闇の記憶

姫川 林檎

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記憶喪失の少年

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さぁ、春陽家の味はどんな味かな?

「・・・・。」

「美味い!春陽のめんつゆは具沢山で茸も入って出汁が効いててとても美味い。」

「良かった・・・。口に合わなかったらどうしようかと思った。」

「それはないだろ。春陽は今までに色々作ってくれてどれも美味しかったから、春陽は料理が上手いから自信もっていいよ。」

「・・・あっ有難う御座います。」

春陽の作ってくれた饂飩を美味しく頂きました。饂飩を啜る姿も可愛い♪少ない量を一生懸命食べるがゆっくりな春陽は大盛りの俺と食べ終わるのが一緒になった。



ソファでゆっくりと休みながら春陽に今後に付いて頼む。

「春陽にお願いがあるんだけど。」

「はい、何でしょうか?」

「春陽は料理が得意だからこれから食事をお願いしたいんだけど、どうだろうか作ってくれる?朝は俺が作るし昼は賄があるから夕飯だけでいいんだけど、どう出来そう?」

「僕がご飯を作るんですか?」

少し困った顔をしているけど嫌なのかな?

「嫌だったら無理には頼まないけど?」

「違います!・・・嫌な訳ではなくて、僕が作って口に合わなかったらと思うと・・・。」

そこを気にしていたのか、手伝ってもらっていた時から味付けに問題はなかったの忘れているのかそれとも何か精神的な物か?

「さっきも言ったけど、春陽の料理は美味しいから自身持っていいよ。とりあえず1週間作って問題があれば止めればいいし、試しに作ってみないか?俺は春陽の料理をもっと食べたい。」

これじゃ駄目か?何か春陽の自信に繋がる物があればと思ったんだが焦り過ぎか、自信が付けばもっと余裕が出来るかと・・・。

「・・・・はい、頑張ってみます。」

「有難う。俺が休みの時は一緒に作ろうな♪明日からお願いするよ。」

「はい・・・。」

自信なさげな春陽を抱き締めて頭を撫でる。

「そんなに気張んなくていいから、作るのに困ったら書斎に料理本があるし寝る前だからそんなに凝ったの作らなくてもいいよ。俺とじぃさんは米があれば後は漬物でも問題ないし駿二は春陽と同じでそんなに量たべないから大丈夫だよ。」

腕の中で力が抜けたのが判った、今まではメインの他に簡単な物でも小鉢的な物(量は多いが)幾つも有ったりとテーブルにはいっぱい乗っていたからあれらを毎回作らなけばいけないのかと思ったのだろう。小鉢は日持ちする物ばかりだし、毎回作っている訳ではない何日かに1回作っている程度だ。

「春陽が食べたい物を作ればいいよ。和洋中何でも俺達は好き嫌いがないから何でも食べるから大丈夫だし。なっ?」

「はい。頑張ってみます。」

「あぁ。」

春陽を抱き締めていると暖かくて気持ちい。頭を撫でけているとお腹いっぱいで気持ち良くなったのか春陽がうとうとし始めた、俺の腕の中で安心して寝ている姿も可愛い!春陽は本当に何をしてても可愛いなぁ。俺はショタの気はなかったはずなんだけどなぁ?

春陽が完全に眠りに落ちると俺も春陽を抱いたままソファに横になる。
幸せなお昼寝タイム。


起きた春陽が俺の上で寝ていた事に軽くパニックになっている姿も可愛かった。
落ち着いた春陽とジョンの散歩に行く今日は休みで時間があるのでいつもと違う道を行く、海ではなく高台にある公園に向かうそこには大きなドックランがありジョンでも十分に遊べる。ここは俺が休みの時にしか連れて来れないのでここに来るとテンションが高くなり大変だから行きは俺がジョンを連れて行った。

ここには友達がいっぱい居るので中に入ったら直ぐに離してやる、友達に囲まれながら走り回っている姿は実に犬らしい。そんなジョンを楽しそうに春陽は見ていた。

ここには、ジョンの様に元気いっぱいの奴と飼い主の側で遊んでいる大人しい仔達がいる。俺達も飼い主達に囲まれていた、積極的に来るのは大抵αと家族に愛されて育った自信に溢れたΩだ。いつもは一人で来る俺が春陽というΩを連れいる事が気に食わないのが態度に出ていたので囲まれる前に軽く威圧する勿論春陽には気付かれない様に、すると少しは冷静になったのか大人の対応をしてくれた。

春陽は彼女達の気迫に少し怯え俺の手を強く握って来たが無意識だろう、俺も手を握り返し春陽に微笑むすると少し安心した顔をして彼女達に挨拶をする。ちゃんと挨拶が出来た事を褒めるとはにかむ姿を彼女達は俺に見られている事を忘れて睨みつける。

肉食系の彼女達は春陽には未だ未だ早かったか?


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