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記憶喪失の少年
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家に帰り買った物を仕舞い、少し休む為にお茶にする。
「春陽、商店街はどうだった?」
「楽しかったです。」
「一人で行けそう?」
「はい。一寸ドキドキしますが大丈夫です。行けます!」
「そう?けどまぁ、一人で行けても必ずジョンを連れて行く事!いいね。それと無理そうだったら絶対に無理はせずに家に在る物で作ってくれればいいから、買い出しより春陽の方が何倍も大事だからね!」
「・・・はい。」
おっ?
春陽が顔を赤くしている。本当に感情が表に出る様になったなぁ。これが俺に言われて照れているなら嬉しいが春陽の感情は本当に判りずらい。俺も解る様に頑張らなきゃな。
さて、洗濯物も仕舞い夕飯の準備です。
「その前に、はいタブレット。春陽は使った事ある?」
「多分ないです。」
「じゃあ、PCは?ある?使い方は一緒それをマウスじゃなくて指で操作する。インターネットは?あるじゃあ大丈夫だね、インターネットはここから入れるから。さっそくやってみよう。」
春陽はタブレットを持ったまま固まっている。
これは何をするのか分ってないな、俺の言い方が悪かったかいけないいけない。
「ごめん春陽。これで白菜と豚バラの鍋の作り方を調べようと思ってな。調べてくれるか?」
「眞一さんは作り方を知っているのではないのですか?」
「俺は知っているけど春陽は知らないだろ?それにこれからTVを見てて作ってみたいのがあった時書庫から探すは大変だし無いかも知れないだろ、そんな時に調べられる様に今日は試しにやってみようかと。」
「解りました。えっと・・・ここを触れば良いんですよね?・・・ここに入力して・・・あっ結構ある。」
「そうだな、気になるのを幾つか開いて見て作り易そうなのとか美味しそうなのとかを選べばいいよ。」
春陽は真剣な顔で幾つかのサイトを開いて見比べているけど、白菜と豚バラの鍋は大して変わり映えはしないんだよな。出汁の味が変わる位で。
「・・・どれも殆んど同じですね。どうしよう・・・。」
やっぱり目新しい物はなかったか。
「じゃあ、それらを参考にして後は適当にやってみれば?簡単な鍋だし。なっ?」
「・・・はい。そうします。」
「じゃあ、始めようか。」
「はい。」
手を洗い白菜を剥して行くそれを春陽に渡し洗ってもらう。まな板に剥した順番に重ねる。
「春陽、白菜は大きいから軸を挟んで左右にお肉を縦に並べてここの広い部分には半分に切った肉を並べてその上に次の葉っぱを重ねる。この時に剥した順番に重ねると綺麗に重ねられるからね。」
「成程。はい、解りました。」
「じゃあ、どんどん重ねて行こう!」
「はい。」
俺が白菜を剥き洗い春陽が重ねて行く丁寧にゆっくりと、5層位になったらひっくり返して食べ易い様に縦に半分に切り3cm幅で切っていきそれを土鍋に並べて行く。土鍋を使う時は直前に洗わず内側を拭くだけ外側の鍋底が濡れていると鍋が割れる原因となる、なので決して濡れない様に気を付けながら白菜を並べて行く。俺とじぃさんが大食いだから2層にしてぎっしり詰める。
「春陽、出汁はどうする?なしでもいいし、鰹節・昆布・コンソメ・鶏ガラ各種取り揃えておりますよ?」
「くす。では鰹節でお願いします。」
おっ!笑った!?
