
しおりを挟む
カイ暗殺を目論む集団はエイラのシールドを前に立ち往生していた。
暗殺者1:
「おい、どうすんだよ! こんなシールドがあったんじゃ奴に近づけねえだろ!」
リーダー:
「こっちだってこれは想定外なんだよ!」
リーダーが喚き散らす。それを見て仲間はそれぞれ不安そうな面持ちだった。
この暗殺集団、計画があまりに稚拙だったのであった。
暗殺者2:
「何て作戦だよ! こんなんならついてくるんじゃなかったぜ!」
リーダー:
「何だと!? てめぇ調子に乗んじゃ―――」
リーダーと仲間達が喧嘩になりそうなその時だった。
???:
「おーい、おまえら。何やってんだー」
その声に暗殺者達は思わず体を固めてしまう。そしてゆっくりとその声の聞こえた空中へ視線を向けた。そこには彼らのターゲットであるカイが浮かんでいたのだ。
カイはシールドを挟んで彼らの目の前まで下りてくる。
カイ:
「おまえら、レイデンフォートの国民か? 何か困ってるなら助けるけど。ああ、そっか、このシールドが邪魔なんだな。今おれがエイラに解除してきてもらってくるわ」
固まっている暗殺者達をおいて、カイが一人で勝手に納得してエイラの元へ向かおうとする。それに気づいたリーダーが慌ててカイへと声をかけた。
リーダー:
「あ、あの!」
カイ:
「ん?」
カイが声をかけられて後ろを振り向く。本当はその手に持っている剣はなんだ、とか魔力ないのにどうして空から、とか色々疑問があったのだが、エイラの元に戻られるのはマズいのだ。彼らにとって今の状況は千載一遇のチャンスであった。
どうやってシールドからカイを出そうか考えていた時、カイが険しい顔で彼らへと視線を向けていた。
カイ:
「てかさ、さっきからおまえ達なんか殺気飛ばし過ぎじゃね?」
暗殺者達:
「っ!」
カイの言葉に暗殺者達はどよめいた。
リーダー:
「(こいつ、馬鹿王子だと思っていたが、出来る奴なのか……!)」
カイ:
「ここに来る前に何かに襲われたのか? おれは敵じゃないから安心しろ」
リーダー:
「(前言撤回、ただの馬鹿王子だ)」
暗殺者達は安堵して思考を巡らす。そしてようやくいい考えが思いついたのかリーダーが前に出た。
リーダー:
「実はそうなんです。森で魔物に襲われまして負傷者が……。しかし我々だけでは背負って移動できる人数ではなく、手を貸してくれる人を探していたんです」
魔物に襲われて、人に殺意を向ける人などいるだろうか。仲間達の頭に同じような疑問が浮上したが、カイには浮上しなかったらしい。
カイ:
「まじでか!? じゃあ、ちょっと待ってろ! 今もう少し人数を呼んでくる!」
リーダー:
「あ、ま、待ってください! ちょうどあと一人いれば全員運べたんです! ですので、あなたのお力をお貸しいただければ!」
そんな都合のいい話があるだろうか。そう仲間達の頭に疑問が浮かぶ。そもそもの話に無理があるのだ。だが、その無理にもカイは気付かない。
カイ:
「分かった! どこだ!」
そうしてカイは見事にリーダーの思惑通りシールドの外に出た。そしてそのまま暗殺者達の横を通って前に出る。背中ががら空きだった。
その瞬間をリーダーは見逃さない。リーダーはナイフを取り出してカイの頭部めがけて振り下ろした。
………………………………………………………………………………
それはイデア達がお風呂を満喫していた時だった。突然エイラが勢いよく立ち上がったのだ。
ミーア:
「んー、どうしたの、エイラ? もしかしてまたお兄ちゃんが近くにいるのー?」
完全にだらけきったミーアがエイラに尋ねる。だが、エイラの表情は厳しいものだった。
エイラ:
「カイ様がシールドから出ました……!」
イデア&ミーア&ラン&メリル:
「っ!」
突然のことに全員動揺が隠せないでいた。
ミーア:
「何で!? どういう理由で!?」
エイラ:
「分かりません。ですが、このシールドは中から出れても外からは入れないので、どっちにしても向かう必要があります。しかし、カイ様もそのことは分かっているはずなんですが馬鹿なんですかね。ていうか馬鹿でした」
イデア:
「とにかく、カイの元へ急ぎましょう! 何か嫌な予感がします!」
イデアがさっさと風呂を出て服を着る。そしてすごい剣幕でエイラに尋ねた。
イデア:
「カイはどこから出たんですか!」
エイラ:
「え、えっと、あちらです」
イデア:
「カイ、今行きます!」
エイラの指さした方向へとイデアが走り出す。慌ててエイラとランがその後を追った。その途中エイラが振り返ってミーア達へと叫ぶ。
エイラ:
「ミーア様達はダリルに伝えてください! もしかしたら思ったより大事かもしれません!」
ミーア:
「わ、分かった!」
メリル:
「行こう!」
