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26 奇怪な儀式②
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「いいから脱げ。脱いでそこに四つん這いになるのだ」
不機嫌なブルドックのような顏で、希京が低いテーブルを顎で指し示す。
「だってさ」
希京に肩を抱かれたヨミが身を起こし、
「お願い、僕のためだと思って、やってみせてよ」
僕に向かって拝むような仕草をする。
「だいたいさ、和夫はさっき、僕の裸を見ただろう? これでおあいこじゃないか」
なに?
そのひと言に、鋭い目つきで希京がヨミを見た。
「どういうことだ? そういえばおまえ、なんだ、その格好は?」
「ちょっと満員バスの中で痴漢に遭っちゃって、それで粗相して服を汚しちゃったんで、車の中で着替えたんだよ」
悪びれる風もなくヨミが答えると、
「しょうがないやつだな」
ブルドックの眼が陰湿な光を帯びた。
「後で詳しく話せ。何をされて、どう感じて、どうなったのか」
「うふふ、もちろんだよ」
ヨミの手が希京の和服の裾を割る。
どうやら太腿の辺りに触れているようだ。
その光景に、きょう目にしたヨミの痴態がいきなり脳裏にフラッシュバックして、僕は眩暈に襲われた。
バスのタラップを登るとき、目の前で交互に動いたヨミの桃のような尻の肉。
(そういえば、あの瞬間僕は、彼が下着を穿いていないことを確信したのだ・・・)
バスの中、吊り革につかまって僕の前に立ったヨミ。
乳首と性器が浮き出た、躰にフィットした純白のヨミの衣装。
やがて、背後から男の手が現れて、その上を這い回り出すと・・・。
めくり上げられるTシャツ。
剥き出しにされた桜色の肉芽が目に痛い。
更に、あまりにも細いスキニーパンツの前を押し上げ、淫らに膨張し始める肉の棒。
執拗な愛撫に、気持ちよさそうに舌を垂らして喘ぐヨミ。
そしてその後、車のシートにもたれた全裸のヨミの股間には、スキニーパンツの下にあった薔薇色のアレが・・・。
「さあ、どうする、和夫?」
太腿を撫でられ、自分からも撫でながら、ヨミが訊いてくる。
気のせいか、ふたりとも、股間が膨らみ始めているようだ。
「わ、わかったよ」
気がつくと、そう答えていた。
カッと頭に血が上り、何が何だかわからなくなってしまっていた。
ただ、ここで一線を越えておかないと、ヨミが遠くに離れていってしまう気がした。
そしてあの化け物の手にー。
今になって思うと、僕を突き動かしたのは、おそらくそのことに対する恐怖だったのだろう…。
不機嫌なブルドックのような顏で、希京が低いテーブルを顎で指し示す。
「だってさ」
希京に肩を抱かれたヨミが身を起こし、
「お願い、僕のためだと思って、やってみせてよ」
僕に向かって拝むような仕草をする。
「だいたいさ、和夫はさっき、僕の裸を見ただろう? これでおあいこじゃないか」
なに?
そのひと言に、鋭い目つきで希京がヨミを見た。
「どういうことだ? そういえばおまえ、なんだ、その格好は?」
「ちょっと満員バスの中で痴漢に遭っちゃって、それで粗相して服を汚しちゃったんで、車の中で着替えたんだよ」
悪びれる風もなくヨミが答えると、
「しょうがないやつだな」
ブルドックの眼が陰湿な光を帯びた。
「後で詳しく話せ。何をされて、どう感じて、どうなったのか」
「うふふ、もちろんだよ」
ヨミの手が希京の和服の裾を割る。
どうやら太腿の辺りに触れているようだ。
その光景に、きょう目にしたヨミの痴態がいきなり脳裏にフラッシュバックして、僕は眩暈に襲われた。
バスのタラップを登るとき、目の前で交互に動いたヨミの桃のような尻の肉。
(そういえば、あの瞬間僕は、彼が下着を穿いていないことを確信したのだ・・・)
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やがて、背後から男の手が現れて、その上を這い回り出すと・・・。
めくり上げられるTシャツ。
剥き出しにされた桜色の肉芽が目に痛い。
更に、あまりにも細いスキニーパンツの前を押し上げ、淫らに膨張し始める肉の棒。
執拗な愛撫に、気持ちよさそうに舌を垂らして喘ぐヨミ。
そしてその後、車のシートにもたれた全裸のヨミの股間には、スキニーパンツの下にあった薔薇色のアレが・・・。
「さあ、どうする、和夫?」
太腿を撫でられ、自分からも撫でながら、ヨミが訊いてくる。
気のせいか、ふたりとも、股間が膨らみ始めているようだ。
「わ、わかったよ」
気がつくと、そう答えていた。
カッと頭に血が上り、何が何だかわからなくなってしまっていた。
ただ、ここで一線を越えておかないと、ヨミが遠くに離れていってしまう気がした。
そしてあの化け物の手にー。
今になって思うと、僕を突き動かしたのは、おそらくそのことに対する恐怖だったのだろう…。
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