笑顔はやっぱり可愛いなぁ。言えばきっと元に戻ってしまうだろうから我慢我慢、もっと色々な表情が出せる様になればいいんだが。
鍋は後煮るだけなので放置。その間に味噌汁サラダ等を作っていく、今日は貰った苺があるのでそれもヘタを取っておく。ご飯が炊きあがり2人を呼びに行こうとしたら丁度来たのでご飯にする。
「おっ、今日は鍋かい?いいねぇこの匂いは・・・。」
「あっ!白菜と豚バラのミルフィーユだ!僕これ好き。久し振りじゃない?」
「春陽がTVを観ていて気になったね、それで今日作ったわけだ。さぁ、食べよう。」
「「「「いただきます。」」」」
「春陽、自分の箸でそのまま取っていいよ。家族だけだからね。味付けはどうする?味ポンに柚子ポン酢・昆布ポン酢色々あるけど?」
箸を握り締め悩んでいる。ポン酢の種類に驚いているのかな?うちは駿二がポン酢好きだから結構種類があるんだよね。旅行のお土産にポン酢を買って来る位に好きで全国の珍しいポン酢をお取り寄せしている。柚子ポン酢だけでも何種類かあるし、俺はそこまで拘らないからなぁ同じαのじぃさんも味ポン1本で事足りるし、ひょっとして女性やΩは好きな人が多いのかもしれない。
春陽は結局駿二お勧めの柚子ポン酢を使う事にしたみたいだ。俺は今日は昆布にしよう。
「あっ、美味しい・・・。」
「でしょ!この柚子ポン酢は柚子農家さんが作っている拘りのポン酢なんだよ。ここのポン酢の拘りは・・・」
普段大人しい駿二は何故かポン酢の事になると止まらなくなる。
異常なポン酢愛がある。
駿二を無視して春陽に感想を聞く。
「口に合うなら良かった。作ってみてどうだった?」
「簡単で沢山作れる上に美味しいです。」
「これは挟むだけで簡単だよね。白菜と豚バラ以外にも人参をピーラーで薄く長く剥いてそれを挟むのも美味しいよ。まぁ、挟めれば何でもありだから。又作ってくれる?」
「はい。次回はその人参入りを作ってみたいです。」
駿二の‟ポン酢トーク”をBGMに聞きながら楽しく話をし、春陽の‟初めてのミルフィーユ鍋”は完食しました。
「春陽、商店街はどうだった?」
「楽しかったです。」
「一人で行けそう?」
「はい。一寸ドキドキしますが大丈夫です。行けます!」
「そう?けどまぁ、一人で行けても必ずジョンを連れて行く事!いいね。それと無理そうだったら絶対に無理はせずに家に在る物で作ってくれればいいから、買い出しより春陽の方が何倍も大事だからね!」
「・・・はい。」
おっ?
春陽が顔を赤くしている。本当に感情が表に出る様になったなぁ。これが俺に言われて照れているなら嬉しいが春陽の感情は本当に判りずらい。俺も解る様に頑張らなきゃな。
さて、洗濯物も仕舞い夕飯の準備です。
「その前に、はいタブレット。春陽は使った事ある?」
「多分ないです。」
「じゃあ、PCは?ある?使い方は一緒それをマウスじゃなくて指で操作する。インターネットは?あるじゃあ大丈夫だね、インターネットはここから入れるから。さっそくやってみよう。」
春陽はタブレットを持ったまま固まっている。
これは何をするのか分ってないな、俺の言い方が悪かったかいけないいけない。
「ごめん春陽。これで白菜と豚バラの鍋の作り方を調べようと思ってな。調べてくれるか?」
「眞一さんは作り方を知っているのではないのですか?」
「俺は知っているけど春陽は知らないだろ?それにこれからTVを見てて作ってみたいのがあった時書庫から探すは大変だし無いかも知れないだろ、そんな時に調べられる様に今日は試しにやってみようかと。」
「解りました。えっと・・・ここを触れば良いんですよね?・・・ここに入力して・・・あっ結構ある。」