そしてミーアとメリルはダリル達の元へと足を向けた。
………………………………………………………………………………
ダリルとコルンは今がどんな状況なのか知るはずもなく二人で戦っていた。未だコルンの手にはセインらしき武器は握られていない。
ダリルが息を切らしながらコルンへと話しかける。
ダリル:
「セイン無しでこの力……。まだセインを使わないおつもりですか?」
コルン:
「いいえ、そろそろ使おうと思っていました。間違いなく今のままでは勝てないですからね」
そう言うと、コルンは自分の胸に手を伸ばした。その瞬間、まばゆい光がコルンの胸から放たれ、そこからコルンが何かを引き抜く。すると、コルンの手には赤黒いナイフのような短剣が握られていた。
それを見てダリルが感心するように呟く。
ダリル:
「それがあなたの……」
コルン:
「はい。ランから頂いたものです」
コルンがその短剣を構える。ダリルも嬉しそうに剣を構えていた。
コルン:
「では、本気で行きます!」
ダリル:
「望むところです!」
そして、両者が激突する瞬間だった。二人に声がかけられたのだ。
ラン:
「コルン! ダリル! 」
コルン:
「ん、なんだ、今ちょうどいい―――」
ミーア:
「お兄ちゃんに何かあったみたい!」
ダリル:
「何だと!?」
突然の事態にまったくわけがわからないダリルとコルン。
コルン:
「ダリルさん、どうやら……」
ダリル:
「はい、手合わせは終わりのようですね」
二人は頷き合うと、急いでミーア達の元へと駆け寄った。
………………………………………………………………………………
カイは自分へと迫っている凶刃に一切気が付いていなかった。そしてリーダーのナイフがカイへと到達するその瞬間、別のナイフがそれを阻んだ。甲高い金属同士がぶつかる音が鳴り響き、カイは後ろを振り返った。
カイ:
「え、なに!?」
カイが後ろを振り返って驚いていた。何故か目の前で仲間同士がナイフで鍔迫り合いをしていたのだ。凶刃を防いだのは暗殺者の一人だったのである。
リーダー:
「何故邪魔をする!」
暗殺者3:
「ようやく気が付いたよ! 俺達のやろうとしていることは間違っている!」
リーダー:
「何を言っている! さっきまで共に殺そうとしていたじゃないか!」
カイを助けた暗殺者は一瞬その言葉に怯んだが、すぐに強い意志の灯った目でリーダーを睨んだ。
暗殺者3:
「確かにさっきまでは殺そうとしていた。だがな! この人は俺達の言っていることを一切疑わず助けようとしてくれたんだ! この人が王子だろうと違かろうとそんなことはもうどうでもいい! こんな良い人を殺すのは間違っている!」
するとその時、仲間の一人がリーダーに体当たりを喰らわせた。
リーダー:
「うっ!」
倒れ込むリーダー。そのリーダーへと体当たりをかました仲間の一人が叫ぶ。
暗殺者4:
「俺もヘンリーの言う通りだと思う!」
ヘンリー:
「ロン!」
ロン:
「ヘンリー、カイ様をお守りするぞ!」
ヘンリー:
「っ、ああ!」
そしてヘンリーとロンがカイを守るように立ち塞がる。
暗殺者達が二つに分かれ、一触即発の状況の中、カイは全く理解が出来ていなかった。
カイ:
「あのさ、どういうことなの!?」
ヘンリー:
「カイ様、いいからお下がりください! ここは我々が―――」
その時だった。
エイラ:
「その必要はありません」
カイ:
「っ、エイラか!」
カイが視線を向けるとエイラとイデア、ランが風の絨毯に乗ってシールドの境界線に姿を現していた。
イデア:
「カイ、無事ですか!」
カイ:
「いや無事だけどこりゃどういう……。ていうか、もしかして皆風呂から上がったばっかりか? その、あれだ、皆髪濡れてるぞ」
カイの言う通りイデア達の髪は濡れており、さらに頬は上気している。イデアの顔に張りついた髪の毛に色気を感じたカイは、頬を少し染めて視線を逸らしていた。
エイラ:
「何悠長な事言っているんですか」
自分が暗殺されそうになっていることに気付かず、そんな他愛もないことを言ってのけるカイにエイラがため息交じりに呟く。
そんな中、エイラの登場にリーダー達は慌てふためいていた。
リーダー:
「や、やべえ、逃げるぞ!」
エイラの登場で暗殺者達は失敗を悟ったのだ。カイの横を颯爽と駆けて逃げようとする暗殺者達。だが、それを阻むように突如目の前に炎の壁が出現した。
ダリル:
「逃げられると思うなよ」
そしてその炎の中からダリルが現れた。いつの間にかシールドを出て後ろに回っていたのだ。さらに左右からはミーアとコルン、メリルが暗殺者を囲んでいる。
リーダー:
「……駄目だ。もう逃げ場が、ない」
