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128 試練⑬
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フード姿の男は全部で4人。
バス停に近づくと、男たちが動き出し、僕を取り囲んだ。
ほかに客はなかった。
僕はさっき見たサイトの投稿を思い出した。
ーきょうは貸切や。やりたい放題だぜー
公営のバスを貸し切るなんてこと、はたして可能なのだろうか。
あるいは、これから来るのは、市バスに擬態した、希京が差し向けた”私バス”とでもいうべきものなのだろうか。
僕を囲んだ男たちは無言だった。
一言もしゃべらず、コートの裾をめくって、中に手を入れて来た。
ひと呼吸遅れて、他の三人の手も伸びる。
胸を、下腹を、尻を、撫でられた。
不思議と嫌悪感はなかった。
むしろ、気持ちいいとさえ、いえた。
身体があの時の愉楽を覚えているのかもしれなかった。
希京の家と、帰りの痴漢バスでの経験。
その後、別の日に、訪れたヨミに躰をまさぐられ、逝かされたことー。
そんな経験が、明らかに僕を変えつつあった。
快感に筋肉が収縮しー。
躰を弄られる感触に、危うく吐息が漏れそうになる。
そのうちに、ひとりがサッとてをひっこめた。
驚いたような眼で、僕の顏を覗き込む。
仕掛けに気づいたのだ。
ふたつの乳首と陰茎の裏に装着された、ミニローターの存在に。
むろん、本当はもう一つ、肛門に差し込まれたアナルスティックもあるのだが・・・。
僕の躰から手を引き、フードの下の顔を見合わせる男たち。
その目に、ケダモノめいた光が浮かぶ。
と。
そこへ、ブレーキ音を響かせて、バスがやってきた。
見上げると、窓から鈴なりになった乗客たちが、僕を見下ろしていた。
予想通りだった。
全員男で、黒いフード付きのコートを着ているようだ。
”快楽の園”
中世ヨーロッパの有名画家の絵画のタイトルが頭に浮かんだ。
そう。
このバスは紛れもなく、僕にとっての”快楽の園”なのだ・・・。
バス停に近づくと、男たちが動き出し、僕を取り囲んだ。
ほかに客はなかった。
僕はさっき見たサイトの投稿を思い出した。
ーきょうは貸切や。やりたい放題だぜー
公営のバスを貸し切るなんてこと、はたして可能なのだろうか。
あるいは、これから来るのは、市バスに擬態した、希京が差し向けた”私バス”とでもいうべきものなのだろうか。
僕を囲んだ男たちは無言だった。
一言もしゃべらず、コートの裾をめくって、中に手を入れて来た。
ひと呼吸遅れて、他の三人の手も伸びる。
胸を、下腹を、尻を、撫でられた。
不思議と嫌悪感はなかった。
むしろ、気持ちいいとさえ、いえた。
身体があの時の愉楽を覚えているのかもしれなかった。
希京の家と、帰りの痴漢バスでの経験。
その後、別の日に、訪れたヨミに躰をまさぐられ、逝かされたことー。
そんな経験が、明らかに僕を変えつつあった。
快感に筋肉が収縮しー。
躰を弄られる感触に、危うく吐息が漏れそうになる。
そのうちに、ひとりがサッとてをひっこめた。
驚いたような眼で、僕の顏を覗き込む。
仕掛けに気づいたのだ。
ふたつの乳首と陰茎の裏に装着された、ミニローターの存在に。
むろん、本当はもう一つ、肛門に差し込まれたアナルスティックもあるのだが・・・。
僕の躰から手を引き、フードの下の顔を見合わせる男たち。
その目に、ケダモノめいた光が浮かぶ。
と。
そこへ、ブレーキ音を響かせて、バスがやってきた。
見上げると、窓から鈴なりになった乗客たちが、僕を見下ろしていた。
予想通りだった。
全員男で、黒いフード付きのコートを着ているようだ。
”快楽の園”
中世ヨーロッパの有名画家の絵画のタイトルが頭に浮かんだ。
そう。
このバスは紛れもなく、僕にとっての”快楽の園”なのだ・・・。
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