バナナの皮を剥くように ~薔薇色の少年~ 

ヤミイ

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27 奇怪な儀式③

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 屈辱感に苛まれながら、まず上半身裸になった。

「へーえ、思ったより、いい躰してるんだ。肉体は体育会系なのかな」

 小柄だが、筋肉質の僕の上半身をまじまじと見つめて、ヨミが言う。

「乳首の色も綺麗だし、ますます気に入ったよ」

「や、やめろよ・・・」

 目を伏せ、次にジーンズを脱ぎ、下履き一枚の姿へとー。

「ほう、ビキニショーツか」

 僕の下半身を一瞥して、今度は蟇蛙男が感心したようにつぶやいた。

「しかも肌の色と同じ、ベージュ色か。トランクス型じゃないなんて、今時珍しいね。でも、似合ってるよ」

 同調して、にやにや笑うヨミ。

 僕は赤くなり、ショーツの前を手で隠そうとした。

 アレが、硬くなり始めていたからである。

 このショーツでは、躰にフィットしすぎて、膨らみを隠しようがないのだ。

 しまった、と思う。

 僕はいつも、オナニー用に、柔らかな生地のビキニショーツを愛用している。

 これだと、上から触るだけで気持ちよくなれ、横から引っ張り出すと、根元が締めつけられてより卑猥な気分が味わえる。

 特に、鏡やスマホの画面に映すと最高だ。

 ビキニショーツを穿き、勃起した己の姿を見ながらオナニーする。

 まだ童貞の僕にとって、これに勝る快楽はない。

 それを、こんなふうに、ひとに見られる羽目に陥ろうとは夢想だにしなかった、というのが正直なところだった。

「手をどけろ」

 蟇蛙の不機嫌そうな声。

「そうだよ。和夫も僕のを見ただろ?」

 かさにかかるヨミ。

 仕方なく、両手をどけて、腰の後ろに回した。

 もっこりと盛り上がったショーツの前部が丸見えになり、ふたりの視線がそこに集中するのがわかった。

 ピチピチの布地は、へそに向かってバナナを突っ込んだように膨らんでいる。

 しかも、ショーツが浅すぎるせいで、先っちょが見えかけていた。

 本格的に勃起すると、亀頭の半分が飛び出てしまう。

 それほどこのショーツ、股繰りが浅いのである。

「なかなかいいね。匂いもきつい」

「この匂い、皮被りか」

「それは見ればわかるよ。さ、和夫、そのショーツも脱いでごらん」

「・・・・・・」

 僕は顔を背けた。

 恥辱で耳たぶまで熱くなっている。

 むろん、頑なに拒否し続けることもできたかもしれない。

 だが、そうしなかったのは、こみ上げる衝動が原因だった。 

 まるで、オナニーの現場を見られているみたいな、背筋がぞくぞくする快感ー。

 股間の膨らみに向けられる視線に、僕はそれを感じないではいられなかったのであるー。 

 
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