そう言ってリーダーがナイフを地面へ放り投げて手を挙げた。降参したのである。リーダーが降参したのを見て仲間達が次々と武器を放棄して手を挙げていく。
それを見てヘンリーとロンは安堵の息をついた。そして手元から武器を放棄していく。
とりあえず事態が終息へ向かったのを理解して、エイラは全員に声をかけた。
エイラ:
「とりあえず、シールドの中に入りましょうか。ダリルの火に魔物が寄ってきますから」
エイラの提案を呑まない人はその場にいなかった。
………………………………………………………………………………
カイ:
「で、どういうことなんだ?」
シールドの中に入って、元の場所に戻ってからカイが尋ねる。カイはまだ分かっていなかったのだ。その質問にはヘンリーが答えた。ちなみに暗殺者達はヘンリーとロンも含め全員がエイラの作った魔法拘束具で捕らえられている。
ヘンリー:
「カイ様は王族と呼ばれていますが、魔力や何もかも王族のそれとは違いました」
カイ:
「何もかも!?」
ヘンリー:
「そんな人を王族として慕うことは私達には出来ませんでした。そしていつしか暗殺計画が立てられたのです」
カイ:
「あ、暗殺ぅ!?」
カイはようやく自分が暗殺されそうになったことに気付いたのだった。
カイ:
「おれ、暗殺されそうだったの!?」
エイラ:
「いっそ、暗殺されればよかったんじゃありません? 来世に期待しましょうよ。来世は魔力が使えるかもしれませんよ」
カイ:
「死を進めるのやめて!?」
カイ達の茶番を無視して、ですが、とヘンリーが言葉を続ける。
ヘンリー:
「ですがカイ様は王族かどうかはおいといて、とても優しい方だということが今回の件で分かりました」
カイ:
「だからおれを守ったのか」
イデア:
「よく、カイを守ってくださいました。本当にありがとうございます」
イデアが深々とヘンリーとロンに頭を下げる。だが、二人は慌てて首を横に振った。
ロン:
「私達に礼などやめてください。所詮私達はカイ様を殺そうとしました。カイ様を守った程度でこの罪は消えません」
やがて、ヘンリーとロンが膝をついてイデアよりさらに深々と頭を下げた。
ヘンリー&ロン:
「本当に申し訳ありませんでした。私達は牢に入ります」
カイ:
「……」
謝罪を受けて、カイは何やら腕を組んで悩んでいた。
カイ:
「んー……」
イデア:
「カイ、どうしたの?」
カイ:
「いや、ちょっとな。……よし、決めた!」
すると、カイが笑顔でヘンリーとロンへと声を発した。
カイ:
「ヘンリーとロンだっけか、おまえ達に兵士見習いの役職を与える!」
ヘンリー&ロン:
「……え?」
罵倒を浴びせられるものだと思っていた二人は、思わず顔を上げて驚いていた。一方カイは目を閉じて頷きながら話を続けている。
カイ:
「悪いけど、おれ達これから行かなきゃいけないところあるから、そいつらをレイデンフォートまで連れて行けないんだ。だからおまえ達に命じる! そいつらをレイデンフォート城まで連れて行ってくれ!」
ヘンリー:
「なっ、しかし、我々は……!」
カイ:
「おまえ達は見た目で人を判断してはいけないと分かったんだろ? 相手の中身を見て判断できたんだろ? 仲間を裏切ってまで自分の正義を貫いたんだ。もうあんた達は大丈夫! きっといい兵士になれるさ!」
カイの言葉にヘンリーとロンは言葉を失っており、エイラはため息をついていた。
エイラ:
「まったく、カイ様は甘いですね」
カイ:
「悪いが譲らんぞ。それに、おれ達がレイデンフォートに戻れないのも事実だろ」
エイラ:
「別に悪いと言ってません。今回は特に意見もありませんし」
カイ:
「いつも意見がなければいいんだけど」
エイラ:
「それは無理ですよ。カイ様の発言一つ一つに私は文句がありますから」
カイ:
「一つ一つ!?」
驚くカイを無視してエイラがヘンリーとロンに話しかける。
エイラ:
「あの方達にかけた魔法は《スネークリング》と言って、万が一無理やりそれを外した場合そのままこの世とおさらばになる魔法です。ですので逃げようとはしないと思いますが一応は気を付けてください。そして城に戻ったらこのことをゼノ様に起こった出来事を報告してください」
ロン:
「ゼノ様、にですか?」
エイラ:
「はい。あの人、会おうと思ったら会えますから」
カイ:
「王とは思えないな」
エイラ:
「ゼノ様なら分かってくれるでしょうから、兵士見習いとして雇ってくれるかもしれません。まぁ、元の仕事がいいならそちらでもいいですけど。あ、間違ってもライナス様とデイナ様には見つからないように。見つかっても適当にはぐらかすのですよ。分かりましたか?」
ヘンリー&ロン:
「わ、分かりました……!」
長く喋ったエイラにカイがため息をつく。
カイ:
「おまえはお母さんか」
