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129 試練⑭

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 男たちは僕を撮り囲むと、引きずるようにしてバスのタラップを上がった。
 
 ワンマンバスなのに、誰も料金を祓おうとしない。

 いや、それどころか、運転手も見て見ぬふりだ。

 明らかに異常事態なのに、制帽で顔を隠し、真っ直ぐ前方を見つめているだけだ。

 すべてが計画されている?

 その思いが更に強くなる。

 これは僕を試すために希京が仕掛けた罠なのだ。

 バスの中はフード付きのコートを着た男たちで立錐の余地もない。

 僕が引きずり込まれると、男たちが位置を変え、バスの真ん中に空間を作った。

 四方から手が伸びて、容赦なく僕のコートにかかった。

「や、やめろ!」

 叫んだけど、無駄だった。

 次の瞬間、僕はコートをはぎ取られ、あられもない姿で男たちの輪の中に立っていた。

 筋肉質の細マッチョの裸体を、亀甲縛りに拘束するメッシュの黒い紐下着。

 股間はむっくりと盛り上がり、バナナそっくりの中身の形を誇示している。

 誰かが背後から僕の腕を掴み、手首から先を吊り革の輪にくぐらせ、万歳の姿勢に固定した。

 余計に露わになる裸身。

 乳首に貼りつけられたふたつのローターに、男たちの眼が釘付けになる。

 そのうちのひとりが、僕の左手首のウェアラブルウォッチに手を伸ばし、画面を慣れた手つきでスワイプした。

「ああああ!」

 僕が声を上げたのは他でもない。

 突然、4つの性具の振動が一気に強まったのだ。

 一対の勃起乳首が小刻みに震え、硬くなった乳頭がメッシュの生地に擦られる。

 股間では、裏側に装着されたローターの振動により、Vゾーンからはみ出しそうな勢いで性器が震えている。

 振動で、徐々に包皮が後退し、濡れそぼった中身が露出していくのが分かる。

 はみ出た部分が、下着のメッシュに擦れて、気持ち、いい。

 更に問題は、肛門の奥だった。

 開発されたばかりの初心な穴の中を、淫らなスティックが、烈しく書き回し始めたのだ。

「ああああんっ」」

 顔をのけぞらせ、思わず甲高い声で鳴いてしまった。
 
 こいつら、知ってるのか・・・。

 4か所から湧き上がる得も言われぬ快感に身悶えを始めながら、混乱する頭で僕は思った。
 
 僕が希京にどんな試練を与えられたかってことを・・・。

 両手首を手錠代わりの吊り輪で拘束され、磔に近い格好で紐下着で強調された裸体をひくつかせる僕。

 男たちは一歩下がって、そんな僕の痴態を見つめている。

 やがてー。

 衣ずれの音があちこちで響き、僕の裸体を血走った眼で凝視しながら、乗客たちが一斉にコートを脱ぎ始めた。

 

 

 

 
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