「そうだな、気になるのを幾つか開いて見て作り易そうなのとか美味しそうなのとかを選べばいいよ。」
春陽は真剣な顔で幾つかのサイトを開いて見比べているけど、白菜と豚バラの鍋は大して変わり映えはしないんだよな。出汁の味が変わる位で。
「・・・どれも殆んど同じですね。どうしよう・・・。」
やっぱり目新しい物はなかったか。
「じゃあ、それらを参考にして後は適当にやってみれば?簡単な鍋だし。なっ?」
「・・・はい。そうします。」
「じゃあ、始めようか。」
「はい。」
手を洗い白菜を剥して行くそれを春陽に渡し洗ってもらう。まな板に剥した順番に重ねる。
「春陽、白菜は大きいから軸を挟んで左右にお肉を縦に並べてここの広い部分には半分に切った肉を並べてその上に次の葉っぱを重ねる。この時に剥した順番に重ねると綺麗に重ねられるからね。」
「成程。はい、解りました。」
「じゃあ、どんどん重ねて行こう!」
「はい。」
俺が白菜を剥き洗い春陽が重ねて行く丁寧にゆっくりと、5層位になったらひっくり返して食べ易い様に縦に半分に切り3cm幅で切っていきそれを土鍋に並べて行く。土鍋を使う時は直前に洗わず内側を拭くだけ外側の鍋底が濡れていると鍋が割れる原因となる、なので決して濡れない様に気を付けながら白菜を並べて行く。俺とじぃさんが大食いだから2層にしてぎっしり詰める。
「春陽、出汁はどうする?なしでもいいし、鰹節・昆布・コンソメ・鶏ガラ各種取り揃えておりますよ?」
「くす。では鰹節でお願いします。」
おっ!笑った!?
笑顔はやっぱり可愛いなぁ。言えばきっと元に戻ってしまうだろうから我慢我慢、もっと色々な表情が出せる様になればいいんだが。
鍋は後煮るだけなので放置。その間に味噌汁サラダ等を作っていく、今日は貰った苺があるのでそれもヘタを取っておく。ご飯が炊きあがり2人を呼びに行こうとしたら丁度来たのでご飯にする。
「おっ、今日は鍋かい?いいねぇこの匂いは・・・。」
「あっ!白菜と豚バラのミルフィーユだ!僕これ好き。久し振りじゃない?」
「春陽がTVを観ていて気になったね、それで今日作ったわけだ。さぁ、食べよう。」
「「「「いただきます。」」」」
「春陽、自分の箸でそのまま取っていいよ。家族だけだからね。味付けはどうする?味ポンに柚子ポン酢・昆布ポン酢色々あるけど?」
箸を握り締め悩んでいる。ポン酢の種類に驚いているのかな?うちは駿二がポン酢好きだから結構種類があるんだよね。旅行のお土産にポン酢を買って来る位に好きで全国の珍しいポン酢をお取り寄せしている。柚子ポン酢だけでも何種類かあるし、俺はそこまで拘らないからなぁ同じαのじぃさんも味ポン1本で事足りるし、ひょっとして女性やΩは好きな人が多いのかもしれない。
春陽は結局駿二お勧めの柚子ポン酢を使う事にしたみたいだ。俺は今日は昆布にしよう。
「あっ、美味しい・・・。」
「でしょ!この柚子ポン酢は柚子農家さんが作っている拘りのポン酢なんだよ。ここのポン酢の拘りは・・・」
普段大人しい駿二は何故かポン酢の事になると止まらなくなる。
異常なポン酢愛がある。
駿二を無視して春陽に感想を聞く。
「口に合うなら良かった。作ってみてどうだった?」
「簡単で沢山作れる上に美味しいです。」
「これは挟むだけで簡単だよね。白菜と豚バラ以外にも人参をピーラーで薄く長く剥いてそれを挟むのも美味しいよ。まぁ、挟めれば何でもありだから。又作ってくれる?」
「はい。次回はその人参入りを作ってみたいです。」
駿二の‟ポン酢トーク”をBGMに聞きながら楽しく話をし、春陽の‟初めてのミルフィーユ鍋”は完食しました。
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