エイラ:
「そこまでうるさく言った覚えはないのですが。全て必要な情報ですよ」
ようやく話が終わってカイ達は一息つく。
カイ:
「とりあえず、まだ夜だからヘンリー達も出発は明日の早朝だな」
エイラ:
「あの方達は魔法で作った牢にでも放り込んでおきましょう」
ダリル:
「じゃ、男性陣はお風呂でも入ってくるか」
カイ:
「そうだな」
そう言ってカイとダリル、コルンが立ち上がる。すると、カイがまだ膝をついているヘンリーとロンへと声をかけた。
カイ:
「ほら、二人共行くぞ」
ヘンリー:
「え、私達もですか?」
カイ:
「何言ってんだ、当たり前だろ? おまえ達がいなきゃおれは今頃死んでたんだ。むしろこれくらいじゃ返せない借りがあるわけだし」
ヘンリー:
「そんな。むしろ私達の方が返せない借りがあります。本当に今回はすみませんでした」
そうやって再び頭を下げようとする二人だったが、その襟をダリルが掴んでそのまま立たせる。ダリルは笑顔で二人に言った。
ダリル:
「ほら、カイがいいって言ってるんだ。さっさと行こう。私も早くお風呂に入りたいんだ。」
ヘンリー&ロン:
「え、ちょっ、ちょっと!」
そうして、男性陣(ヘンリーとロンを含む)は風呂に入り、その後就寝の時間になった。周囲の見張りは男性陣の誰かがやることになり、ダリルは手綱を引いてもらうから除き、ヘンリーとロンにもレイデンフォート王国へ向かう途中で眠ってしまわないように寝てもらった。結局残ったカイとコルンが見張り番となった。
カイ:
「王子すらも見張り番にするなんてな。平等に扱うのは良い事だと思うけど、おれの場合はむしろ下に見られている気がしなくもないのは何故だろう」
カイがほんの少しの悲しさと共に独り言ちていると、コルンがボソッと呟いた。
コルン:
「……貴様はなかなかいい奴のようだ」
カイ:
「なんだ、今更気付いたのかよ」
コルン:
「どうやら民に慕われているらしいな」
カイ:
「おいおい、暗殺未遂とはいえ実行されているんだぜ? 慕われているとか嫌味かよ」
苦笑してカイが返すが、コルンは本当に感心していた。
コルン:
「今回、貴様が直接何かしたわけではないのだろう。だが、それでも貴様は民の心を変えた。それは人の上に立つ者には必要な才能だ。そういう者でないと民はついていかない」
コルンの言葉に照れたようで、カイは頬を掻いていた。
カイ:
「そんなおだてんなよ。おれはまだそんな人間じゃないよ。でも、いつかそうなれればいいなとは思ってるけど」
コルン:
「……なれるさ、カイならな」
そして二人に沈黙が流れる、と思ったがカイが首を傾げた。
カイ:
「……あれ、今、初めて名前で呼んでくれた?」
コルン:
「気のせいだ」
カイが嬉しそうにコルンの方を見るが、コルンはカイと目を合わせようとはしない。
カイ:
「なんだよー、照れんなよ!」
コルン:
「別に照れてなどいない!」
カイがコルンの肩に手を置いては、コルンがそれを払う。それを何度も繰り返していた。
じゃれ合うカイとコルン。少し二人の仲が深まった夜だった。
暗殺者1:
「おい、どうすんだよ! こんなシールドがあったんじゃ奴に近づけねえだろ!」
リーダー:
「こっちだってこれは想定外なんだよ!」
リーダーが喚き散らす。それを見て仲間はそれぞれ不安そうな面持ちだった。
この暗殺集団、計画があまりに稚拙だったのであった。
暗殺者2:
「何て作戦だよ! こんなんならついてくるんじゃなかったぜ!」
リーダー:
「何だと!? てめぇ調子に乗んじゃ―――」
リーダーと仲間達が喧嘩になりそうなその時だった。
???:
「おーい、おまえら。何やってんだー」
その声に暗殺者達は思わず体を固めてしまう。そしてゆっくりとその声の聞こえた空中へ視線を向けた。そこには彼らのターゲットであるカイが浮かんでいたのだ。
カイはシールドを挟んで彼らの目の前まで下りてくる。
カイ:
「おまえら、レイデンフォートの国民か? 何か困ってるなら助けるけど。ああ、そっか、このシールドが邪魔なんだな。今おれがエイラに解除してきてもらってくるわ」
固まっている暗殺者達をおいて、カイが一人で勝手に納得してエイラの元へ向かおうとする。それに気づいたリーダーが慌ててカイへと声をかけた。
リーダー:
「あ、あの!」
カイ:
「ん?」
カイが声をかけられて後ろを振り向く。本当はその手に持っている剣はなんだ、とか魔力ないのにどうして空から、とか色々疑問があったのだが、エイラの元に戻られるのはマズいのだ。彼らにとって今の状況は千載一遇のチャンスであった。
どうやってシールドからカイを出そうか考えていた時、カイが険しい顔で彼らへと視線を向けていた。
カイ:
