良識のある異世界生活を

Hochschuler

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学園

classify〜各個人の痛感〜

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掲示板にはクラス表が張り出されていた。それは試験の結果に基づき、高い方からクラス分けされているらしいので、当然、僕とリリーは同じクラスになった。しかし、僕のクラスは多分一番上で、それこそこの学園に入った人の上澄が来るわけだから、何名か知っているのではないかと思ったが、誰も知らなかった。或いは社交会ではあったものの、名前を覚えていないかのどちらかだ。とりあえず、クラスに入ろう。僕たちはクラス分け通りに、僕たちのクラスのある校舎に向かう。さすが学園というべきであって、白を基調としたデザインで、洗練されており、まさにここにこれから通うのは身の誉と思える。自分の名前の書かれている下駄箱に靴をしまうと、間接照明で照らされた階段を登り、1-Aについた。この校舎には1-A~1-Eまである。上の学年も同じだ。

クラスに入ると何名かの生徒はすでにいた。僕たちは入試結果が近かったので、近い席に座ると、お互い話して暇を潰していた。そんな時、一人の少年が近づいてきた。
「おっすおっす、お二方は王族様と公爵家様でよろしいんだよな?」
そうだが。
「いやぁ、そんな方々と授業を受けられるなんて身の誉だね。然も、王族きっての優秀さを持つ貴方様に謁見できるとは」
買い被りすぎた。このクラスにいるなんてことは、君だってとびきり優秀なのだろうから。
「いやいや、満点通過という偉業を成し遂げた人が俺を優秀というなんて畏れ多い。ところで二人はどういう関係ですか?」
ああ、僕とリリーか、そうだな……まあ大体友達だ。
「へぇ、そんなに仲睦まじいのに」
そうでもないだろ。なぁ?
リリーの方を向くと、そこには膨れっ面の彼女がいた。
「そうでもないってどういうことよ」
リリーの眼光が鋭い。僕はそれに恐れをなしてこう言い直した。
い、いやぁ、すごい仲がいいかも知れないなぁ。うん、仲はすごく良好だ。
「……へぇ、だいたいわかったぜ。まあ、これは俺の関与すべき問題ではないからな。二人で解決してくれ。ああ、そうだ。俺の自己紹介を。俺の名前はマイケル・キーナー。ただの貴族だ。よろしく頼む」
ああ、よろしくな。俺の名前は――
「言わなくっても良いぜ。知っているから。然し、アルバート、アルバ、アル、よし、あんたのことアルって呼ばせてもらって良いか?」
あ、ああ、まあ良いが。
「え?じゃ、じゃあ私もアルって呼ばせてもらうわ」
まあ良いが。
そのすぐ後、担任がクラスに入ってきたため、僕たちは散会した。
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