推しアイドルの専属マネージャーになるには『大きいこと』が大切でした。

おさかな

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KATのパフォーマンス

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 KATのパフォーマンスには隙がない。ダンスで魅せる享に、歌で虜にする葵。ふたりとも自分の魅力的な見せ方を理解し尽くしているし、その上で曲ごとに表情を変えてくる多彩さも素晴らしい。
 見た目のかっこよさ、綺麗さだけではない、実力に裏付けされた人気アイドル。ステージイベントや歌唱披露がメインの活動で、あまり本人のキャラクターやプライベートな一面は暴かれていない。

 ミステリアスな実力派アイドルの裏側のほんの一部を見てしまっただけだけれど、持田はそのパフォーマンスの素晴らしさを前にしてようやく、自分はとんでもないことになったのかもしれないと考えていた。

「当然ですけれど、持田さんの業務については一切他言無用です。もちろん表向きの営業などもしていただきますが、今のところ彼らは営業をかけずともスケジュールが埋まっていて仕事をお断りしているくらいなので……メインは彼らが不自由なく、気持ちよく仕事ができることが最優先です」
「わかりました」
「……やっていけそうですか?」
「……まだわかりませんが、私は私のできることで、彼らを支えていきたい気持ちは変わっていません」

 例えそれが自分のちんぽを求められているということであっても、それは受け入れようという気持ちだった。

 思い切りセックスをしてすっきりしたことであのキラキラと輝く笑顔がうまれているのなら、彼らが満足いくまで勃起を保てるように努力しようじゃないか。
 真面目な持田は、こんな状況にあってさえクソ真面目だった。

 ♡

「ん、ふ……♡ちゅ、ん……っ♡」
「ふ、ん……あおいさん………♡」

 収録終わり、雑誌用のインタビューなどもこなして、事務所に戻る三人。
 「ちょっと用事がある」と言ってふたりが過ごすために割り当てられている部屋を出ていく享を見送ると、すぐに葵が持田の腕を引き、キスを求めてきた。

 ちゅ……っ♡ちゅく♡♡ぬる……っ♡れろ♡ちゅぷ…♡ちゅく、ちゅぅ……♡
 享とのセックスの横で興味がなさそうにしれっとしていた葵だが、クールな見た目に似合わない甘い甘いキスを求めてくる。

「は……葵さんは、キスが好きなんですか……?」
「ん………キス、好きです……」
「……まだ信じられないです。おふたりとこんな風にキスしたり…セックスをしたり……」
「……いや、ですか……?」
「驚いているだけで、嫌じゃないですよ。むしろ、私などでいいのかと……」
「……いいんです。マネージャー……もっとキス……」
「はい。……ん、ちゅ……」
「ん……♡ふ、ぅん…………」

 ふう♡ふう♡とキスの合間に熱い吐息を感じる。天使の声と呼ばれるその甘い声でもっととねだられれば、断れる人などいないだろう。

「ん、ふ……♡は、ぅん……っ♡ん、ん……♡」
 キスの合間に漏れ出る小さな吐息もひどく甘くて、持田はクラクラとした。
 何度も何度もその唇から紡がれる歌声に感動して生きる活力をもらってきた。その音を生み出す唇に、舌に、恋人のような深いキスをしている。

 荒くなった息を整えるために唇を離すと、葵は熱の籠った瞳で持田を見つめてくる。クールなイメージとはかけ離れた、熱くてしっとりとした視線。

「……葵さんも、その………したい、ですか?」
「…………っ、あ……い、いや……」
 持田が聞くと、かあっと頬を染める葵。持田は思わずその顔をかわいいと思ってしまった。

「あ、いえ。嫌ならキスだけでも……私はおふたりのしたいと思うことを、してあげたいだけなので」
「……し、したくないとかでは、なくて……」

「戻ったよー、って……ふたり、なんかいい感じ?」
「享さん」
 ふたりがキスをしていた至近距離のまま話していると、享が戻ってきた。すると葵はパッと持田の腕の中から離れてしまう。

「……どこ行ってたんだ?」
「えへへー、せっかく初日でとっても仲良くできそうだしさ?楽しいプレイしよーと思ってコレ持ってきた!」

 そう言って享が持ち出したのはかつてのライブツアーのときに着ていたステージ衣装だった。

(あれは2年前のアリーナツアーのときの二回目の衣装替えのときに着ていたものだ……!かわいらしいラメのちりばめられたファーの飾りがふわふわきらきら、踊るのに合わせて揺れて輝くのがすごく素敵だった……)

 持田はもともとふたりのファンであることは隠していた。本人たちもファンがマネージャーになったなどやりにくいだろうと思ったからだ。なので過去のステージ衣装を見てもリアクションは取らないように心の中で感動していた。

「これ内側に傷みがあるし俺もサイズ合わなくなっちゃってて今度使うときがあれば作り直すから廃棄だって言ってたから、もらってきちゃったんだ♡これ着てエッチしよーよ♡アイドルコスプレえっち♡」
「……本人が本人の衣装着るならコスプレとは違う気もするけど」
「細かいことはいーの!アイドルとしてみんなの前に立つための衣装で生ハメセックス♡持田さんも興奮するでしょ……?♡」
「……っ、はい……」

 それに、もうこれ以上は普通のファンではいられなくなるとわかっている。もう既に推しの享と中出しセックスをして、葵ともディープキスをした。
 そんなのは、もうファンとは言えない。それにどんなことであってもふたりが望むことをしてやろうと決めたマネージャーになったのだ。

 ここでちんぽを勃てることが必要ならば、素直に興奮してしまう自分を受け入れる他ない。持田はこのとき、ようやく覚悟が決まった気がした。
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