「てかさ、さっきからおまえ達なんか殺気飛ばし過ぎじゃね?」
暗殺者達:
「っ!」
カイの言葉に暗殺者達はどよめいた。
リーダー:
「(こいつ、馬鹿王子だと思っていたが、出来る奴なのか……!)」
カイ:
「ここに来る前に何かに襲われたのか? おれは敵じゃないから安心しろ」
リーダー:
「(前言撤回、ただの馬鹿王子だ)」
暗殺者達は安堵して思考を巡らす。そしてようやくいい考えが思いついたのかリーダーが前に出た。
リーダー:
「実はそうなんです。森で魔物に襲われまして負傷者が……。しかし我々だけでは背負って移動できる人数ではなく、手を貸してくれる人を探していたんです」
魔物に襲われて、人に殺意を向ける人などいるだろうか。仲間達の頭に同じような疑問が浮上したが、カイには浮上しなかったらしい。
カイ:
「まじでか!? じゃあ、ちょっと待ってろ! 今もう少し人数を呼んでくる!」
リーダー:
「あ、ま、待ってください! ちょうどあと一人いれば全員運べたんです! ですので、あなたのお力をお貸しいただければ!」
そんな都合のいい話があるだろうか。そう仲間達の頭に疑問が浮かぶ。そもそもの話に無理があるのだ。だが、その無理にもカイは気付かない。
カイ:
「分かった! どこだ!」
そうしてカイは見事にリーダーの思惑通りシールドの外に出た。そしてそのまま暗殺者達の横を通って前に出る。背中ががら空きだった。
その瞬間をリーダーは見逃さない。リーダーはナイフを取り出してカイの頭部めがけて振り下ろした。
………………………………………………………………………………
それはイデア達がお風呂を満喫していた時だった。突然エイラが勢いよく立ち上がったのだ。
ミーア:
「んー、どうしたの、エイラ? もしかしてまたお兄ちゃんが近くにいるのー?」
完全にだらけきったミーアがエイラに尋ねる。だが、エイラの表情は厳しいものだった。
エイラ:
「カイ様がシールドから出ました……!」
イデア&ミーア&ラン&メリル:
「っ!」
突然のことに全員動揺が隠せないでいた。
ミーア:
「何で!? どういう理由で!?」
エイラ:
「分かりません。ですが、このシールドは中から出れても外からは入れないので、どっちにしても向かう必要があります。しかし、カイ様もそのことは分かっているはずなんですが馬鹿なんですかね。ていうか馬鹿でした」
イデア:
「とにかく、カイの元へ急ぎましょう! 何か嫌な予感がします!」
イデアがさっさと風呂を出て服を着る。そしてすごい剣幕でエイラに尋ねた。
イデア:
「カイはどこから出たんですか!」
エイラ:
「え、えっと、あちらです」
イデア:
「カイ、今行きます!」
エイラの指さした方向へとイデアが走り出す。慌ててエイラとランがその後を追った。その途中エイラが振り返ってミーア達へと叫ぶ。
エイラ:
「ミーア様達はダリルに伝えてください! もしかしたら思ったより大事かもしれません!」
ミーア:
「わ、分かった!」
メリル:
「行こう!」
そしてミーアとメリルはダリル達の元へと足を向けた。
………………………………………………………………………………
ダリルとコルンは今がどんな状況なのか知るはずもなく二人で戦っていた。未だコルンの手にはセインらしき武器は握られていない。
ダリルが息を切らしながらコルンへと話しかける。
ダリル:
「セイン無しでこの力……。まだセインを使わないおつもりですか?」
コルン:
「いいえ、そろそろ使おうと思っていました。間違いなく今のままでは勝てないですからね」
そう言うと、コルンは自分の胸に手を伸ばした。その瞬間、まばゆい光がコルンの胸から放たれ、そこからコルンが何かを引き抜く。すると、コルンの手には赤黒いナイフのような短剣が握られていた。
それを見てダリルが感心するように呟く。
ダリル:
「それがあなたの……」
コルン:
「はい。ランから頂いたものです」
コルンがその短剣を構える。ダリルも嬉しそうに剣を構えていた。
コルン:
「では、本気で行きます!」
ダリル:
「望むところです!」
そして、両者が激突する瞬間だった。二人に声がかけられたのだ。
ラン:
「コルン! ダリル! 」
コルン:
「ん、なんだ、今ちょうどいい―――」
ミーア:
「お兄ちゃんに何かあったみたい!」
ダリル:
「何だと!?」
突然の事態にまったくわけがわからないダリルとコルン。
コルン:
「ダリルさん、どうやら……」
ダリル:
「はい、手合わせは終わりのようですね」
二人は頷き合うと、急いでミーア達の元へと駆け寄った。
………………………………………………………………………………
カイは自分へと迫っている凶刃に一切気が付いていなかった。そしてリーダーのナイフがカイへと到達するその瞬間、別のナイフがそれを阻んだ。甲高い金属同士がぶつかる音が鳴り響き、カイは後ろを振り返った。
