お前の身も心も捧げろ〜極道の寵愛は止められない

ラヴ KAZU

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第七章 素直になれない気持ち

交錯する二人の気持ち

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「葉月、大丈夫だ、俺が葉月を守るからな」

葉月は冨樫の差し伸べられた手を取りたかった。

でも、そんなことは許されない。

山辺にいいように抱かれて、他の男とも身体を重ねた。

今は極道の世界の男と一緒にいる。

本山組若頭城之内理玖。

葉月は城之内を愛していると嘘を告げた。

冨樫は葉月に振られた形になった。

それからお互いの関係に進展はみられず、ただ悪戯のごとく時は流れた。

麗美は冨樫に積極的にアタックを開始した。

ある日、冨樫は麗美に誘われて、デートに出かけた。

冨樫の心の中は今でも、いやこれからも葉月でいっぱいだ。

振られたことにショックはない。

冨樫は葉月に危険が及ばないように、麗美の言いなりになり、

城之内を刺激しないようにした。

それが冨樫の葉月に対する愛の表現だった。

麗美と出かけた先には、城之内と葉月もいた。

なんと偶然なことか。



いや、麗美の企みがあったのだ。

葉月と城之内の仲の良いところを、冨樫に見せて、絶望を与えたかった。

雅也さんを愛しているのは私よと……

そして、城之内は私の言いなりなんだからねと……

「あら、こんにちは、そちらもデート?」

「お嬢」

城之内は麗美の企みを全く知らなかった。

冨樫はじっと葉月を見つめていた。

何を思ったか、冨樫は葉月に近づいた。

「葉月、体調は大丈夫か、何か困っていることはないか」

すると、城之内は葉月の前に進み出て、冨樫に言葉を投げつけた。

「失礼なこと言わないで頂きたい、葉月のそばにはいつも俺がいる、困っていることなどない、冨樫さんはお嬢のことだけ考えてください」

「葉月、行こう」

葉月は城之内に黙ってついていった。

「雅也さん、私達も行きましょう」

冨樫も麗美についていくしかなかった。

葉月は視線を感じて冨樫の方へ振り向いた。

冨樫もまた、葉月の方へ振り向いた。




二人の気持ちが交錯する。

言葉にしなくても、相手に届くほどの、思いが表情で読み取れた。

それなのに、二人の距離は遠くなっていく。

どうして、私は素直になれないの?

葉月の自信の無さが邪魔をする。

どうして、俺は葉月を強引に連れ去ることが出来ないんだ。

冨樫の過去のトラウマが邪魔をする。



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