バナナの皮を剥くように ~薔薇色の少年~ 

ヤミイ

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127 試練⑫

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 紐下着の上からコートを羽織り、外に出た。

 ローターの振動で乳首がビンビンに尖り、Vゾーンでは直立した肉バナナが今にも飛び出しそうに勃っていた。

 バス停までのわずかな距離が、気が遠くなるほど、長く感じられた。

 足を一歩踏み出すだけで新たな刺激が沸き起こり、喉から喘ぎ声が漏れてしまうのだ。

 勃ちに勃ったふたつの乳首と性器もそうだけど、意外に効いてくるのが、肛門に差し込んだ性具だった。

 会陰部に貼りつき、外側から前立腺を刺激すると同時に、直腸に挿入された管状の部位で、内側から性腺刺激中枢を責めるー。

 遠隔で振動するアナルスティックである。

 それが、歩く時、両脚を交差させるたびに、尻の筋肉の動きで押されて、内と外から前立腺に食い込むのだ。

 半分まで来た時には、紐下着の股間の部分に、黒い染みができていた。

 あまりの快感に、性行為をスムーズに行うためにあらかじめ分泌されるあの体液ー。

 お馴染みのカウパー腺液が尿道口から滲み出てきたのである。

 紐下着は黒のメッシュだからあまり汚れは目立たないが、ひとたび満員バスに乗り込んだら、かなり臭うに違いなかった。

 カウパー腺液自体は無臭らしいのだが、僕の場合、仮性包茎だから、他の臭いが混じるのである。

 鰹出汁に似たその匂いは、アンモニアと恥垢で絶妙に味付けされており、ある種の変態にはたまらない・・・。

 例のサイトには、そんな書き込みも踊っていた。

 つまり僕は、匂いでも痴漢たちを興奮させてしまうというわけだ・・・。

 平日の朝だけあって、バス停には人だかりができていた。

 が、よく見ると、二列に並んだ乗客たちには、ある共通点があった。

 全員男で、フード付きの長いコートで全身を覆っているのである。

 しかも、コートの裾から出た足は、裸足に直接靴を履くという、僕と同じ奇妙なスタイルをとっているー。

 こ、これって・・・。

 どきんと、胸郭内で心臓が飛び跳ねた。

 恐怖で唾液がシュンと音を立てて引き、口の中がカラカラになった。

 気配に気づき、男たちが一斉に僕を見た。

 フードの下の暗闇から、血走った双眸が僕の躰を舐めるように撫で回す。

 ヤバい!

 こんなの、ヤバ過ぎる!

 本能的に及び腰になっていた。

 逃げようと踵を返しかけた時だった。

「あっ!」

 ふいに背後から抱きしめられ、僕は小さく叫んでいた。

 
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