カイ:
「え、なに!?」
カイが後ろを振り返って驚いていた。何故か目の前で仲間同士がナイフで鍔迫り合いをしていたのだ。凶刃を防いだのは暗殺者の一人だったのである。
リーダー:
「何故邪魔をする!」
暗殺者3:
「ようやく気が付いたよ! 俺達のやろうとしていることは間違っている!」
リーダー:
「何を言っている! さっきまで共に殺そうとしていたじゃないか!」
カイを助けた暗殺者は一瞬その言葉に怯んだが、すぐに強い意志の灯った目でリーダーを睨んだ。
暗殺者3:
「確かにさっきまでは殺そうとしていた。だがな! この人は俺達の言っていることを一切疑わず助けようとしてくれたんだ! この人が王子だろうと違かろうとそんなことはもうどうでもいい! こんな良い人を殺すのは間違っている!」
するとその時、仲間の一人がリーダーに体当たりを喰らわせた。
リーダー:
「うっ!」
倒れ込むリーダー。そのリーダーへと体当たりをかました仲間の一人が叫ぶ。
暗殺者4:
「俺もヘンリーの言う通りだと思う!」
ヘンリー:
「ロン!」
ロン:
「ヘンリー、カイ様をお守りするぞ!」
ヘンリー:
「っ、ああ!」
そしてヘンリーとロンがカイを守るように立ち塞がる。
暗殺者達が二つに分かれ、一触即発の状況の中、カイは全く理解が出来ていなかった。
カイ:
「あのさ、どういうことなの!?」
ヘンリー:
「カイ様、いいからお下がりください! ここは我々が―――」
その時だった。
エイラ:
「その必要はありません」
カイ:
「っ、エイラか!」
カイが視線を向けるとエイラとイデア、ランが風の絨毯に乗ってシールドの境界線に姿を現していた。
イデア:
「カイ、無事ですか!」
カイ:
「いや無事だけどこりゃどういう……。ていうか、もしかして皆風呂から上がったばっかりか? その、あれだ、皆髪濡れてるぞ」
カイの言う通りイデア達の髪は濡れており、さらに頬は上気している。イデアの顔に張りついた髪の毛に色気を感じたカイは、頬を少し染めて視線を逸らしていた。
エイラ:
「何悠長な事言っているんですか」
自分が暗殺されそうになっていることに気付かず、そんな他愛もないことを言ってのけるカイにエイラがため息交じりに呟く。
そんな中、エイラの登場にリーダー達は慌てふためいていた。
リーダー:
「や、やべえ、逃げるぞ!」
エイラの登場で暗殺者達は失敗を悟ったのだ。カイの横を颯爽と駆けて逃げようとする暗殺者達。だが、それを阻むように突如目の前に炎の壁が出現した。
ダリル:
「逃げられると思うなよ」
そしてその炎の中からダリルが現れた。いつの間にかシールドを出て後ろに回っていたのだ。さらに左右からはミーアとコルン、メリルが暗殺者を囲んでいる。
リーダー:
「……駄目だ。もう逃げ場が、ない」
そう言ってリーダーがナイフを地面へ放り投げて手を挙げた。降参したのである。リーダーが降参したのを見て仲間達が次々と武器を放棄して手を挙げていく。
それを見てヘンリーとロンは安堵の息をついた。そして手元から武器を放棄していく。
とりあえず事態が終息へ向かったのを理解して、エイラは全員に声をかけた。
エイラ:
「とりあえず、シールドの中に入りましょうか。ダリルの火に魔物が寄ってきますから」
エイラの提案を呑まない人はその場にいなかった。
………………………………………………………………………………
カイ:
「で、どういうことなんだ?」
シールドの中に入って、元の場所に戻ってからカイが尋ねる。カイはまだ分かっていなかったのだ。その質問にはヘンリーが答えた。ちなみに暗殺者達はヘンリーとロンも含め全員がエイラの作った魔法拘束具で捕らえられている。
ヘンリー:
「カイ様は王族と呼ばれていますが、魔力や何もかも王族のそれとは違いました」
カイ:
「何もかも!?」
ヘンリー:
「そんな人を王族として慕うことは私達には出来ませんでした。そしていつしか暗殺計画が立てられたのです」
カイ:
「あ、暗殺ぅ!?」
カイはようやく自分が暗殺されそうになったことに気付いたのだった。
カイ:
「おれ、暗殺されそうだったの!?」
エイラ:
「いっそ、暗殺されればよかったんじゃありません? 来世に期待しましょうよ。来世は魔力が使えるかもしれませんよ」
カイ:
「死を進めるのやめて!?」
カイ達の茶番を無視して、ですが、とヘンリーが言葉を続ける。
ヘンリー:
「ですがカイ様は王族かどうかはおいといて、とても優しい方だということが今回の件で分かりました」
カイ:
「だからおれを守ったのか」
イデア:
「よく、カイを守ってくださいました。本当にありがとうございます」
イデアが深々とヘンリーとロンに頭を下げる。だが、二人は慌てて首を横に振った。
ロン:
「私達に礼などやめてください。所詮私達はカイ様を殺そうとしました。カイ様を守った程度でこの罪は消えません」
やがて、ヘンリーとロンが膝をついてイデアよりさらに深々と頭を下げた。
ヘンリー&ロン:
「本当に申し訳ありませんでした。私達は牢に入ります」
カイ:
「……」
謝罪を受けて、カイは何やら腕を組んで悩んでいた。
カイ:
「んー……」
イデア:
「カイ、どうしたの?」
カイ:
「いや、ちょっとな。……よし、決めた!」
すると、カイが笑顔でヘンリーとロンへと声を発した。
カイ:
「ヘンリーとロンだっけか、おまえ達に兵士見習いの役職を与える!」
ヘンリー&ロン:
「……え?」
罵倒を浴びせられるものだと思っていた二人は、思わず顔を上げて驚いていた。一方カイは目を閉じて頷きながら話を続けている。
カイ:
「悪いけど、おれ達これから行かなきゃいけないところあるから、そいつらをレイデンフォートまで連れて行けないんだ。だからおまえ達に命じる! そいつらをレイデンフォート城まで連れて行ってくれ!」
ヘンリー:
「なっ、しかし、我々は……!」
カイ:
「おまえ達は見た目で人を判断してはいけないと分かったんだろ? 相手の中身を見て判断できたんだろ? 仲間を裏切ってまで自分の正義を貫いたんだ。もうあんた達は大丈夫! きっといい兵士になれるさ!」
カイの言葉にヘンリーとロンは言葉を失っており、エイラはため息をついていた。
エイラ:
「まったく、カイ様は甘いですね」
カイ:
「悪いが譲らんぞ。それに、おれ達がレイデンフォートに戻れないのも事実だろ」
エイラ:
「別に悪いと言ってません。今回は特に意見もありませんし」
カイ:
「いつも意見がなければいいんだけど」
エイラ:
「それは無理ですよ。カイ様の発言一つ一つに私は文句がありますから」
カイ:
「一つ一つ!?」
驚くカイを無視してエイラがヘンリーとロンに話しかける。
エイラ:
「あの方達にかけた魔法は《スネークリング》と言って、万が一無理やりそれを外した場合そのままこの世とおさらばになる魔法です。ですので逃げようとはしないと思いますが一応は気を付けてください。そして城に戻ったらこのことをゼノ様に起こった出来事を報告してください」
ロン:
「ゼノ様、にですか?」
エイラ:
「はい。あの人、会おうと思ったら会えますから」
カイ:
「王とは思えないな」
エイラ:
「ゼノ様なら分かってくれるでしょうから、兵士見習いとして雇ってくれるかもしれません。まぁ、元の仕事がいいならそちらでもいいですけど。あ、間違ってもライナス様とデイナ様には見つからないように。見つかっても適当にはぐらかすのですよ。分かりましたか?」
ヘンリー&ロン:
「わ、分かりました……!」
長く喋ったエイラにカイがため息をつく。
カイ:
「おまえはお母さんか」
エイラ:
「そこまでうるさく言った覚えはないのですが。全て必要な情報ですよ」
ようやく話が終わってカイ達は一息つく。
カイ:
「とりあえず、まだ夜だからヘンリー達も出発は明日の早朝だな」
エイラ:
「あの方達は魔法で作った牢にでも放り込んでおきましょう」
ダリル:
「じゃ、男性陣はお風呂でも入ってくるか」
カイ:
「そうだな」
そう言ってカイとダリル、コルンが立ち上がる。すると、カイがまだ膝をついているヘンリーとロンへと声をかけた。
カイ:
「ほら、二人共行くぞ」
ヘンリー:
「え、私達もですか?」
カイ:
「何言ってんだ、当たり前だろ? おまえ達がいなきゃおれは今頃死んでたんだ。むしろこれくらいじゃ返せない借りがあるわけだし」
ヘンリー:
「そんな。むしろ私達の方が返せない借りがあります。本当に今回はすみませんでした」
そうやって再び頭を下げようとする二人だったが、その襟をダリルが掴んでそのまま立たせる。ダリルは笑顔で二人に言った。
ダリル:
「ほら、カイがいいって言ってるんだ。さっさと行こう。私も早くお風呂に入りたいんだ。」
ヘンリー&ロン:
「え、ちょっ、ちょっと!」
そうして、男性陣(ヘンリーとロンを含む)は風呂に入り、その後就寝の時間になった。周囲の見張りは男性陣の誰かがやることになり、ダリルは手綱を引いてもらうから除き、ヘンリーとロンにもレイデンフォート王国へ向かう途中で眠ってしまわないように寝てもらった。結局残ったカイとコルンが見張り番となった。
カイ:
「王子すらも見張り番にするなんてな。平等に扱うのは良い事だと思うけど、おれの場合はむしろ下に見られている気がしなくもないのは何故だろう」
カイがほんの少しの悲しさと共に独り言ちていると、コルンがボソッと呟いた。
コルン:
「……貴様はなかなかいい奴のようだ」
カイ:
「なんだ、今更気付いたのかよ」
コルン:
「どうやら民に慕われているらしいな」
カイ:
「おいおい、暗殺未遂とはいえ実行されているんだぜ? 慕われているとか嫌味かよ」
苦笑してカイが返すが、コルンは本当に感心していた。
コルン:
「今回、貴様が直接何かしたわけではないのだろう。だが、それでも貴様は民の心を変えた。それは人の上に立つ者には必要な才能だ。そういう者でないと民はついていかない」
コルンの言葉に照れたようで、カイは頬を掻いていた。
カイ:
「そんなおだてんなよ。おれはまだそんな人間じゃないよ。でも、いつかそうなれればいいなとは思ってるけど」
コルン:
「……なれるさ、カイならな」
そして二人に沈黙が流れる、と思ったがカイが首を傾げた。
カイ:
「……あれ、今、初めて名前で呼んでくれた?」
コルン:
「気のせいだ」
カイが嬉しそうにコルンの方を見るが、コルンはカイと目を合わせようとはしない。
カイ:
「なんだよー、照れんなよ!」
コルン:
「別に照れてなどいない!」
カイがコルンの肩に手を置いては、コルンがそれを払う。それを何度も繰り返していた。
じゃれ合うカイとコルン。少し二人の仲が深まった夜だった。
0
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
『王都の神童』と呼ばれた俺、職業選定でまさかの【遊び人】三連発で追放される。……が、実は「全職業のスキル」を合算して重ねがけできる唯一のバグ
よっしぃ
ファンタジー
王都で「神童」の名をほしいままにしていた少年、ディラン・アークライト(17歳)。
剣を握れば騎士団長を唸らせ、魔法を学べば賢者を凌駕する。誰もが彼を「次代の勇者」と信じて疑わなかった。
しかし、運命の職業選定で彼が得たのは――【遊び人】。
それも、三つの職業スロットすべてが【遊び人】で埋まるという、前代未聞の怪現象だった。
「期待外れだ」
「国の恥晒しめ」
掌を返した周囲によって、ディランは着の身着のままで街を追放される。 だが、かつて神童と呼ばれた彼の「分析力」は死んでいなかった。
『……Lv1なのに、ステータスが異常に高い? それに経験値が分散せず、すべて加算されている……?』
彼だけが気づいた真実。
それは【遊び人】という名に偽装された、この世界の管理者権限(Free-Hander)であり、全職業のスキルを制限なく使用・強化できるバグ技(デバッグモード)への入り口だったのだ。
これは、理不尽に捨てられた元・神童が、その頭脳とバグ能力で世界を「攻略」し、同じく不遇な扱いを受けていた美少女騎士(中身は脳筋)と共に、誰よりも自由に成り上がる物語。
【著者プロフィール】アルファポリスより『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』を出版、オリコンライトノベル部門18位を記録。本作は2月に2巻刊行予定。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
追放された味噌カス第7王子の異種族たちと,のんびり辺境地開発
ハーフのクロエ
ファンタジー
アテナ王国の末っ子の第7王子に産まれたルーファスは魔力が0で無能者と言われ、大陸の妖精族や亜人やモンスターの多い大陸から離れた無人島に追放される。だが前世は万能スキル持ちで魔王を倒し英雄と呼ばれていたのを隠し生まれ変わってスローライフを送る為に無能者を装っていたのだ。そんなルーファスはスローライフを送るつもりが、無人島には人間族以外の種族の独自に進化した先住民がおり、周りの人たちが勝手に動いて気が付けば豊かで平和な強国を起こしていく物語です。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
田舎娘、追放後に開いた小さな薬草店が国家レベルで大騒ぎになるほど大繁盛
タマ マコト
ファンタジー
【大好評につき21〜40話執筆決定!!】
田舎娘ミントは、王都の名門ローズ家で地味な使用人薬師として働いていたが、令嬢ローズマリーの嫉妬により濡れ衣を着せられ、理不尽に追放されてしまう。雨の中ひとり王都を去ったミントは、亡き祖母が残した田舎の小屋に戻り、そこで薬草店を開くことを決意。森で倒れていた謎の青年サフランを救ったことで、彼女の薬の“異常な効き目”が静かに広まりはじめ、村の小さな店《グリーンノート》へ、変化の風が吹き込み始める――。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる